アーカイブ | 8月, 2017

モントリオールのプライドと、人種。

23 8月

先週末、モントリオールに行って来たわ!

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もちろん、目的はモントリオール・プライド。今年、モントリオールが主催するプライドはカナダ・プライドというスペシャル・エディションで、例年より規模も大きくて大盛り上がりだろうと期待して、数ヶ月前からプライドに合わせて小旅行を企画していたのよ。

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久しぶりに訪れたモントリオールのゲイヴィレッジであサント・カトリーヌ通りは相変わらず活気がすごい。このエリアは夏の間ずっと歩行者天国になっていて、自由気ままに歩き回ることができる。頭上に広がるのは無数のアナルビーズは虹色のグラデーションになっている。トロントの寂しいゲイヴィレッジに比べると本当に段違い。

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規模こそトロントのに及ばないが、モントリオールのプライドはまったりしていて素敵な空気が流れている。広い公園で開催されるイベントがあるおかげで子供連れでも参加しやすく、芝生に座ってリラックスだってできる。チャーチストリートが人で占領されて歩けないほど混雑するトロントのプライドにはなかなかないクオリティである。

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個人的に、夏の終わりに友達とゲイバーのパティオに座って、夜空の下でサングリアで乾杯できたのがこの旅のハイライトである。その後、朝までクラブで大はしゃぎ…と言いたいところだが、実は毎晩11時頃には宿泊先に戻って爆睡してたわ。20台前半の時の体力はないし、うるさい音楽で聴力を破壊しながら汗臭いスペースで踊るモチベーションはもうないのよ。放っておいてちょーだい。早起きしてマーケットでクロワッサン頬張りながらとコーヒー飲んでる方が楽しい年頃なの。

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ちなみに、ツイッターで既にモントリオール・プライドの魅力は散々伝えたと思うので、この記事ではちょっと違う話をしたい。プライドパレードの様子が気になる方は、インスタグラムに山ほど写真があるので、気が済むまで漁ってちょーだい。

タイトルにもあるように、モントリオールのプライドで気になったのはやはり「人種」という視点である。今、トロントでは人種がLGBTコミュニティにとっての課題であるとまめたさんと一緒にやっているポッドキャスト『にじいろ交差点』でも話したが、モントリオールのプライドでもLGBTから人種というアイデンティティが欠けているようだ。

今年、モントリオール・プライドは人種問題に真剣に取り組みたいという意図で、有色人種LGBTのためのコミュニティ・ステージやイベントを初めて導入した。正直、トロントほどマルチカルチャーではないということを踏まえても、2017年まで有色人種向けのスペース作りをしてこなかったという事実に少しショックを受けた。現地のLGBTアクティビストの話を聞けば、マイノリティの中のマイノリティである有色人種のLGBTはモントリオールでの居場所作りに未だに苦戦しているとのことである。

しかし、有色人種のLGBTのために企画されたBBQイベントは、直前になってゲイマガジンにスペースを取られて、ユース向けのBBQイベントとの合同イベントに変更されてしまう。せっかくのセーフスペースが台無しだ。

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さらに、有色人種のためのステージではイベントの最中に警察が現れて、マリファナを吸っていた黒人のユースを逮捕し、手錠をかけて力ずくで連行した。もうすぐ合法化される予定であるマリファナの使用を理由に逮捕されるのも不自然だし、他にマリファナを吸っている人たちが多くいる中でなぜ黒人のユースだけが逮捕されたのかも気になる。幸いなことに逮捕された黒人のユースは既に釈放されているが、この事件が有色人種のLGBTコミュニティに大きな衝撃を与えたのは言うまでもない。この件については、モントリオール在住のアクティビストであるKama La Mackerelさんのブログ(#英語よ)でもっと詳しく読める。

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モントリオールのプライドパレードでは、追悼の気持ちを込めてモーメント・オブ・サイレンスが毎年行われる。ド派手で騒がしいパレードが参加者、観客共々静まっていく光景はとてもパワフルである。そんな今年のパレードでは、モーメント・オブ・サイレンスが始まった瞬間に遠くから叫び声が聞こえた。

「Black Lives Matter!(黒人の命は大事だ!)」

赤い煙が上がる方を見ると、Black Lives Matterのアクティビストたちが力強い声で抗議をしていた。2016年にトロント・プライドで起きたデモに比べれば遥かに短く簡略なものだったが、それでも彼らのメッセージは深く心に響いた。LGBTの権利が増えて、プライドがどんどんコマーシャライズされていく中で、取り残されていく人たちがいる。それを決して忘れてはいけない。誰かの人権を蔑ろにした人権活動は結局誰も守れないのだ。

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あと、そういえばカナダのトルドー首相もモントリオールのプライドに参加してたわ。写真映りが抜群で、メディア受けが良くて、プライドパレードにいつも参加する彼の話はまた別の機会にするわ。そして、トルドー首相の横を歩くのはオープンリーゲイであるアイルランドバラッカー首相よ。あたし、アイルランドのファーストジェントルマンになれるかしら。

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『トロントのLGBTコミュニティってどうなの?』ポッドキャスト:にじいろ交差点・第2回 テキスト by 桜井弓月

16 8月

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第2 トロントのLGBTコミュニティってどうなの?2017/8/13

にじいろ交差点(iTunes / Google Play Music / libsyn

まめた:「にじいろ交差点」が言えるんじゃない? 今日は。

キャシー:あー、言えるかもね。試してみる?

まめた:2回目にして。

キャシー:2回目にして。じゃあ、どう言う? 今回……あの、ちょっとタグラインを変えようと思うんだけど。

まめた:おー。

キャシー:「LGBTの多様性を語るpodcast」にしようと思って。

まめた:分かった。メモる。

キャシー:ははは(笑)。LGBTの多様性。

まめた:(メモする音)LGBTの多様性を語る……

キャシー:うん。podcast。でもそれで、ちゃんと、このpodcastの意味というか、コンセプトをキャプチャーできてる?

まめた:確かにね。「東京とトロント」って言いづらかったからね(笑)。

キャシー:うん、言いづらかったから、ちょっと変えようと思って。

まめた:分かった、オッケー。じゃあ、キャシーが「にじいろ」って言って、私が「交差点」?

キャシー:うん。で、そのあとに一緒に……

まめた:「LGBTの多様性を語るpodcast

キャシー:うん。で、リズムを付けよう。

まめた:オッケー。

キャシー:リズムを付ければ、たぶん簡単にいけるから。「交差点」って言ったあとに、12……2のところで一緒に。

まめた:12で入るんだね?

キャシー:12で入る。僕、リズムまったくできないから、どうだろう。やってみよう。

まめた:はい。

キャシー:じゃあ、いくよ?

まめた:オッケー!

キャシー:あ、そうだ、「せーの!」って言おう。12で。

まめた:うん。12で。

キャシー:はははは(笑)。

まめた:12で、せーの!

キャシー:うん。僕が「せーの!」って言うよ。

まめた:オッケー。

キャシー:にじいろ!

まめた:交差点!

キャシー:(少し無言に)……ちょっと待って、待って!(笑) ちょっと待って、まだね、起きたばっかだからちょっと……

まめた:オッケー(笑)。

キャシー:うん、あの、頭が冴えてない。もう一回いこう。

まめた:オッケー。

キャシー:にじいろ!

まめた:交差点!

キャシー:12、せーの!

二人:LGBTの、多様性を……語る……

まめた:podcast

キャシー:……podcast……全然だめだね(苦笑)。

まめた:なかなか。2回目だからね。

キャシー:うん。じゃあ、あの、またあとでチャレンジしてみよう。

まめた:はい。

キャシー:これ、全然、あの、難しいね。

まめた:7回目ぐらいでできるんじゃない?

