アーカイブ | 6月, 2010

カナダの奴隷たち。

21 6月

先日、仕事でウィンザーとレミントンに行ったと記事で書きましたが。

今日は、その衝撃的な事実とやらを、少し話そうかと思います。

正直、まだ消化しきれていない部分もあるんですが、キャシーなりの理解の元に書きます。

トロントから車で4時間以上離れたウィンザーとレミントン。

ウィンザーは、アメリカのデトロイドがすぐ近くに見えるなかなか栄えた都市で。

レミントンは逆に、畑が一面で、都心部もウィンザーよりずっと小さいです。

レミントンの畑で、夕日を眺めるキャシー。

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キャシーたちがなぜこんな場所まで来たのかというと。

ここで、畑仕事をするタイの移住労働者たちを訪れるためです。

カナダは、土地は広大だけど、人口がめちゃくちゃ少ないんです。

だから、多くの企業は労働力を補うのに、移民や移住労働者に頼っています。

移住労働者たちは1年や2年の期間限定契約でカナダに訪れ。

お金を稼いでまたそれぞれの国に帰ります。

多くの移住労働者は、メキシコやタイ、フィリピンから来ていますが。

キャシーの勤める団体は、主にタイの移住労働者を助ける活動を行っています。

ここまでが、キャシーの一般的な理解でした。

その日、あたしとあたしの同僚はウィンザーに人権問題関係のフォーラムに参加。

あたしの同僚はそのフォーラムで話す人の翻訳を勤めるということで。

座ってフォーラムを聞く役立たずのキャシー。

壇上に上がったタイの移住労働者たちは。

彼らが経験したことを淡々とタイ語で語り始めました。

多くのタイ人の移住労働者は、タイの貧困層出身で。

彼らの生活は非常に苦しく、少しでも多くお金を稼ぎたくて、カナダに働きに来ます。

そんな彼らをカナダの企業へ繋ぐ役割の人たちは、こうけしかけるのです。

「カナダに来れば、今の数倍も稼げて、さらに永住権も手に入って、他の家族もカナダに連れて来れて、家も買って、牧場や畑も経営できるよ。」

こういう人たちのことを、リクルーターと呼ぶんですが。

彼らは、カナダ企業から派遣される場合もあれば、個人ビジネスのケースも多いです。

しかし、多くのリクルーターは、貧困層のタイ人が情報へのアクセスがないことをいいことに。

そのカナダ企業への紹介費、飛行機代、ビザ申請費などと理由をつけて。

お金のない彼らから、大体10000カナダドル(100万円相当)を徴収するんです。

実際、法律上飛行機代やそういった費用は企業側が負担することになっているので。

移住労働者がその費用を払う必要はないんですが。

そもそも情報にアクセスできない彼らにそんなことはわかりません。

多くの人は自分の土地を売ったり、借金をしたりして。

無理してでも払う必要のない費用を払いカナダにやってきます。

それでもし、彼らが良い企業に雇われるのならまだ良いのですが。

こうしたリクルーターを使う企業は、労働法を守っていないケースも多く。

移住労働者たちは、まともに扱われることなく、奴隷のような扱いを受けます。

カナダへやってきた移住労働者のパスポートを没収し。

小さいアパートに収容し、外出も許可なしにはさせず。

義務づけられている保険の手配も無視し。

彼らをカナダ人が誰も働きたがらない劣悪な環境下に置き。

約束した半分の給料しかあげないケースや、残業代も払わないケースが多く。

さらに、仕事の需要がなくなれば、契約期間内にも関わらず、彼らをクビにします。

カナダに来て、お金を稼いで家族を養い、借金を返す必要がある彼らは焦るわけで。

英語もできず、右も左もわからないカナダで途方に暮れ、連絡するのはリクルーターたちです。

そのリクルーターたちは、彼らにさらに多額の手続き料を請求し、違う企業に紹介します。

その悪循環に陥ると、彼らはもうお金も稼げず、サポートも得られなくなります。

これはそのフォーラムで、タイ人移住労働者が涙ながらに話した経験で。

翻訳を勤めていたキャシーの同僚も、泣きながら翻訳をしていて。

