過去のtogetterまとめを集めてみた

20 2月

あたしのツイートが使われているtogetterまとめをいくつか紹介するわ。

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高校生向けに差別・偏見セミナーをやってほしいと頼まれたら前日に…

差別や偏見に関するセミナーを頼まれたにも関わらず、その前日に「ゲイやホモフォビアの話と、人種差別の話はしないでください」と言われて困ったという話。個人的、今までの仕事で一番印象に残っている経験で、思い出すとちょっと元気がもらえるのよね。

キャシーさんのアライ(ally)に関する発言まとめ

アライってとても大切な存在なんだけど、一歩間違えると支援ではなくなってしまう。どうアライとして支援をすればいいかについては自分も現在進行形で学んでいる。アライのあり方についてあたしが知っていることを #アライのいろは というタグでツイートしたので、ぜひ読んだり、ツイートしたりしてみて。

キャシーさんの「差別を見て見ぬ振りできる人はきっとそんな差別を意識せずに済む恵まれた生活を送っているのよ。」

「黒人の命は大事だ!」という声への反論「みんなの命だって大事じゃないか!」が的外れな理由

このまとめはどちらも北米の人種問題から話を広げて、差別や偏見への向き合い方について語っているわ。とてもセンシティブな問題なので、いろんな意見があると思うけど、これもひとつの意見として読んでもらえたら嬉しいわ。

こちらのまとめはおまけよ。

キャシーの食べログ

いつまでも美味しい食べ物には目がないキャシーよ。

それにしても、ツイッターって本当に便利よね。

まだ頭の中で整理してない考えも140文字の段落で少しずつツイートできて。

いつか記事として書こうと思いながら、ツイートしたし「もういいか」ってなっちゃう。

そんなわけで、こうしてあたしのツイートをまとめてくれた方々に心から感謝。

そして、これからはできるだけ文章にまとめるよう心がけるわ。

トロントのゲイタウンで声をかけられて

4 2月

昔はほぼ毎日遊びに来ていたトロントのゲイタウン。

チャーチストリートとウェルズリーストリートの交差点付近に住んでたこともあったっけ。

それが今では、ヘアスタイリストのところに行く時以外は寄ることもなくなった。

自分も変わったし、この通りも変わってしまった。

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そんなゲイタウンに足を踏み入れると、昔の恋人とばったり会うような気分になる。

まだ好きだという気持ちは少し残ってるけど、もうそれは冷めていて燃え上がることはない。

別にそれが良いとか悪いとかじゃなくて、ただ距離が遠くなっただけだ。

今日もチャーチストリートを早足で歩いていたら、急に目の前のお兄さんに声をかけられたの。

「ねぇ、時間わかる?」

早足のまま彼に時間を教えて、そのままスタスタ歩くあたし。

横を見ると、同じお兄さんが同じくらいのペースで隣を歩いている。

「この辺りって、ゲイの人がいるんだよね?」

急にそんな話を振られて、戸惑うあたし。

「ゲイの人なら向こうの交差点にいっぱいいるよ。」

と、あまり答えになってない返事をして、歩くペースは落とさなかった。

いきなり知らない人からそんな質問をされたら、いくら社交的でも上手に返せない。

そして、そのお兄さんはまだ隣を同じスピードで歩いていた。

いい加減に不自然なので、立ち止まって聞いてみた。

「何か探してるなら、手伝うけど?」

話を聞けば、トロントに来たばかりでそのお兄さんは噂のゲイタウンに興味津々。

まだカミングアウトもしてないのか、ひどくシャイで言葉に困っていた。

とりあえず、すぐ近くにあったコミュニティセンターを紹介してあげて。

友達や一晩の相手と出会えそうな場所を一通り教えてあげた。

緊張していた彼の表情はだんだんほぐれて、優しそうな笑顔に変わった。

「ありがとう!」

そう言って、彼は嬉しそうにゲイタウンの中心部に向かって歩き出した。

可愛い顔したお兄さんだったので、お茶に誘っても良かったんだけど。

ヘアスタイリストとのアポイントメントに遅れてたのでそれは断念。

もう一回振り返って、歩き去るそのお兄さんの後ろ姿を見て。

まだこのゲイタウンを必要とする人はいっぱいいるってことを再確認した。

彼にとって、チャーチストリートが素敵な場所になるといいな。

最近のゲームに登場するLGBTキャラクターがすごい

3 2月

30歳の誕生日プレゼントに、彼からプレステ4もらったのよ!