キャシー:うーん。っていうわけで、今回2回目なんですけど。

まめた:そう。

キャシー:1回目のpodcastどうでした?

まめた:結構、反響がすぐに来て、びっくりはしましたね。

キャシー:うん。結構、ポジティブな反応ばっかりで。

まめた:そう。

キャシー:個人的に、すごい、ネガティブな反応を期待していたので(笑)。

まめた:「キャシーさんが日本語ペラペラ」っていうコメントがありましたよね(笑)。

キャシー:はっはっは(笑)。あったね。

まめた:日本語でブログ書いてたやん! っていう。

キャシー:あと、マサキチトセさんからツイートがすぐに来て、podcastをロンチしたあとに。で、ブログの記事として「LGBTの発信者」みたいな感じで、僕とまめたさんがリストアップされていて、すごく嬉しかった。

まめた:そうですね。すごい早く記事になってくれて。で、一緒にYouTubeの、最近いろんな、YouTube中でもLGBTのことを発信する人たちが増えたってことで紹介してもらって、そのつながりで動画を見るチャンスがあったりして、楽しかったですね。

キャシー:あと、紹介されてる動画もすごい面白くて。すごい記事、早かったよね。話したあと、20分ぐらい、そんな感じで記事が出てきて、すごいびっくりした。

まめた:仕込んでたんじゃないかってぐらいの(笑)。

キャシー:あはははは(笑)。あと、podcastを始める前にちょっと気になったのが、やっぱり、オーディオなので全員が全員聴けるわけじゃないじゃないですか。

まめた:そうですね。

キャシー:それで、まめたさんの友達が文字起こしをしてくれて、すごい嬉しかったです。

まめた:神様が降りてきて。文字起こしの神様が。桜井さんっていう方が、今回、全部文字に起こしてくれて、それを送ってくれて、すごい助かりました。ありがとうございました。

キャシー:ほんとにすごい丁寧な文字起こしで、読んでいても結構面白い、二人のぎこちない感じがすごく文字に表れていて。

まめた:ははは(笑)。そうだよね。

キャシー:うん、いいと思う。

まめた:っていう感じで、今回も文字起こししたいと思うので、またよろしくお願いします。で、今回のテーマからいきたいんですが、えっと、前回の終わり辺りにちょっと話をしてた、キャシーが今トロントにいるってことで、トロントのLGBTコミュニティについて、いろいろお話を聞いていきたいというふうに思っています。

キャシー:はい。

まめた:っていうことで、今回の「にじいろ交差点」第2話ということで、よろしくお願いします。

キャシー:よろしくお願いします。

まめた:さっそくなんだけれども、キャシーがトロントに行ったのって、今からどれぐらい前なんですか?

キャシー:トロントに来たのがね、2008年の4月の終わりぐらいかな。というわけで、もうすぐ、来年の4月で10年になるね。

まめた:おー。行く前と行ったあとで何か変わったこととか、何かありますか? たくさんあると思うんだけど。

キャシー:うーん、たくさんあるね。行った前の自分をあんまり覚えていないっていうのもあるんだけど。ギャップっていうのが結構あって、日本にいた頃の海外のイメージがすごくキラキラしていて、トロントに到着してすぐに「あ、これ、ここに住みたくないな」って。

まめた:ははは(笑)。

キャシー:ははは(笑)。最初の2ヶ月ずっと思っていて。

まめた:なんかホームシックになったとか、そういうことではなくて?

キャシー:ホームシックでもあったし、横浜と東京と比べると何もなかった。

まめた:あー、そうなんですか? トロントっていうと、都会じゃないの?

キャシー:横浜と同じぐらいのスケールかな。

まめた:あー、そうなんだ。

キャシー:来たときはトロントのダウンタウンじゃなくて、結構郊外のほうに住んでたので。だから、トロントの魅力っていうものを、いまいち体験できなくて、最初の数ヶ月はホントに「いやー、ちょっと、うーん……」っていう感じで(笑)。4月に来て、6月がちょうどプライドだったんですよ、トロントの。その頃にやっとLGBTコミュニティと交流できるようになって、すごく印象が変わってきたっていうのを覚えていて。一番カルチャーショックだったのが、LGBTのユースの会議とかあるじゃないですか。そういうのに参加すると、ただで食事がもらえて、交通費も出るんですよ。

まめた:おー! それは日本では普通ちょっとないですよね。

キャシー:すごいよね。だって、日本のときは、レインボー・カレッジとか早稲田のGLOWとか、参加するたびにすごい出費だったんだよね。だから個人的に、セブンイレブンでアルバイトしてたんだけど。

まめた:そうなんだ。

キャシー:そうそう。で、いつも給料の半分ぐらいをLGBTの活動に持っていかれるから……

まめた:なるほど。

キャシー:すごい、きつかったんだけど。トロントだと貧乏な留学生だったから、そういう交通費とか食事とか助かった。

まめた:食事が付くって、すごいよね。

キャシー:そう、食事、ほんとにショックだった。

まめた:それは、NPOみたいなところが食事を出してくれるの?

キャシー:そうそうそうそう。基本的にこういうグループとかもNPOとかが主催していて、トロント市とかオンタリオ州とかからお金が出ていて。そういう意味で、すごい、支援されているプログラムが多かったんだよね。

まめた:今でも、私もユースの、若者のグループとかやってるけど、やっぱ交通費のためにアルバイトしちゃう子とか、いまだにたくさんいますもんね。切ないけどね。

キャシー:うーん。アルバイトできればいいんだけど、できない子とかいると、もう、それだけでカットされちゃうから。あと、その、2008年っていうのが結構面白い時期で、カナダの同性婚が認められたのが確か2005年だったのかな。オンタリオ州は2003年だったんだけど、カナダ全体は2005年。日本にいた頃は、ちょうどまだLGBTが全然浸透していなかった頃で、みんなですごい頑張って周りにLGBTのことを広めよう、伝えようっていうすごい情熱があったんだけど、トロントに来たときは、何かみんな冷めてるなっていうイメージがあって。「もう同性婚があるし、プライドももうお祭りみたいになったし、もうLGBTのムーブメントも終わったよね」みたいな感じの雰囲気があったのね、2008年は。

まめた:2008年の時点でそれっていうのがすごいですね。日本で2008年って言ったら、まだレインボー・カレッジが8時間ぐらいミーティングしてた……

キャシー:そうそう。

まめた:ハングリー精神って言うか、飢えてるみたいなね。

キャシー:そのギャップがすごかった。レインボー・カレッジでみんなで話し合った話と、トロントで参加したユースグループがみんなで話してた話が、全然内容が違っているみたいな。

まめた:へー。そのユースのグループっていうのは、どんな話をしたの?

キャシー:あー、何の話をしてたんだろう。何かホントに他愛もない話を。すごい、平和な若者が話すような話、恋愛とか食べ物とか。でも、個人的にそういう話、LGBTの仲間たちとそういう話をする機会があまりなかったから、それも新鮮で良かったんだけど。でも、個人的にはいつも「何かアクティビズムをやろうよ」とかってみんなに言うんだけど、「アクティビズムって何?」って、そんな流れ(笑)。

まめた:そっか、そっかー。トロントに行ったあとそういうことがあって、そのあといろんな活動をしていったと思うんだけど、具体的にはキャシーはどういう活動に関わっていったんですか?

キャシー:最初はHIVの予防啓発のボランティアとかをしていて、それがLGBTのコミュニティ内でもあったから、そういう感じでいろいろ活動してたんだけど、トロントって面白いところがあって、LGBTの中にポケットがいっぱいあるんですよね。

まめた:ポケット?