キャシーはなんというか、もう驚きで頭が真っ白でした。

会場にいた一人の黒人女性は、質疑応答で立ち上がり。

「奴隷制度の悲劇に面した先祖を持つ一人の黒人として、一人のカナダ人として、私はカナダという国でこのようなことが起きていることを恥じています。」

と涙を流しながら、語りました。

カナダといえば、リベラルで、人権が保障された国。

こんな現実がその裏にあったなんて、キャシーだって信じられません。

何よりも頭に来るのが、一国家として、カナダがこういった問題を規制したり。

こういった問題に直面してる移住労働者を保護する法律を有していないこと。

そんなやるせない後味のまま。

キャシーたちはフォーラムを後にし。

ウィンザーから車で30分ほど離れたレミントンに行き、実際にそこで働いているタイの移住労働者たちの家を2軒ほど訪れました。

私たちが訪れたのは、うちの団体や他の人権運動家の助けを借りて。

劣悪な労働環境を離れ、多少はまともな企業に雇われた人たちです。

彼らは、一軒家に8人で共同生活をしていて、お酒を飲みながら金曜日の夜を楽しんでました。

彼らはタイ人だけのコミュニティーを形成していて、英語はほとんでできません。

キャシーはタイ語ができないので、言葉では全然コミュニケーションはできなかったけれど。

みんな本当にフレンドリーで、一緒に食卓を囲み、タイ料理を楽しみました。

帰りに車の中で、キャシーはまだその日あったことを消化できずに。

直接自分が関わっているプロジェクトではないにせよ。

この仕事のスケールの大きさにとても驚きました。

結局、朝9時に出発した2人、トロントに戻ったのは夜の11時でした。

「今日は本当に、同行できてよかった。ありがとう。」

と最後に同僚にお礼を言って。

キャシーはまだまだ消化しきれない問題を抱えて、お家に帰りました。

ウィンザーとレミントンへ日帰り旅行。

19 6月

木曜日、仕事が終わる1時間前。

いつもより効率よくいろいろ終わって。

金曜日はのんびり、半日だけ働いて、あとは週末をエンジョイしようと思ってたキャシー。

あたしの仕事、フレックスタイムなので、出勤時間は比較的調節可能なんです。

それで、デスク上のいらない書類をまとめていたら。

隣のオフィスから、タイ人移住労働者のために働いてる同僚が入って来て。

「ちょっと、明日あたし一人で行くわけ?」

とか文句言いながら入って来て。

何の話か全然わからないキャシー。

うちの上司、なんか嫌なことを企みつつ。

「え?俺この前行ったじゃん。誰か他にいないの?」

とか言いながら、意図的に僕に視線を向けて。

「ほら。今度はキャシーを連れて行けば?」

と、まんまと上司の罠にはめられたキャシー。

朝9時にキャシーの自宅に車で迎えにくると言われ。

行き先もわからず、イエスしてしまったあたし。

金曜日の朝、車に乗り込み。

「で、今日はどこに行くの?」

って同僚に聞くと、その子は目も合わせてくれずに。

「ウィンザーと、あとレミントンってとこ。」

と、ぼそって言いました。

「それどこ?車で何時間?」

と、全然予定がわからないので、質問責めするキャシー。

同僚の子は、罪悪感からか、声がどんどん小さくなり。

「え…。片道4時間なら早い方かな?」

とか、またぼそっと衝撃発言。

そんな事実を聞かされ。

「おおおおおおおおいいいいいいいいい!」

「はめられたぁぁぁぁぁぁああああ!」

「今日のデートにも、友達のショーにも、別の友達の誕生日会にも間に合わないじゃん!」

「今から車から飛び降りても良い?」

と、半ば発狂するキャシー。

そんな感じで拘束されたあたしでした。

まぁ、あんまりオンタリオ州って回ったことなかったし。

そんなに仕事もないし、日帰り旅行だと思うことにしたキャシーでした。

この時点ではまだどんな旅になるか、まったく予想がつきませんでしたけど。

何があったかは、後ほど語るとして。

とりあえず、レミントンで撮った写真を一枚。

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畑ぇ~~~~~~~~~~!!!