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小学生の頃はゲームボーイが手放せなくて。

高校生になって初めてバイトして稼いだお金はプレステ2に費やしたあたし。

プレステ4もいずれ買おうと思ってたので、とても嬉しかったのよ。

しかし、最近のゲームってやたらボリュームあるじゃない。

100時間とゲームプレイに、DLCとかの追加コンテンツまであって。

仕事の後、家事済まして、犬の散歩に出かけて、ソファーに腰掛ける頃には寝る時間になってるこっちからしたら、遊びたくても時間も体力も残ってないのよ。

ゲームは買うものの、数時間に遊ばずに終わるケースばかりだったの。

でも、せっかくプレゼントにもらったプレステ4を無駄にするのもアレなので。

年末年始のお休みに、ずっと気になってたゲームを始めたの。

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2015年に発売された『The Witcher 3: Wild Hunt』よ。

ファンタジー物が好きで、評判も良かったので、思い切ってやってみたのよ。

今のゲームって、よくゲイやトランスジェンダーのキャラクターが出てくるのよ。

最近はダイバーシティ・マーケティングとか流行ってるじゃない。

だから、とりあえずマイノリティをカヴァーしておこうみたいなことが多くて。

ゲイキャラが登場してもステレオタイプの塊だったりして、逆に萎えるのね。

このゲームでもゲイやトランス(?)の方が登場するんだけど。

ちゃんとキャラクターとして成立してて、いい感じにステレオタイプもぶち壊してるのよね。

このゲイのハンターのエピソードなんか、凄く切なくなっちゃったわ。

この世界に暮らす住民たちが抱えるホモフォビアもちゃんと描いているし。

このゲイのキャラクターの葛藤も、それに共感する主人公もちゃんと描写されているのよ。

この洋服屋さんのオーナーであるエルフはトランスヴェスタイト(もしくは女装好き?)で。

男装している時は男性の名前で、女装時は女性の名前を名乗っているのよ。

いきなりのことでビックリする主人公が必死に失礼のないように振る舞う姿も笑えるし。

「あたし、男には興味がないのよ!」

と、きっぱり言い切るエルフもステキすぎたわ。

どっちもクエストの中に登場する脇役に過ぎないんだけど。

なんだか、本当にその世界で生きているんだという説得力に満ちてたというか。

短いやり取りで、彼らの複雑な人間性を少し垣間見れた気がしたのよ。

こういうLGBTのキャラクターなら、もっと登場させて欲しいわ。

そして、ゲーム自体も本当に面白い。

コントローラーを握るとあっという間に数時間が消えてしまうから恐ろしいわ。

彼とのセックスの時間を削って、どんどん進めちゃうわよー!

(プレイタイムは300時間+DLCらしいわ)

30歳。海外暮らし。無職。

1 2月

というわけで、タイトル通りよ。

「最近ツイッターでよくキャシー見るわね?」

とか思ってる鋭い方もいるかもしれないけど。

その通り、無職になって久々にツイッターに舞い戻ったわ。

本当に、ブログもツイッターも放置でごめんなさい。

去年、メンタルヘルスに対する偏見のリサーチをする仕事に転職して。

コンサルタントとして前に勤めていた団体でも仕事しつつ。

コラムの連載を抱えながら、ヒューゴくんも家族に加わって。

いつもの倍は駆け足な2015年だったのよ。

おかげで、元旦初日からぐったりしてたわ。

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大事な部分を端折って申し訳ないんだけど。

思い切って、今の仕事を離れることにしたわ。

これからほぼ収入ゼロよ。

少し前の自分だったら、今頃大慌てだったと思うの。

「きゃー!30歳にもなって、海外にいて、しかも無職ってマジでありえないんですけど!餓死しちゃう!」

とか、きっとブログに書いてた。

でも、今のところ不思議と冷静よ。

不安がないといえば嘘になるけど。

今まで難関を乗り越えてきた自分ならできる!

そんな自信に支えられてるから大丈夫。

「仕事を辞めようと思うんだけど…」

それを伝えても、顔色変えずに応援してくれた彼と母に感謝。

少し時間に余裕ができたので、身の回りの整理整頓をしつつ。

次のキャリアをまったり探すことにするわ。

お金が底を尽きる前には何かが見つかればいいんだけど。

というか、見つからなかったらやばくない?

きゃー!30歳にもなって、海外にいて、しかも無職ってマジでありえないんですけど!

餓死しちゃう!