キャシー:例えば、アジア系のLGBTの団体があったり、黒人系のLGBTの団体があったり、そういう感じでみんな分かれていて。それがトロントのLGBTの歴史に繋がってるんだけど、そういう感じでポケットがいっぱいあって、僕はアジア系の団体とずっと活動してきていて。で、何をやったんだろう。いろんなワークショップをやったり、あと、プライドの最中にみんなでステージを一緒に、ステージのパフォーマンスとかをコーディネートしたり、自分も多少パフォーマンスしたんですけど、9年前ぐらいに。もう、ちょっと舞台には立てないかな。ははは(笑)。あと、何だろ、そんな感じの活動をしていて、それがひょんなことで仕事になって、今に至るみたいな感じですね。

まめた:やってて、「ここはトロントのいいところだな」みたいな、好きなところってどういうところがありますか?

キャシー:うーん、日本よりお金が出てるところかな(笑)。

まめた:そりゃそうだよね(笑)。

キャシー:ははは(笑)。やっぱり、お金は大事だなっていうのをホントに感じて、市とかから、政府からもお金が出ていて、プラス、コミュニティからも寄付がいっぱいもらえて、そういう感じでプログラムがコミュニティの中で成り立っているっていうのがすごく大事で、それがすごく、若者のカミングアウトだったり、コミュニティの居場所作りだったりとか、そういうのができて、しかも普通は来れないような人たちにも交通費とか食事とかで、バリアーを取り除けるっていうのが大きかった。っていうのは10年前の話なんだけど。

まめた:で、そのあとは?(笑)

キャシー:ははは(笑)。今のトロントは、お金がどんどん減ってきていて、やっぱりHIVに下りるお金がもう本当に減ってきていて、今トロントはLGBTのプログラムがちょっと減少中。

まめた:それは、感染の拡大のリスクとかが前より比べて今のほうが落ち着いたとか、そういうことなの?

キャシー:感染のリスクの話もあるんだけど、たぶん、どっちかって言うとHIVがどれほど深刻な病なのかっていう認識が変わってきたってところがあるのかな。だから、そこにお金を入れるより、他のところにお金を入れた方が良いんじゃないかっていう話が増えてきていて。例えばLGBTのホームレス問題とかも結構大きくて、やっとここ数年でLGBT専用のホームレスシェルターとかができて。違う問題が取り上げられるようになったんだけど、まあ、いろいろ、そこらへんは複雑だね。

まめた:何年前かな。3年ぐらい前にニューヨークに行ったことがあるんだけど、ニューヨークのLGBTセンターに行ったときは、結構アディクションの問題がすごく深刻で、最初はHIVのこととかにたくさん予算が付いたんだけど、そのあと薬物依存とかアルコール依存とか、そのへんのところで政府とか行政とかと一緒にやり始めたみたいなことを聞いたんだけど、やっぱりホームレスとか薬物依存とか、その話って、トロントでもされる機会が多いのかな?

キャシー:うん、そうだね。ホントにホームレスとかアディクションとかの問題がもっと中心になってきた感じかな。特に、ゲイ・コミュニティ内ではクリスタルメスっていうドラッグが……日本では何て言うんだろう、スピード? 覚醒剤かな。覚醒剤の使用がすごく深刻で、中毒性もすごいから、ほんとに「一回だけ」ってやって、中毒になってしまう人がいっぱいいて。

まめた:日本でもそういうのが話題として出てきてるけど、まだ全然お金が回ってこないよね。そこを何とかしたいよね。

キャシー:あー、そうなんだ? あと、さっきトロントのポケットの話をしたんだけど、今盛り上がってるのが、トロントのLGBTコミュニティ内でいかに人種を取り上げていくかっていうところで、さっきツイッターに来たコメントがあるので、ちょっと読み上げますね。コーディーさんからのコメントで、「キャシーさん、初めまして。まめたさん、元気ですか? 今回の放送も楽しみです。質問、トロントでオリエンタリズムを感じることがありますか? 特にゲイ・コミュニティ内で。私は英国のオリエンタリズムが強くて、結構億劫になることが多いです。他の白人ゲイの友達と比べて、圧倒的に年上、特に40代や50代から声を掛けられることが多いし、しかも、その内容もすごく一方的な性行為の押しつけだったり扱い方だったりすることが多いです。カナダ、トロントではどんな感じでしょうか?」という質問です。

まめた:おー。

キャシー:うーん、これもすごく感じていたことで。トロントって、多文化共生都市みたいなマーケティングがされていて。

まめた:そうイメージありますよね。トロントと言ったら、いろんな人がいて、みたいな。

キャシー:いろんな人がいて多文化なのは確かなんだけど、やっぱり、共生できているかできていないかっていうところは、すごく、いまだに現在進行形でいろいろ問題が起きているところがあって。やっぱり社会の基盤に人種差別とか植民地主義があるから、いろんな人を同じところに持って来ただけだと、共存、共生はできないと思うんだよね。だから、いかに人種間のダイナミックとか、人種間のギャップを埋めていかないと、積極的に埋めていかないと、どんどん問題が発生する。例えばゲイ・コミュニティだと、やっぱりアジア系と白人系コミュニティの関係がとても複雑で。ライスクイーンとか、ポテトクイーンとかって聞いたことある?

まめた:あれだよね、アジア人がすごい好きで、でも勝手な妄想とかファンタジーがあって、みんな受け身とか、従順とか、そういうやつだっけ?

キャシー:そうそうそう。そういうステレオタイプがあって、あと、ライスクイーンがアジア系が好きな白人のことを指す言葉で、ポテトクイーンが白人が好きなアジア系のことを指す言葉で。

まめた:あ、そうなんだ。対なのね。

キャシー:そうそうそう。で、スティッキーライスっていうのもあって、もち米なんだけど、スティッキーライスはアジア系でアジア系が好きな人を指す。そういう言葉があるっていうこと自体がコミュニティ内の関係性を表現していて。例えば一回パーティーとかに行ったときに、すごい年上、60代ぐらいの白人のおじさんと20代のアジア系のカップルに会って、話を聞いてると、白人のかたがアジア系の人を移民でスポンサーしたんだけど、アジア系の子が45年外出してないとかって話をしていて、友達を作ったり他のアジア系とか他のゲイ・コミュニティと関わっちゃダメって言われてる。

まめた:大丈夫なの? そういう関係なの?

キャシー:結婚してる恋人同士なんだけど。

まめた:閉じ込めちゃってる状態ってことだよね、心理的というか。

キャシー:うん。ちょっと、すごい束縛されている。その話を聞いて、ちょっと、うーん……あんまり人の恋愛だから何も言えなかったんだけど、それを聞いていて、すごくいろいろ感じていて。ただ単に他の人種が好きっていう以上に、まめたさんが言ったようなステレオタイプがあったりとか、偏見があったりとか、あと、恋愛の中にパワーがあったりとか、同じ年代、同じ容姿の人でも人種によって扱いが全く違っていたりとか。トロントでも、ほんとに、アジア系だとゲイ・クラブに入れなかったりとか、そういう話もあったみたい。今はもうないかもしれないけど、確か10年ぐらい前はあったみたいで。でもニューヨークとかはいまだにあるみたいよ。

まめた:うん、ニューヨークでその話を聞いた。で、何か、大っぴらに、例えば「アジア人だから」とかは言われないんだけど、ドレスコードが「もうちょっと、ちゃんとした服着て来ないとダメ」みたいなことで断られてるっていう話をしていて。でも、面白くて、そのあとに白人の人が同じ恰好をしてそのお店に行ったら入れたんだよね。それで「おかしいじゃないか」ってことで問題になって、結局そのお店は行政処分かな、行政から指導が入ったって話をアジア系の団体の人が喋ってましたね。