どこを運転しても畑一面で、久々に田舎を体験してきました。

カナダって、本当郊外はこんな感じなのよね。

トロントのダウンタウンで留学、仕事できて本当ラッキーでした。

ゲイタウンと、混雑した道と、ギラギラネオンがないと、もう落ち着かないもの。

でも、いったいこんな畑でキャシーたちはどんな仕事をしてきたわけ?

次の記事では、このレミントンで起きている衝撃的な出来事について書きます。

反プライドトロントのキャンペーン。

13 6月

キャシーは、ゲイプライドの固まりのような子なんだけど。

今年も、プライドを凄く楽しみにしていて、既に衣装も調達済みなのに。

この一連の騒動でただ今プライドをボイコットしようかと考えています。

ゲイプライドが命のようなキャシーが、プライドをボイコットだなんて。

本当、いったいこれからどうなっちゃうのかしら。

トロントのハッテン車窓から・・・

こちらは、去年のプライド中のキャシー。

この一連の騒動って何?

って思った方は、こちらの記事でその全貌がわかります。

パレスチナ支持の反イスラエルLGBT組織へのトロントプライドパレード参加禁止令。

ゲイパレードの精神とトロントプライドの戦い。

今日はそんなコミュニティの反プライドトロントキャンペーンを紹介します。

本当、トロントのアクティビストたちって、ジョークたっぷりの批判が得意です。

トロントプライドは、毎年がテーマがあって。

30周年の今年のテーマは、『YOU BELONG』だったんです。

トロントのハッテン車窓から・・・

『YOU BELONG』というテーマで。

『あなたはこのコミュニティの一員ですよ。』

と、プライドトロント側はそんなメッセージを伝えるつもりが。

皮肉にも、反イスラエルのLGBTグループのプライド参加を禁止してしまったわけです。

筋が通っていないとは、こういうことを言います。

そんなわけで。

コミュニティー側は、こんなポスターを作って。

今年のプライドのテーマを、パロディにして扱き下ろしています。

そのポスターというのが、コレ!

トロントのハッテン車窓から・・・

ちょっと白が多いので、わかりづらいかもしれませんが。

『YOU BELONG』を、『YOU BELONG OVER THERE』と置き換えて。

その主語も、意図的にプライドトロント側に変えられてしまっています。

そして、白地のポスターの右端に、●がぽつんとあります。

どういう意味がだいたいわかりましたか?

キャシーの解釈ではこうです。

『YOU BELONG』『YOU BELONG OVER THERE』にすることで。

『あなたはコミュニティーの一員ですよ。』という意味合いを。

『あんたは、向こうに属してるわよ!』ってニュアンスに変えて。

さらに、プライドトロントを主語にした時点で。

『あんたは私たちの一員じゃなくて、向こうに属してるのよ!』

ってメッセージになっているんだと思います。

その右下の●は、プライドトロントを指しているんでしょう。

白地のコミュニティーに、ぽつんと孤立したプライドトロントという構図です。

なかなか面白い抗議キャンペーンじゃないですか?