というのは半分冗談よ。

(新年あけましておめでとうございます)

ハッピーサマーレズビアンウェディング。

14 7月

ついに!

ついに!!!

ついにぃ!!!!!!!!!!!

初のゲイウェディングに行ってきたわよ。

ゲイ=ゲイ女性=レズビアンなんだけどね。

以前にもコラムに書いたんだけど。

ずっと、ずっと、ゲイウェディングに行ってみたかったの。

だから招待状が届いてた日からずっと楽しみにしてたのよ。

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今回、結婚式に招いてくれたのはジェン&イネのふたり。

2年前から愛を育んでるラブラブでおちゃめなカップルよ。

彼女たちはトロントのワールドプライドで行われた同性カップルの合同結婚式に参加し。

110組のゲイ&レズビアンカップルと共に美しいカサロマ城で永遠の愛を誓ったそうよ。

「キャシーも合同結婚式どう?」

とか実はあたしも彼女たちから誘われたんだけど。

こんな大規模な結婚式はちょっとロマンチックすぎるわ。

話題性のあった合同結婚式は彼女たちの微笑ましい写真と共に世界各地でニュースとなった。

この合同結婚式の記事は日本のツイッターでも流れてたので。

彼女たちの写真を目にした人もいるかもね?

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ただ、この合同結婚式には家族や友人をたくさん招くことができなかったので。

ワールドプライドが終わってから、もう一度結婚式を挙げることにしたふたり。

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コミュニティスペースを借りて、自分たちで食事や飲み物を用意し。

とても暖かみのある結婚式には多くの家族や友人が集まった。

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楽しいゲームもたくさんあって。

目隠しでバナナを食べさせ合うゲームなんてお互いの性格がよく現れて笑えたわ。

イネちゃん、そんなに乱暴に突っ込んじゃダメよ!

最後には結婚式のお約束である誓いの言葉を交わし。

可愛らしいキスを披露してくれたわ。

「もう一回!」

とキャシー思わずアンコールまでしちゃったわ。

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セレモニーのあと、ちょっとふたりと話ができて。

「結婚式、世界中でニュースになったね!」

と祝福してあげると、ちょっと暗い顔になった彼女たち。

話を聞けば、韓国のニュースサイトでも合同結婚式が話題になって。

韓国人であるイネに対して、中傷コメントもたくさんあったんだとか。

「他人の幸せも喜べない心の狭い匿名コメントなんて無視よ。」

「きっとその記事を読んで励まされた人たちもいっぱいいるよ。」

そう言ってあげると、彼女たちは少し笑顔になった。

イネ曰く、このニュースは韓国の新聞でも取り上げられたらしく。

「うちの両親その新聞読んでるんだよね。まぁいいか。てへ。」

と、カミングアウトに手こずっている彼女は苦笑いしていた。

いろいろ困難もあるみたいだけど。

このパワフルなふたりならなんとかなりそうね。

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そんなキャシーも、この週末で彼と付き合って3周年。

ビックリするくらいあっという間に時間が過ぎて、前々実感湧かないわ。

貴重な20代をモノガミーな恋愛に費やしてしまって後悔よ(爆!)

あたしより後に付き合いだしたカップルが最近続々結婚していて。

「…そろそろどう?」

とか知り合いから聞かれるときもあるんだけど。

「結婚はまぁ、今のところは必要ないかな。」

というのがキャシーのスタンス。

だって既にパートナー法である程度権利は保証されているし。

結婚したって今のふたりの関係には何も変わりはないし。

50歳か60歳になって、老後のプランニングをするようになって。

まだ結婚してないと生きづらい世の中だったら、その時には結婚でもするわ。

まぁ、いつかは友人や家族を招いてお祝い事もやりたいけどね。

それはまた別の機会に考えよう。

っていうか。

モー娘。の『ハッピーサマーウェディング』ってもう14年前の曲なの?

だってお父さんが…

「フェラ好きの人には悪い人はいない」って言ってたし…

ぱっぱらぱーん!