キャシー:そういう直接的な差別だったり、掲示板とかグラインダーとか、そういうアプリとか行くと、いまだにNo AsiansとかWhite Onlyとか、そういう感じのコメントをよく見たりする。でも、これもね、ここ10年、こういう話が盛り上がってるから、10年前に比べるとすごい減ったっていう話をよく聞く。だから、やっぱり人種っていう部分が、racializationっていうんだけど、トロントに来るまであんまりそこらへんを意識してなかった。LGBTコミュニティ内で人種っていう部分をほとんど意識せずにきたから、トロントのLGBT内で活動しながら人種っていう部分がいかに大事か、いかにLGBTの経験を形成してるかっていうのを痛感した。

まめた:なるほどね。日本にいると、そのへんってあんまり意識しないで、たぶん日本人だからだけど、済んじゃってるところはあるよね。

キャシー:だから、そこらへんの交差点、インターセクションも見ていくと面白いと思う。

まめた:これからのとか、今感じてるトロントの課題みたいなのって、どんなことがあるんですか?

キャシー:たぶんね、一番の課題は、今現在だと去年のプライド・パレード……あの、Black Lives Matterって知ってる?

まめた:黒人の運動のやつだよね? 黒人のって言うか……

キャシー:そうそうそうそう。黒人主体の運動で、警察、警官による暴力とか、殺害がきっかけで生まれた運動なんだけど、「黒人の命は大事だ」っていうメッセージを掲げていろんな活動をしてるんだけど、トロントにもBlack Lives Matterの支部があって、その人たちが去年のプライド・パレードの先頭を率いたのね。で、パレードの最中にその人たちがいきなり座り込んでパレードを止めたのね。

まめた:その人たちが止まっちゃった?

キャシー:そう。止まって座り込み抗議をして、トロントのプライド・パレードに警察がいっぱい来るのね。仕事で来るんじゃなくて、まあ仕事なんだけど、ブースを持ってきたり、あとプライドのマーチ、制服でマーチしたりするんだけど、ユニフォームで。それをするなっていう。それプラス、他のいろんな条件とかもあったんだけど、それを突き付けて、要求に従わないとパレードを動かさないみたいな、そんな状況になって、30分間プライドが止まったんだよね。

まめた:やりますね。やるなあ。

キャシー:やるよね、ホントに、うん。それが結果で、警察のブースと警察のフロートがなくなったんだけど。

まめた:それもすごい。

キャシー:それすごいよね、うん。それに、この事件のせいで今コミュニティ内がすごい割れていて、「プライドって、みんな受け入れるものじゃないの?」っていう人たちと、「プライドは弱者を守るためのものだ」っていう人たちが対立をしていて、いまだにすごい意見が割れていて、黒人のLGBTとしてプライドに参加する人たちの経験が、やっぱり理解されていないことを痛感した。やっぱり、あそこまでいっぱい警察がいるスペースに来て、黒人としてどう感じるのかっていうのを、自分もなんだけど、すごい学んだ気がする。

まめた:言ったら、黒人の人は日常的にすごい不当な……いきなり取り調べられたりとか、ひどい目に遭ったりってことを、警察からされているってことだよね。

キャシー:そうだね。すごい印象的だったのが、一回、住宅街とかを歩いていて、黒人の男の子二人が走ってたのね。普通に、鬼ごっこかなんかしていて。そしたら、近所のおばさんかお母さんか分からないけど、「走ったら警察に捕まるよ」みたいな話を、「だから走ったらダメだよ」っていうことを言っていて、それを聞いてすごいショックを受けたのね。その、男の子二人が鬼ごっこしてるっていう普通の光景が、そういうふうに捉えられてしまうっていう。

まめた:パレードって、この人たちが来ることで別の人たちの安全が守られないかもしれないとか、あと、よりラディカルな主張をしたい人っていうのが、パレード全体のお祝いの雰囲気とかと照らし合わせると浮いてたりとか、まあ浮いててもいいんだけれど、それをよく思わない人がいるっていうのは、何かこのトピックに限らず、ちょくちょく見ますよね。何か自分の中では、パレードっていうのはそういうものみたいに思ってて、みんなが集まって、だいたいいくつかそういう考えなきゃいけないことが突きつけられて、みんなで「あれはどうなんだろう」みたいな話をして毎年やってるっていうところが、まあ、それはそれで大事かなって思ったりしてるんだよね。

キャシー:まめたさん前回も言ってたけど、みんなで仲良くわいわいできるだけじゃなくて、納得いかなかったら、それを口に出せる環境が必要だよね、やっぱり。時には、例えば多様性とか、みんなを受け入れるために特定のグループを取り除く必要も出てくるかもしれない。そこらへんはすごく難しいところなんだけど。

まめた:あ、一つね、トロントのことで質問があって、素朴な質問なんだけど、トロントでトランスの人が服を買うときに、みんなどこで買ってるのかってことが気になって。っていうは、自分がニューヨークに行ったときに、メンズの服ってすごいサイズが大きくて、ただでさえアジア人で小さいのに、子供用の店に行かない限り、100%自分の服は見つからないなって思った経験があったのね。で、これが例えば日本だと、お店を探せば見つかったりするし。そういう意味で、こう、服を買ったりとか、パスしたりとか、トランスの人の経験っていうのは、そのへん、どうなのかなと思ったりしてる。

キャシー:どうなんだろうね。そこらへんは、あまり分からないんだけど、でも服のサイズっていうのは、トロントのサイズはすごい、XSからXXXLまである。あと、子供服を買う人が多い、大人でも。例えば、アバクロの、10年前すごい流行ったけど、子供服のお店があって、子供服だと税金も少ないのかな。消費税も少ない。

まめた:へえ。安心して買い物に行けそうな気がしました。ははは(笑)。

キャシー:そう、ゲイ友達でも結構、身長がすごく小柄な子とかもいっぱいいて、その人たちは子供服を買いに行ってるね。「安いし」とか言って、みんな。ファッションなんだけど、ここはトロントの良いところだと思うんだけど、すごく、みんなだらしない(笑)。東京って、ホントにちゃんと服を着ていないと疎外される感じがあったから。トロントは何を着てても大丈夫、みたいな。そんな雰囲気がある。結構パジャマで犬の散歩に行ったりする。

まめた:それはホッとするわ。服、ちゃんとしてなきゃいけないのが苦手だから。

キャシー:いまだに、自分の仕事でスーツを着て仕事に行ったことがない(笑)。っていうのも結構大きい。そこらへんは嬉しい。

まめた:あ、何か来ました、メッセージ、今。えっと、これは何て読むのかな。ナオミチさんからのメッセージで「第一回、とても面白かったです。カナダのセクシャリティと人種に関する話題、日本のLGBT運動とビジネスの関係、台湾のパレードの様子など、興味深く聴かせてもらいました。次回も楽しみにしています」ということで、ありがとうございました。結構こういう話を聞きたい人がいっぱいいて、ホッとしています。

キャシー:ありがとうございます。すごいびっくりしたのが、日本のpodcastランキングで36位を記録したんだよね。

まめた:びっくりしたわ。

キャシー:すごいびっくりした(笑)。かなりニッチなpodcastだと思ったんだけど。うちの母に言ったら、「10位に入ってから報告して」って言われて。

まめた:10位に入ったらびっくりしちゃうんじゃない?