とりあえず、月曜日に起きた一連のデモと報道の後も。

こんなキャンペーンや抗議活動を浴び続けていても。

まったく意見を変えるつもりがないトロントプライド団体側。

多くのコミュニティメンバーは、プライドをボイコットすることを発表していて。

さらに、コミュニティ側でもう一つプライドを始めるとか、そんな話も出てきていて。

完全に二極化してしまった、トロントのLGBTコミュニティ。

コミュニティと働くキャシーとしては。

なかなか安易に身動きが取れず、慎重に言葉を選ぶしかありません。

もうトロントのプライドは諦めて。

プライド中にモントリオールにでも遊びに行った方が早いかしら。

ゲイパレードの精神とトロントプライドの戦い。

11 6月

先日のトロントプライドについての記事の続き、というか現状報告です。

反イスラエルのLGBTグループがプライドパレードへの参加を禁止したプライドトロント団体。

いくら財政難でスポンサーが文句を言おうとコミュニティはそれに黙っているわけもなく。

ついに、コミュニティ側とプライドトロント団体の戦いが始まりました。

キャシーが日本から戻り、時差ボケのまま仕事先のメールをチェックすると。

自分が勤める団体の創立者からメールが入っていて、その内容にお口ポカーンなあたし。

「今回のプライドトロント団体の決断は、プライドの精神に反するものであり。わたしは、プライドトロント団体より奨励賞をいただき、今年のプライドパレードを引率することが決まっておりましたが、残念ながら、この状況下では、辞退を申し出ることしか選択肢はありません。」

と、名誉ある奨励賞を辞退してしまった彼。

そのまま、緊急会議が職場で開かれ。

「今年のプライドトロント団体の行為に対して、我が団体の創立者のように、私たちも何かしらのポジションを取る必要があります。皆さんどう思いますか?では、キャシーから。」

とか、時差ボケでボーっとしてたあたしにいきなり視線が集まって。

「え?ええ?あー、えーっと、キャシーは、まだ事態をよく理解していないので、個人的に調査を行って、まずは僕自身の立場を見極めて、さらに、この団体にとって一番相応しい立場も考えて、後ほど報告します。」

とか、妙にキレたこと言っちゃったあたくし。

やだ。時差ボケ効果?