キャシーの精子を欲しがるレズビアン。

15 6月

今年はトロントでワールドプライドが開催されるということで。

「もう今年で7年目かぁ。」

としみじみしつつ、昔のプライドの写真を漁ってたのね。

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「なんかめっちゃ痩せてるんですけどーっ!」

とか自分で自分にツッコミを入れながら。

甘酸っぱくて、汗しょっぱい思い出に浸っていたわけ。

そういえば、6年前のプライドだったけ。

レズビアンの友人の母親に紹介されて、非常に気に入られて。

自分の娘がレズビアンだと知らなかった彼女はキャシーに一目惚れ。

「ねぇ、どうして彼と付き合わないの?」

と娘に後で言ったそう。

レズビアンと明かせない友達は正直に。

「キャシーはゲイだから。」

と代わりにあたしのセクシュアリティを明かしたわけよ。

きっとそこで母親が諦めると思ったんだろうけど。

「じゃ、彼の精子をもらって人工授精したら?」

と母親の斜め上からの予想外な反撃に友達は思わず爆笑。

それ以来、毎年母親の口からこのキャシーの精子トークが飛び出すらしく。

28歳になったら精子をもらってこいと命令されてるんだとか。

そんな彼女も今やトロントを離れ、アルバータ州で仕事をしている。

こんな昔話をしたというのも、キャシーと同い年の彼女は今年28歳。

プライドの写真を見ていて例の精子トークを思い出したキャシーは。

「精子冷凍保存しておいたから!」

と久々の挨拶のつもりで、そんなメールをしたのよ。

そしたら彼女からこんな返事が来たわけ。

「ちょっとトロント帰ったらお話しよう。」

なんかやけに真剣なそぶりで、ちょっと緊張しちゃうあたし。

まさか、本当に精子が欲しいのかしら。

友達の幸せのためなら、精子でも体でも提供するけど。

ちょっとそこらへんの法律の勉強とかしておくべきなのかしら。

というか、6年前のプライドよりキャシーけっこう劣化してるんだけど。

老化+甘いもの食べ過ぎ ↓

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それでも彼女の母親はあたしの精子を欲しがるかしら。

いや、きっとキャシーの子供は可愛いわよ。

とか、無駄にあれこれ考えてしまったあたし。

そんなこんなで、昨日そのレズビアンの友達がうちに遊びに来て。

久々の再会でぎゅっとハグをしたあと、真剣な顔して。

「それで、話って何よ?」

とあっさり切り出すキャシー。

「実はね、私もう精子あるの。」

とか少し意味不明なことを口にする彼女。

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え?精子があるってどういうこと?

ザーメン?

 

 

スペルマ?

 

 

 

雄汁?

 

 

 

もう精子提供者を見つけたってこと?

やっぱり劣化しちゃったキャシーは要なし?

それとも生物学的に精子があるってこと?

科学の進歩って凄い?