キャシー:うん。すごい冷たい反応をもらった。はっはっはっは(笑)。10位に入れるかな。まあ、そんな感じなんですけど。次回は……今回は僕がいっぱい話したので、次回はもっと、まめたさんの話が聴きたいです。

まめた:はい。じゃあ、日本のLGBTコミュニティの最近の話とか、やってることの話とか、お話できればなと思うんだけど、何か他に聞きたいこととかあります?

キャシー:うん、いっぱいある。やっぱり、日本を長い間離れてるから、いつも日本のLGBTの変化とか気になる。あと、すごい些細な変化とかも気になる。例えば、みんな今クラブはどこに行ってるのかとか、二丁目の新しい美味しいカフェとか。

まめた:うん、知らない(笑)。

キャシー:そういう情報とかも聞きたい。

まめた:知らなかった。ははははは(笑)。

キャシー:知らない?

二人:はっはっは(笑)。

まめた:全然アップデートされてない(笑)。

キャシー:僕もね、トロントのゲイ・ヴィレッジに全然行ってないから、最近のことは全然分からない(笑)。

まめた:アーチが閉まるかも、ぐらいで記憶が止まってる。ははははは(笑)。

キャシー:ええっ!?

まめた:閉まるかもっていう話が。

キャシー:アーチが閉まっちゃうの?

まめた:たぶん45年ぐらい前にあったんじゃないかな。

キャシー:あー、ちょっとショック、それは。

まめた:二丁目……分かんないや。適当なこと言えないです。閉まってなかったらごめん。ははは(笑)。

キャシー:適当なこと言っちゃだめだよ。

まめた:はい。

キャシー:うん! それでは、次回にもっといっぱい話をしましょう。もし感想とか質問があれば、ホントにツイッターでもメールでも、何でもいいので送ってください。すごい、いつも読んでいて嬉しくなっています。あと、ネガティブなこととかもどんどん、クリティカルな話とかも全然……

まめた:そのほうが、やってて楽しいしね。

キャシー:最後に何か、今回の感想について。

まめた:今回ね、そうだなー、トロントの話をしたときに、お金の話が出たと思うんだけど、お金があることで普段届かない、日本とかではまだまだ届けられない人たちにアプローチすることできるっていうのは、そうだなって、そこは率直に羨ましいなって思いましたね。大変なこともいっぱいあると思うんだけど、そこはすごく羨ましいなって思ったのと、パレードを止める人たちと仲良くなりたいなと思いました。

キャシー:そうだね、仲良くなりたいね。今回、いまさらトロントの話をしてみて、すごく自分でも感じたことがいっぱいあって、ちょっと不思議な感じ、不思議な気持ちになった。そんな感じです。

まめた:じゃあ……

キャシー:それでは、次のエピソードで会いましょう。

まめた:またお会いしましょう。

Producer: キャシー (@torontogay69)
Co-host: 遠藤まめた (@mameta227)
Composer: hirontier/Hiroyuki Sugawara (@hirontier)

そして、桜井弓月さんの超丁寧な文字起こしに大感謝!

『LGBTを多様性の視点から見るってどういうこと?』ポッドキャスト:にじいろ交差点・第3回 テキスト by 桜井弓月

2 8月

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1 LGBTを多様性の視点から見るってどういうこと?(2017/7/31

にじいろ交差点(iTunes / Google Play Music / libsyn

キャシー:今日、その、初めてのエピソードじゃないですか。

まめた:そうですね。

キャシー:一応、あの、ちょっと恥ずかしいことをしようと思っていて。

まめた:おー。もうすでに恥ずかしいけど(笑)。

キャシー:ははは。すでに恥ずかしい?

まめた:すでに恥ずかしい。

二人:ははははは!

キャシー:このpodcastのタイトル、「にじいろ交差点」じゃないですか。これを二人で一緒に言おうと思って。

まめた:おー、いいですね。

キャシー:呼吸を合わせて。どうします?

まめた:どれぐらいの速さで言います?……にじいろ、こうさ……(ゆっくり言ってみる)

キャシー:それぐらいの速さで。ただ、僕が「にじいろ」って言って、まめたさんが「交差点」って言う。

まめた:あー、いいね。

キャシー:それでいいかな?

まめた:頑張ろう。

キャシー:で、そのあとに二人で一緒に「東京とトロントから届けるLGBT podcast

まめた:オッケー!

キャシー:それでいきましょう。

まめた:東京とトロントから……届ける……

キャシー:滑舌、すごい大変ですね、これは。

まめた:メモるわ、メモるわ。

キャシー:ははは(笑)。「東京とトロントから届けるLGBT podcast

まめた:二人で言うの?

キャシー:二人で言う、その長いとこ。

まめた:分かった分かった、大丈夫。

キャシー:じゃあ、行くよ? にじいろ!

まめた:交差点!

キャシー:東京とトロントから……

まめた:と、と、トロント……

キャシー:ははは(笑)。言えてないじゃん。

まめた:もう一回、もう一回!

キャシー:にじいろ!

まめた:交差点! 東京とトロントから……

キャシー:トロント……はは、全然合わない(笑)……今回は成功しなかったんですけど、次のエピソードで成功させましょう。

まめた:もう一回やったらできるんじゃ……

キャシー:もう一回やったらできる?

まめた:はい。

キャシー:じゃあ、もう一回、最後に。にじいろ!

まめた:交差点! 東京と

キャシー:トロントから届ける

二人:LGBT ポッ……(二人のスピードが合わず)

キャシー:はっはっはっは!(笑)

まめた:せーので、LGBT podcastだけ作って……

キャシー:うん、でもこれ、このまま載せようと思ってたんですよね。

まめた:オッケー。頑張りましょう。

キャシー:この、呼吸が合わない感じがいいかなと思って。

まめた:分かりました、はい。

キャシー:そんな感じのpodcastです。

まめた:はい。そうですね、しみじみと……

キャシー:しみじみと、はい。今回、初めてのエピソードなんですけど、二人ともpodcastの経験とか、ない。

まめた:ゼロですね。

キャシー:ゼロです。そう、素人が一緒に頑張って作るpodcastなので、よろしくお願いします。

まめた:よろしくお願いしまーす。

キャシー:というわけで、まず最初のエピソードなので、とりあえず自己紹介から始めようと思っていて。

まめた:そうですね。

キャシー:まめたさんから。

まめた:はい、私から。はじめまして。まめたと申します。えっと、東京でいま活動していて、活動を始めてからだいたい12年ぐらいになるんですが、トランスジェンダーの活動家ということで、やってます。主にやってるのは、LGBTの子どもや若者の支援に関することで、だいたい、いろんな学校とか教育現場に行って、LGBTのことをお話したりだとか、あとは月に一回、池袋で「にじーず」という、10代から23歳ぐらいまでのLGBTかもしれない人たちの居場所作りなんかをやってます。よろしくお願いします。

キャシー:よろしくお願いします。LGBTかもしれないって、どういうことですか?

まめた:えっと、10代ぐらいだと、自分がはっきりと、例えばゲイだとかバイセクシャルだとか決めなくても、自分がそうかもしれないなと思ったときにアクセスできるっていうところで、居場所作りができないかなというふうに思ってます。

キャシー:にじーずって、新しいんですか?