っていうか、この発言のおかげで、仕事が増えて。

プライドトロント団体の行為に反対して発足された。

“プライドの言論の自由を守る会”に参加したキャシー。

仕事の後、彼らの会議に参加してきたんですが、もうビックリ。

トロントで活躍する大物アクティビストたちがこぞって集まっていて。

もうキャシーとか、一番端っこで小さくなって、話だけ聞いておりました。

とりあえず、会議の内容から、必要な情報だけメモを取って。

さらなる情報も集めに、その次の週に行われる記者会見に参加することを決めたキャシー。

その記者会見というのが、また凄くて。

過去に、トロントプライド団体に奨励賞をもらった20人のアクティビストたちと。

今年の奨励賞を辞退したうちの団体の創立者を含む2人が。

その奨励賞をプライドトロント団体に返却するという記者会見でした。

月曜日の朝10時だというのに、会場には100人近く集まっていて。

LGBT関係のメディアだけではなく、トロントのローカルテレビ局まで取材に来ていて。

「またテレビ映っちゃうよ」って嫌な予感がしてたキャシー。

以前、テレビに映って親戚にゲイバレしかかったんです。

もう会場に居るので、引き返せずに、そのまま参加するしかないあたし。

記者会見に来た全員が素晴らしいスピーチを発表し、会場が大興奮に包まれた後。

そのまま、トロントプライド団体へ贈られる“羞恥賞”を抱えて。

みんなでマーチを始めました。

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この真ん中の方が抱えているのが、その賞。

みんなで、レインボーフラッグを掲げて、声を合わせて。

「プライドは誰のもの?」

「あたしたちのもの!」

って叫びながら、トロントプライド団体のオフィスまでマーチしたあたしたち。

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この一軒家が、トロントプライド団体のオフィス。

ドアをノックしても、誰も開けてくれないので。

そのまま、私たちはドアの前に、羞恥賞と返却された奨励賞を置きました。

トロントのハッテン車窓から・・・

本当、ジョークの効いた抗議活動です。

何も言えずに帰るのは、ちょっと味気なかったのか。

そこに集まったアクティビストたちは、即興で抗議の歌を歌い始め。

抗議活動とは思えないくらい、和やかな雰囲気で、その朝はそれで終わりました。

ちなみに、パトカーが3台も駆けつけたのですが、警察官は取り扱いに困っておりました。

トロントのハッテン車窓から・・・

これがその抗議ソングを歌っている様子です。

その日、このニュースはトロントの各ローカルテレビ局で流れました。

キャシーの姿と共に。。。

この映像にキャシーは映ってませんが、参考までに。

その記者会見の後。

プライドトロント団体は公式ページに。

「奨励賞の返却は残念ですが、私たちの立場は変えられません。」

と、抗議活動を認識しつつ、意見を変えるつもりはないと発表しました。

そして、あたしはその日のうちにうちの団体のトップと一対一で会議をし。

トロントプライド団体の行為に対しては反対で。

個人的にプライドはボイコットしたいこと。

そして、団体が取る立場として、中立を守りつつ、派手なフロートや演出はせず。

シンプルなマーチだけに徹することで、コミュニティ色を打ち出すべきだと伝えました。

その夜、プライドトロント団体の取締役は、テレビで生中継でインタビューを受けて。

それと同じ時間に、トロントのゲイタウンにあるチャーチコミュニティセンターでは。

コミュニティ会議が開かれ、500人以上の人が集まってこの問題について議論しました。

その会議のあと、チャーチストリートの車道をそのままマーチしたんです。

トロントのハッテン車窓から・・・

もうなんか凄いことになってきたわね。

キャシーも一緒にマーチしたんですが。

久しぶりに、心に熱いものを感じました。

これこそ、本物のプライドパレードなのではないのでしょうか?

コミュニティが一丸になって、納得のいかない問題に抗議して、一緒に歩く。

これがゲイパレード、もしくはプライドパレードの原点で、その精神そのものです。

その夜、キャシーはこんなメッセージを友人全員に向けて公開しました。

普段はブログに英語は載せませんが、雰囲気がよくわかると思うので、今回は特別。

I feel Pride more than actual Pride right now. Toronto is a very progressed city in terms of queer rights, but it still contains lots of issues which we need to face. The things happening right now is a good start to look at that. I’m very proud of Toronto’s LGBT community after seeing all the activists and their positive energy today. It reminded me again what being a gay is about. Thank you for a wonderful day.

和訳:
私は今、実際のプライドより、”プライド”を感じています。トロントは確かに、LGBT問題に関しては先進的ですが、未だにこの社会には私たちが戦わなきゃいけない問題がたくさんあります。今起きている一連の騒動は、それらの問題に向かい合うスタートになるでしょう。私は今日のトロントのアクティビストたちと彼らのポジティブなエナジーを見て、今とても誇りに思います。そのおかげで、今更ながら「ゲイとして生きる」意味を思い出しました。素晴らしい一日をありがとうございます。

結局、ここまでコミュニティが騒いでも、まだ片付いていないこの問題。

キャシーとしては、もうプライドごとキャンセルしてもいいと思っているくらいです。

ええっ。いつになく強気なあたしですが。

トロントプライドは一度原点に戻るべきだと思うんです。

このまま、スポンサーの言うことに従ってたら。

いくらプライドが大きくなろうと。

そのうちスターバックスパレードとかに名前変えられちゃうでしょ?

それでも、私たちのパレードだって、胸を張って歩けるっていうわけ?あたしは無理よ。

プライドとは、コミュニティーの、コミュニティーによる、コミュニティーのためのイベントです。

もしお金がないんならみんなで集まって。

チャーチストリートで踊るだけでもいいんじゃない?

今日の時点で、プライド開始まで16日です。

皮肉にも、今回が30周年のトロントプライド、果たしてどうなるのでしょうか?

パレスチナ支持の反イスラエルLGBT組織へのトロントプライドパレード参加禁止令。

8 6月

今日は先日の記事、『ゲイプライドは、誰のもの?』の続きです。

キャシー、別に専門家でもないし、頭がいいわけでもないので。

今回の話はできるだけわかりやすく、僕の理解に基づいて書いて行きます。

ご意見や批判は、コメントへ。

キャシーから直接の返信が聞きたい場合はメール下さい。

それでは、久々に敏感なネタについて書いちゃおっと。

以前の記事で、キャシーはパレスチナ問題について取り上げたことがあります。

「パレスチナ問題とゲイの人権の意外な繋がり。」

「イスラエルは本当にゲイの人権を尊重しているのか。」

実はこの記事、意外なことにこのブログ史上一番反響があったんですよね。

ここ最近、イスラエルとパレスチナ問題が表立ってきて、アクセス数もまた上がってます。

みんな、キャシーの恋バナとか、そういうのはどうでもいいのね(ぷんぷん!)