頭がこんがらがってきたので。

「どういうこと?」

と素直に聞くことにしたキャシー。

「精子がある人と付き合ってるの。」

“精子がある人”って…なんて表現なのかしら。

いろんな意味でますます混乱してきた。

このままでは埒が明かないので、座ってお茶を飲みながら話を聞いてみると。

半年前より彼女は男性と交際していて、けっこうラブラブなんだとか。

ここ数年女性としか交際してなかったせいか。

彼女がバイだということをうっかり忘れてたあたし。

“精子がある人”=男性という意味で使ってたのね。

精子提供者の座を奪われてライバル意識を感じたキャシーは。

「ちょっと写真見せて。」

とちゃっかり相手の容姿をチェック。

なんと、実にイケメンで優しそうな人。

これなら安心して精子提供者の座を諦められるわ(違う)。

そんなレズビアンではなくバイである友達はけっこう天然な人で。

「精子どこに冷凍したの?」

とか言いながら、うちの冷凍庫を開けて真顔で中をチャックしていたのよ。

精子って、冷凍庫でお肉とか冷凍食品の横で冷凍保存するものじゃないと思うんだけど…。

あえてツッコミは入れなかったわ。

永住権。一つの終着点にして、出発点。

4 11月

朝、身支度をしていると携帯の着信音が聞こえた。

手に取れば、弁護士からだった。

今までの経験上、弁護士から電話がかかってくるときはいつも悪いニュース。

「来年はワークビザ厳しいかもよ?何か策を練ろう。」

「法律が変わって、早急に新たに書類を用意する必要が…。」

「移民局側のミスで大変なことになったの!今から来れる?」

またそんな内容の電話かと思うと、ちょっと胃の調子が悪くなる。

逃げてどうにかなる問題ではないので、深呼吸して電話に出る。

「もしもし。」

「もしもし、キャシー?」

やたらテンションが高い声に少し戸惑う。

「ねぇ、凄いものが届いたんだけど、何だと思う?」

「え?まさか…」

あたしが何か言う前に弁護士がこう言った。

「そう、永住権!」

予想以上に早く結果が届いて、喜ぶところなのにピンと来ない。

ここまでの道のりが険しかったせいか。

あまりにあっさりとした結末に動揺していたのかもしれない。

映画の中なら、ここらでもう一波乱あってもおかしくない。

「今から来れる?」

「もちろん!」

仕事に遅刻してしまうが、今は永住権を握りしめたい気持ちでいっぱいだ。

「永住権が取れたので、仕事遅刻します!」と上司にメールして。

少し駆け足で弁護士のところまで急いだ。

ゲイタウンを通り過ぎながら、5年前にトロントに来たときのことを思い出す。

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まだカミングアウトしたばかりで、とてもナイーブだったあたし。

新しい都市での生活と、オープンな社会にずいぶんと気持ちが浮いていた。

英語もろくにできなかったけど、なんでも成し遂げられそうな勢いだった。

カナダに移住する気などなく、一通り楽しんで日本へ帰るつもりでいた。

いろんな友達と知り合って、デートもそこそこ楽しんで。

ゲイライフを謳歌するゲイの“模範生”だったキャシー。

2009(23歳)

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トロントに来て1年ほど経つと、しだいに現実に打ちのめされるようになる。

カレッジでの勉強は人一倍頑張ってやっと追いつけるくらいで。

卒業しても就職できる見込みはなく、お金に余裕もない。

日本に帰ったところで、どんな仕事にありつけるのかもかわらない。

人生で初めて涙を堪えきれずに泣きに泣いた失恋もして。

最終面接まで残って、手応えのあった仕事も最後の最後で逃し。

人生って甘くないんだな、と今更身をもって知る。

その代わり、あきらめずに這いつくばっていれば何かしら道が開けるとも学ぶ。

2010(24歳)

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パートタイムのアウトリーチワーカーとしてトロントのNPOで勤めながら。

仕事に、プライベートに、とにかく忙しく駆け回っていた1年の終わり。

自分のワークビザの期限が迫って、決断をする日がやってくる。

「日本へ帰るか?トロントに残るか。」

あまりに決断を先延ばしにしすぎて、危うくステータスを失うところだったが。

精一杯貯めたお金を使って、弁護士を雇って、正式に移民の手続きを開始した。

2011(25歳)

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仕事もフルタイムとなり、収入が安定し。

人生で初めての一人暮らしが始まった。

同じ頃に、人生で初めて真剣な交際も始まって。

ダイエットに励んで落とした体重は幸せ太りであっという間にリバウンドした。

2012(26歳)

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1年交際した彼と同棲を始めて、ライフスタイルも激変。

仕事も、恋愛も順調だった中、タイムリミットは刻々と近づいていた。

年末までに永住権が降りなければ、カナダでの滞在が厳しくなって来る。

カナダを離れれば、永住権の取得自体も不可能になるかもしれない。

この数年の努力が、一瞬で吹き飛ぶかと毎日不安だった。

自分の力ではどうにもできないから、余計に苛立ちがつのる。

2013(27歳)

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もうダメかと思った矢先、奇跡のようなことが起こり。

カナダの移民法が大幅に改変され、ワークビザの延長が可能となり。

首の皮一枚繋がった状態で、トロントでまたいつものように暮らせるようになった。

今回ばかりはやばいと思ったが、悪運は強かったようね。

そして、今日カナダのアメリカのボーダーまでドライブして。

正式に永住権を取得し、カナダに再入国したわ。

「おめでとう!」

移民局の方にそう言われた瞬間、肩の荷がどっさり落ちた。

ここ数年目指していたゴールに、やっと届くことができた。

大学院にも現地の学生と同じ学費で行けるようになるし。

仕事先がリミットされることもないし。

タックスフリーの預金口座も作れるようになるし。

ローンを借りやすくなるし。

次はいつワークビザを失うか心配することももうない。

健康保険も途切れなくカバーしてくれる。

ただ、投票はまだできないのが残念だわ。

トロント市長のロブちゃんを追い出すのに一票でも多い方がいいのに。

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これからどんな道を歩くのかはわからないけど。

これで人生のオプションが一気に増えた。

長い夜が明けて、目に染みるくらいキレイな朝日を見ながら。

次のステップへ進んで行くわ。

険しい道もあれば、美味しい道もあって、歩けない道もあると思うけど。

あきらめずに、自分なりに一歩一歩、誇れるような足跡を残して行こう。