まめた:えっと、去年のちょうど8月から始めて、今年で……今月で1年目かな。

キャシー:1年目。おめでとうございます。

まめた:ありがとうございます。

キャシー:すごい、こんな活動があるなんて、素敵だな……と、一応、僕の自己紹介もしようと思うんですけど。ネット上では、キャシーという名前で通っています。一応、ブログで「トロントのハッテン車窓から」というところから始まって、もうブログを始めて10年以上……9年以上になるんですけど、ツイッターでも、いろいろいつも写真とかツイートとかを書いていて……うん、それぐらいですかね、ネット上では。でも、一応トロントでは前にLGBT支援の仕事をコミュニティ団体内でしていて、いまは大学教育機関でLGBT支援から、ダイバーシティ促進から、反差別教育まで、いろいろやっています。そんな感じです。

まめた:いつも楽しみに、ツイッターを勝手に見てます。

キャシー:ありがとうございます! (二人、笑う)ツイッターでは、オネエキャラで始めて、そのまま残ってるんですが、あんまり実生活でオネエキャラができないので、結構、ブログとかを読んでくれた方が実際に会って、「あ、オネエじゃないんですね」って、結構意外に思われるので、まあ、podcastでも、こんな感じで話していくと思います。

まめた:はい。いつも、ハッシュタグ「#英語よ」っていう、あれがいつもすごい羨ましいなって。

キャシー:(笑)なんで羨ましいんですか?

まめた:カッコいいな、って(二人、笑う)

キャシー:あー、あれは、日本語の記事とかをあんまり読んでなかったんで、結構英語の記事とかを読んだあとに「あ、これシェアしたい!」って思ったときに、翻訳するのめんどくさいなと思って。

まめた:なるほど。

キャシー:でも、あんまり英語の記事をバンと載せるのも失礼なので。読めないと悲しいと思うので、一応、忠告として「#英語よ」ってハッシュタグを。

まめた:たまにパクって、私もブログに「#英語よ」って書いてます。

キャシー:全然、あの、パクってください。

二人:ははは(笑)

キャシー:響きがかわいいですよね、「#英語よ」。で、まめたさんと僕が、podcastを始める経緯、というのを話したいんですけど。

まめた:そうですねー。

キャシー:はい。

まめた:ま、あのう、なんかいま日本で、LGBTに関する情報ってそこそこ出てるような気がするんだけど、あんまり、その、無料で、特に、深いところで話してるコンテンツって、あんまりそんなにないような気もするんですよね。

キャシー:うん、無料で、その、まあ、誰でもアクセスできるようなコンテンツになってない。

まめた:そうそうそう。で、しかも、日本のここ最近の動きを見ていると、結構、企業のダイバーシティみたいなところでLGBTについて語られることって増えてきたんだけれども、何て言うのかな、人権とか、いろいろ社会の基礎的なところで考えたときに、LGBTのことをもうちょっと、いろんな視点から見つめる必要があるんじゃないかなっていうふうに思ってですね。そういう意味で、トロントで活躍しているキャシーとコラボレーションでいろいろ語っていけたらいいな、っていうふうに思ってるんだよね。

キャシー:いいですね、語っていけたら。

まめた:うん、そうそう。

キャシー:まあ、podcastを、いろんな視点で、LGBTのアイデンティティーとか、LGBTというコンセプトを見ていこうという……もうちょっとあとで解説、説明しようと思うんですけど。このpodcast、まめたさんも、かなりいろんなフォローイングがツイッターから、今までの活動でいろんな人がまめたさんをすごい尊敬していると思うんですけど。

まめた:いやいや。

キャシー:あんまり、まめたさんとキャシーって、繋がってるっていう、そういうイメージはないと思うんですけど、実は繋がっていたっていう。ちょっと二人の歴史について話してみようかなと思っていて。

まめた:そう。今でもね、忘れられないんだけど、新宿の紀伊国屋書店の下にファーストキッチンがあったんですよ。今もあるのか分かんないんだけど。そこでキャシーとご飯を食べてて。そのあと二丁目の方向に歩いて行くんだけども、そこで、あのー、山の上で宇宙人が捕まえられてる写真って、有名なのあるじゃないか?

キャシー:えっ?

まめた:二人、背が高い人がいて、間に小っちゃい宇宙人が……

キャシー:あー、はいはいはいはい!

まめた:あれをやったんですよ。

キャシー:やったかもしれない。

二人:ははは(笑)

まめた:もう一人、背が高い人がいて。私、身長が157センチしかないんだけど、で、宇宙人役をやって、二丁目に連れて行かれたっていうことが、昔、思い出としてあります。

キャシー:あ、それ僕、全然覚えてなかったけど、今思い出した。そんなことやったね。

まめた:だいたい10年ぐらい前。

キャシー:10年前ですね。一応、僕がカミングアウトしたのが2007年の8月なので、ちょうど今年で、今月で10周年で。そのあたりに、レインボー・カレッジっていう、まめたさんが共同運営していたんですよね? していた団体に参加して。

まめた:学生だったから。二人とも学生だったんだよね?

キャシー:そう。

まめた:学生の、LGBTの学生生活を考えるサークルみたいなところで出会ったんだよね。

キャシー:そう。で、レインボー・カレッジは、かなり初めて行ったミーティングで、かなり不純な理由で参加したんですけど、カミングアウトしたばかりのゲイの男の子として出会いを求めて、のこのこついて行ったんですけど、友達に。レインボー・カレッジのミーティングに参加して、「あ、この人たち、プロだ」ってすごい思ったんですね。あのー、ほんとに、ミーティングをホワイトボードでMTGって略していて……

まめた:ははははは(笑)

キャシー:「すごいカッコいいな、この人たち」と思って。みんな、すごい慣れた様子でコミュニティをオーガナイジングしていて、それを見て、すごい感化されて。レインボー・カレッジで学んだことは……あのときはね、何を話してたんだろうね。

まめた:なんか、よく、ミーティングが長くって、1時ぐらいから始めて8時ぐらいまでずっとやってた記憶が。

キャシー:そう。ミーティングがいつもすごい長かった。

まめた:途中で2回ぐらい喧嘩するんですよね(笑)。

キャシー:そうそうそう。

まめた:ゲイのメンバーが考えてることと、トランスのメンバーが考えてることが全然違ってたりするんで。なんで、違うなあ、みたいな。

キャシー:ナイーブだった自分は、それを観察していた感じでした(笑)。

まめた:そうですね。何なんだろうなあ、って。

キャシー:でも、レインボー・カレッジで学んだことは、今でも自分がしている仕事で役に立っていて。すごい、自分の基礎を築いてくれた団体だったと思います。もう、レインボー・カレッジはないんですよね?

まめた:何か今、ないんですよね。残念だね。

キャシー:残念だね。

まめた:まあ、でも、学生サークルが今はたくさんあるんで、そういう似たような人たちがいっぱいいるのかなというふうに思ってますね。

キャシー:うん。

まめた:なんかね、1時から8時まで飽きずに喧嘩しながらミーティングしてるって、やっぱ、おかしいよね。ははは(笑)

キャシー:ちょっと、うん、おかしいよね。

まめた:ああいう場所が必要だよね。

キャシー:うん。今までこの10年、ずっと、いろんなコミュニティでいろんな活動をしてきたけど、あそこまで長いミーティングをする団体はレインボー・カレッジだけ。

まめた:しかも、8時に終わって、そこからご飯食べに行って、また長いんだわ(笑)。

キャシー:そうそうそうそう。でも、ああいう場所が必要だったよね、あのときは、たぶん。

まめた:そうなんだよねー。何か、意外とないよね。

キャシー:すごく……うん、すごい、いつもはレインボー・カレッジとかのミーティングは楽しみで、横浜から東京まで結構遠かったんですけど、その道のりがいつもすごい楽しみで、今でも覚えています。これが10年前だなんて、ちょっと……

まめた:たしかに、そう思うとね、やばいね(笑)

キャシー:やばいね。

二人:(笑う)

キャシー:で、まあ、一応……

まめた:当時……

キャシー:うん?