いや正直、こういう社会的なネタも読まれてて、嬉しいキャシーです。

と、なんで今頃この古い記事を取り上げたのかというと。

これがまさに今年のトロントプライドを揺らしている事件だからです。

トロントには、イスラエル政府の政策に反対するLGBT組織の支部があります。

彼らは、世界各地で迫害されているのパレスチナ人のLGBTを助ける運動を行っています。

もっと知りたい方は彼らのホームページへどうぞ。

Queers Against Israeli Apartheid(以降反イスラエルLGBTグループ)

この組織ですが、キャシーの友人も多く在籍していて。

反戦イベントや、学校行事でよく彼らの活動を目にしているんですが。

ユダヤ系の移民からしたら、彼らは目の敵になんですよね。

なんでユダヤ系がパレスチナ支援グループを嫌うかわからない方は。

パレスチナ問題と検索しましょう。

そんなわけで、この組織はある意味トラブルにハッテンする可能性を秘めていて。

トロント大学の学生自治体でさえ、彼らの活動に難色を示していたのを憶えてます。

プライドトロント団体も、彼らのことをあまり良くは見ていません。

これが今回の問題の火種でもあります。

去年のプライドパレードでは、最後の最後まで、彼らがマーチできるかが議論になっていて。

結局、警備を増やす条件で、プライドトロント団体は彼らのマーチを容認しました。

昨年の彼らのマーチの様子はこちらです。

その後、プライドトロント団体はメディアで。

年のプライドパレードは、ゴミストライキに伴う清掃員費用。

さらに、反イスラエルLGBTグループのマーチに伴う警備員費用により。

予算を大幅にオーバーしました。

と、けっこう当てつけのように報告したんです。

これがそもそも伏せんだったんでしょう。

今年、プライドトロント団体は彼らのグループ名のパレード参加を禁止しました。

つまり、彼らは反イスラエルLGBT組織として、パレードでマーチできなくなりました。

そうなったのには、安全上の問題や。

彼らがプライドパレードに与えるイメージなど様々な理由がありますが。

一部のスポンサーから、もしその組織のパレード参加を容認すれば。

スポンサーから外れると言われたのが一番の原因ともなっています。

それを聞いたコミュニティーの方々は。

「はっ?いつからゲイパレードはスポンサーの言うことを聞くようになったの?」

「一般企業のプライドと関係ないものはどんどん増えるのに、こういう大事なものは禁止するわけ?」

と、もちろん怒りだすわけです。

昨年予算オーバーしたと報告したにも関わらず。

今年のプライドでトロントの有名な広場であるダンダーススクエアまで規模を広げることや。

黒人系コミュニティーのパフォーマンスイベントのスペースを他の一般企業に譲ったりと。

今年のプライドトロント団体には、本当に首を傾げたくなります。

そもそも、プライドパレードとは。

ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーなどのセクシュアルマイノリティーが。

自分らしく生きている姿を公の場で披露し、社会で自分たちを可視化させるのが趣旨でした。

最初は白い目で見られたり、暴言を浴びせられたりしても、あきらめずに歩き続けて。

今の社会的認知と、社会的なサポートを獲得するまでになったんです。

今のトロントのプライドパレードは、お祭り騒ぎやパーティの側面が強くなっちゃったけど。

それでも、それはコミュニティーのもので、現在進行形で続く一つの解放運動なのです。

それをスポンサーを理由にパレスチナを支援するLGBT組織の参加を禁止するのは。

明らかに、プライド精神に反するものであり。

私たちのプライドを売り渡す行為と受け止められます。

この問題に、イスラエルとパレスチナ問題の是非を持ち出すこともできますが。

キャシーはあくまで、コミュニティーの声をどう扱うかという問題で見ています。

人権問題を訴える反イスラエルLGBT組織のパレード参加禁止。

有色人種系コミュニティーやその他小さな団体に対する失礼な態度。

さらに、スポンサーと金儲けに傾いて行く姿勢。

それに黙っているほど、トロントのLGBTコミュニティーは甘くはありません。

このニュースが流れてすぐ。

コミュニティー内で活躍するアクティビストたちが次々と立ち上がり。

コミュニティーvsプライドトロント団体という構図で、激しい争いが起きてしまったんです。

コミュニティーペーパーも、その記事で埋め尽くされちゃってますし。

今このブログを書いてる側で。

トロントのローカルTVチャンネルでも報道されちゃってるくらいです。

もうプライド週間が始まるまで、3週間切っちゃってるのに。

いったいどうなっちゃうの?

今年のトロントプライド!

ゲイプライドは、誰のもの?

4 6月

今年のトロントプライドは、大嵐の予感です。

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いや。実際に嵐ならいいんだけど、コミュニティーを巻き込んだ大嵐なのよ。

キャシーがコミュニティーで働き始めてもう既に9ヶ月。

いろいろ学んできましたが、一番身に染みたことといえば。

何事にも、金と政治が絡んでくるってこと。

ちょっと内輪で盛り上がるパーティやろうよって思って。

知り合いのDJと一緒にプランして、楽しく始めたイベントが。

いつの間にかお金と政治にぐるぐるに巻き付かれて。

キャシーはやむを得なく手を引くことになったりとか。

もう人が集まって、お金が絡まると、そんないやらしいことばかりなのです。

そして、今年のトロントプライドも、そんな状況に陥っちゃってるようです。

トロントプライドといえば、既に大規模なイベントとして知れ渡っていて。

プライドの週末に、パレードとパーティ目当てにトロントに駆けつける人はたくさん居ます。

トロント市としても、市の活性化に欠かせないものですし。

他の企業にとっても、お金儲けのチャンスなのです。

トロントプライドは、プライドトロントという団体によって運営されているんですが。

市からの援助金や他の企業がスポンサーになることで、イベントの運営費に当てています。

彼らの努力で、トロントプライドはここまえ大きく成長したと言っても過言ではないと思います。

しかし、物事って、大は小を兼ねるといいつつ、大きければいいってわけではありません。

昨年、トロントプライドはゴミ回収のストライキのせいで、予想以上に予算をオーバーし。

今年もプライドの規模を拡大しようと、予算オーバーになるという見積もりが出ています。

で、何が起きたのかというと、その予算オーバーをカバーするために。

スポンサーを増やし、さらにスポンサーからお金をもらうため。

スポンサー優勢に物事が進みます。

その結果、プライドの主役であるLGBTコミュニティーがないがしろにされちゃうことになります。

で、誰のためのプライドなの?

って話になるじゃないですか。

これは、今年だけの話ではなく。

もうここ数年、トロントプライドはスポンサー優勢に現在進行形でなっていて。

パレードでは一般企業の裸のお兄さんたちが踊るだけのフロートばかりが目立ち。

ストリートも、派手な企業の商品宣伝にコミュニティ団体のブースが隠れています。

もちろん、これじゃコミュニティー団体が嬉しいわけがありません。

ゲイの人権を訴えるために、始まったゲイパレード。

それがより多くのセクシュアルマイノリティーを包括し、プライドパレードになり。

本来ならば、コミュニティーの、コミュニティーによる、コミュニティーのための催しなのです。

しかし、今年は、コミュニティー側の堪忍袋の緒が切れるほどの事件が起きたんです。

もうそんな予感は、春先からひしひしと感じていたのですが。

キャシーが日本から戻り、職場に戻ると、既に会議の議題に上るほど深刻化していて。

キャシーも一個人として、そして団体の一員として、意思表明することを迫られるほどに。

今年のプライド、いったいどうなるのかしら?

その事件については、次回の記事で詳しく語ります。