まめた:当時、全然LGBTとか新聞にも載らなかったし、初めてNHKで「ハートをつなごう」かな、LGBT特集なんかをやって、その時にレインボー・カレッジが出たんですけど、やっぱ、スタジオの収録も6時間とか、とんでもない時間で。

キャシー:あ、そんなに長かったんだ?

まめた:そう。

キャシー:僕、ちょうどそのNHKで「ハートをつなごう」に出るかもしれないみたいな会議が、自分の最後の会議なのね。

まめた:あー、なるほど。

キャシー:だから、そのあとにトロントに留学して、インターネットで、その番組が放送されたっていうのを聞いて、「あ、すごい」っていう。

まめた:それが10年前だからね。

キャシー:すごいね。でも、そう考えると、かなり日本も、いろんな意味で変わった部分もあって、変わらない部分もあって。

まめた:そうですね。

キャシー:それも、このpodcastで話していこうと思います。

まめた:そうですね、はい。

キャシー:で、まあ、このpodcastのタイトルが「にじいろ交差点」なんですけど。

まめた:うんうん。

キャシー:その「にじいろ交差点」っていうタイトルが、LGBTを多様な視点から見ていこうっていう、このpodcastのテーマに沿っているんですよね。

まめた:うんうん、そうですね。「にじいろ」って、ジェンダーとかセクシャリティとか、性に関することだけじゃなくって、もっといろんな人の違いとか、例えば民族とか、カナダと日本とか、いろんな違いを、こう、見ていこうかなと思っているんですね。

キャシー:そうそうそう。あと、その、まあ、「交差点」っていう意味でも、まめたさんと僕で、違う国で同じような仕事をしてきた二人がどう交差するのかっていうのも、結構、個人的には楽しみで。

まめた:そうだね。

キャシー:うん。いろいろ聞きたいと思います。

まめた:はい。

キャシー:で、さっき、日本のLGBTにまつわるもの、部分が変わってきたっていう話をしたんですけど、どういう変化が起きたと思いますか?

まめた:そうですね、やっぱり、一番変わったのは、企業とメディア、この二つだと思うんですよ。で、企業は、雑誌の「週刊ダイヤモンド」とか、あのへんのビジネス雑誌が「LGBT市場」っていう特集を組んだのをきっかけに、いろんな企業が「LGBTのこともダイバーシティとしてやっていかなきゃ」というふうに変わった、これ一番大きいと思うんですけど。

キャシー:うん。

まめた:一方で、メディアとかも後押ししていく形で広まってきてはいるんですけど、でも一方で、政治が何が変わったかって言うと、特に新しい法律は国のほうではできてなかったりだとか、何かこう、ちょっと、その伸びている部分、経済とかメディアとかっていう伸びている部分と、そのまま変わってないかなっていう部分と、いろいろちぐはぐと言うか、そういう部分があると思ってるんですよね。

キャシー:うん。だって今、プライド・パレードとかも、すごいスポンサーがいるよね。

まめた:そうそうそうそう。もう、昔の10年前とはあまり企業ブースとかそんなに目立たなかったと思うんだけども、今はすごいいろんな企業がブースを出してて。でも、一方で、じゃあ本当にその会社の中で、例えばトランスジェンダーの社員のこととかをどこまで本気で考えてるのかなっていうと、ちょっとまだ見えないところもあって、それは課題なのかなと思ってるんです。

キャシー:10年前に、東京プライド・パレードを歩いたときに、企業ブースがたぶん23個だったんですよね。そのうち一つが、お茶屋さんだったんですけど、あんまり大きいスポンサーではなくて、かなり個人的なスポンサーだったんですけど。で、トロントに来て、トロントのプライド・パレードを歩いて、スポンサーの数がもう、すごい。

まめた:何人ぐらい、トロントのパレードって歩いてるんですか?

キャシー:えー、何人いるんだろ。一応、あの、45時間続くんですよ、パレードが。

まめた:ほぉー!

キャシー:その、2時か1時から始まって、結構、僕が前いたときは、うちの団体、結構先頭にいるんですよ。で、先頭を歩いて、パレードを終えて、僕、一回家に帰って寝るんですね。

まめた:はははは(笑)

キャシー:(笑)疲れるんで、パレードのあと。で、一回家に帰ってシャワー浴びて、ちょっと昼寝して、もう一回戻ってくるんですよ。で、まだパレード続いてるんですよ(笑)。

まめた:はははは(笑)。なげーよ。

キャシー:すごい長い。で、スポンサーの数もすごくて、でも、プロテストという感じではなくて、デモ行進という感じではなくて、もうほんとにお祭りっていうものになっていて。日本で歩いたパレードとは全然違っていて、すごく嬉しいっていう部分がある反面、これが最終地点、目的地になったら、どうなるんだろうっていう不安もあったりして。やっぱり、その、LGBTコミュニティが、その、すごくマーケットとして見られるというのが、その、うーん……っていうところがあるじゃないですか。

まめた:そのー、自分は台湾の、台北のプライド・パレードに行ったことがあるんだけれども、そのときは企業ブースって目立たなかったんですね。で、すごい、デモ自体も日本と違って両方の車線使えるんですね。で、歩いて行くと向こうからもパレードがやってくるみたいな、ちょっとよく分かんない。

キャシー:すごいな、それ。

まめた:しかも、作りもうまくって、歩いて行くと、例えば「199X年にこういう事件がありました」みたいなことを、横断幕の下を通って行くんですね。それによって、そのコミュニティがどういう歴史をたどって今まで来たのかということを歩きながら学ぶことができたりとか。一番面白かったのは、ナース服を着て拡声器を持ってる人がいたんですよ、横断幕のところに。それはゲイのパーティーがあったときに、HIVのテストを受けるように、勝手に強制的に行政の人が入ってきて、っていう事件があったらしいんですけど、そのときのことをその人がアピールしてるんだけど、服装とかもちょっと人目を引くって言うか、考えさせる仕組みになっていたりして。同じパレードって言っても、単にお祭りだけじゃなくて、みんなが考えたりとか、そういうちゃんと仕掛けがあって、いいなってことをすごく思ったんだよね。

キャシー:それ、すごい政治的だね。

まめた:そうそう。あと結構途中でも止めちゃって、スピーカーでスピーチしてるんですよ。同性結婚っていうか、同性同士で結婚できるっていうムーブメントが台湾では一生懸命やっていたんだけども、そこの団体の代表の人が途中で演説をしてたりだとか、すごい政治的で。それを普通に皆がエンジョイしてるっていう光景がすごい印象的だったんですね。

キャシー:ぜひ台湾のプライド、行ってみたい。

まめた:そう。良かった。車からドラァグクイーンの人がコンドームを投げまくってて、それを皆が拾うとかね。何か、東京のプライド・パレードでは見ないような光景がいっぱいありましたね。

キャシー:東京のプライド・パレードではコンドーム投げないんですか?

まめた:投げないですかね(笑)。

キャシー:投げない(笑)。

まめた:前に、あの、安倍昭恵さんがトラックの後ろに乗ってたときに、私、ドラァグクイーンが乗ってると思ったんですよ。「誰だろう、あのドラァグは?」と思ったら、安倍昭恵さんだった。

二人:はっはっは(笑)

まめた:ドラァグじゃなかった。

キャシー:あー、すごい(笑)。これ、載せていいんでしょうかっていう。

二人:はははは(笑)

まめた:誰だろうと思って(笑)。

キャシー:はっはっはっは(笑)。さっきのは、プライドの、企業のブースと、企業の広告塔になっていくっていう方向性と、プライドの政治的な意味合いのバランスがすごく難しい部分なんですけど。このpodcastの多様な視点から見ていくと、すごく、その、企業の広告塔になるイコール、お金持ちのLGBTにフォーカスがいくことが、すごい問題ですよね。

まめた:そうなんですよね。

キャシー:LGBTの中で、例えばトロントだと、LGBTの中に、例えば有色人種のLGBTとか、移民とか難民のLGBTとかがいて、必ずしも企業の広告塔がターゲットしてるマーケットではないLGBTがたくさんいるんですよ。

まめた:そうですよね。

キャシー:うん。だから、そういう意味でLGBTを狭い視野で見て、マーケットとして使われるというのが、すごい個人的に複雑で。トロントでも、その課題はものすごく多いんですけど。日本も、もうちょっとそこのバランスが取れたらいいなって思っていて。

まめた:そうなんですよね。日本に関していくと、やっぱり、地道な人権運動みたいなのが全然お金にならないし、例えば、その、自治体とか学校に対していろんな講演とかをしても、正直、食べていくのが、たぶんすごく大変だから、いま日本で活躍しているLGBTNPOって、やっぱり企業向けの講演とかしないとやっていけない状況にあるわけですよ。でも、そうすると、企業向けってなってくると、よりラディカルな主張ってなかなかしづらくなってきて、一つの例は、例えばトランスジェンダーのトイレの問題とか、雇用の問題だと思うんだけれども、いわゆる多数派の人たちの価値観をちょっと変えたりとか、より、そういう物の見方を変えたりとかの主張っていうのは、実は企業への講演とか、そういうものをベースにしてるとなかなかできないっていう、それは構造的な問題だと思うんですよ。で、去年「work with Pride」っていうイベントがあって、そこで53社から、LGBTについて一生懸命取り組んでいる会社ってことで表彰されるんだけれども、一方で、地方に住んでいる人たちってどういう状況にいるかって言うと、そもそも、40代、50代のレズビアンの女性は、レズビアンであるっていうことだけじゃなくって、独身の女性であるっていうことでも、町ではすごい生きづらかったりとか。ジェンダーとか、地方とか、そういうものが絡んでいるっていう状況もあったりして。何かこう、いろいろまとめて、いろんな視点から語っていく必要があるのかなって、そういう時期なのかなって、いま思っているところですね。

キャシー:いま日本で、企業研修とかでLGBTについて扱うときって、どういう内容になるんですかね。

まめた:どうなんですかね。やったことないからわかんない(笑)。一生懸命、皆さんやっているとは思うんだけれども、まあ、でも、やっぱり構造的に限界があるかなっていうふうに思ってるんですよ。あのー、企業がやりやすい方法と、やりづらいとか、より、その、何て言うのかな、根本的に皆の考えを変えなくちゃいけない部分っていうのは、やっぱりちょっと、それぞれあると思うので。なかなか、トランスジェンダーの、トランスジェンダー女性の人が更衣室を使いたいって言ったときに、やっぱり当事者の基本的なところに立つってことではなくって、どうやって職場をうまく丸めるかとか、そういう視点でやっぱりやらざるを得ないところってあるのかな、っていうふうに思ってるんですよね。

キャシー:これ僕の経験なんですけど、前の仕事ではコミュニティの中から企業とか大学に出向いて、ワークショップとかトレーニングとか提供したんですよ。LGBTに関するトレーニングだったりとか、LGBTプラス人種差別とか、そういう感じでいろいろやってたんですけど、今の仕事だと、僕、組織に雇われて、組織内でこういう仕事をやるんですよ。で、初めて、雇われたあと初めてワークショップをする日になったときに、ステージに立ってマイクを握った瞬間に、何を言えばいいか分からなくなったんですね。

まめた;ほー。

キャシー:まず、どこまで相手の意見を変えるかっていうラインがすごく難しいところで、これを言ったら、うちの上司からあとで注意されたりするかもしれないとか。

まめた:うんうん。

キャシー:これを推し進めてしまうと、上のほうから文句が来るかもしれないとか、そういうことを考え始めて、言いたいことが言えなくなったんですね。例えば、だから、LGBTに関することは言えても、人種差別とか……

まめた:ありますよね。

キャシー:うん。例えば黒人に対する人種差別とか、すごい今トロントでヒートアップしてるトピックなんですけど、そこを持ち出すか持ち出さないかっていうところで、すごく困ったんですね。うん、だから、空気を読む教育者になっちゃった(笑)。

まめた:(笑)

キャシー:組織内にいるっていうことで、そういうことができなくなっちゃったので、企業向けに、こうした、お金をもらって、こうした仕事をするのは大変だなっていうのは感じますね。

まめた:そうですね。何て言うか、やっぱり、それぞれの立場でできることと苦手なことができてくると思うんだよね。なので、まあ、例えば自分が学校に行っても、そういう場面って必ずあって、学校の先生に対して、ここはこれ以上求めると心を閉ざされてしまうんじゃないかみたいな、空気を読むみたいな、そういうところってあったりとかして。

キャシー:じゃあ、まめたさんが例えばワークショップとかをトレーニングするときに、これだけは譲らないっていう部分はどこですか?

まめた:えー……難しい質問ですね。

キャシー:難しいですか?(笑)

まめた:あ、でも、えっと、一つこれ、必ず思っていることは、理解ってすごく曖昧な言葉だと思っているんですよ。「理解しました」とか「理解しましょう」とか、そうではなくって、ちゃんと行動まで起こしてこそ意味があるっていうふうに思ってるんで、学校の先生に対してとかも「聞いて勉強になりました」とか「理解が深まりました」っていうんじゃなくて、じゃあ、具体的に、「廊下や保健室とかに、こういうの、ポスターとか置いてくださいよ」とか、「こういう、学校の制服を着なきゃいけないっていうルールを見直してみましょう」とか、やっぱ、ちゃんと行動に移してもらうっていうところは、一つ譲れないかなっていうふうに思ってますね。

キャシー:あー、いいですね、それは。僕のは何だろう、一応その、このpodcastのテーマでもあるんですけど、多様性ってのはすごく大事だなと思っていて、例えば「LGBTのことについて話してください」と依頼されたときに、絶対にLGBT以外の部分も持っていくっていうのがすごく大事なところで、例えば……

まめた:いいですね。

キャシー:すごくいつも個人的に複雑な気分になる言葉があって、「トロントはゲイが一番住みやすい街」とか、そういうフレーズをたくさん聞くんですよ。でも、その文の中にある「ゲイ」って誰なのかっていうことを考え始めると、必ずしも、その文が正しいっていうわけではないんですよね。

まめた:うんうん。

キャシー:例えば、白人でカナダ生まれでゲイという人と比べて、移民で来て、有色人種で、アクセントがあって、ゲイっていう人たちと比べたら、その人たちの経験は全く違うと思うんですよね。

まめた:一口にゲイと言っても、全然違うってことですよね。

キャシー:そう。だから、トロントという街をどう経験するのか、その人のアイデンティティーとか、その人の複雑なアイデンティティーがどう絡み合っていくのかっていう部分が個人的にすごい大事で。だから、その、ワークショップとかトレーニングするときとかは絶対そういう部分を強調して、LGBTLGBTとして考えるだけではなくて、他の部分も見ていこうっていうのは大事なテーマですね。

まめた:ほんと、そうですよね。大事だあ。

キャシー:大事ですね。

まめた:大事ですね。

キャシー:あの、こんな感じのpodcastなんですけど。

まめた:1回ですよね。

キャシー:1回、こんな感じですけど、どうですか?

まめた:そうですね。あのー、なんだろ、人権問題って、人権とか多様性の話って、皆共通してる部分が必ずあって、それは、その、LGBTのことだけじゃなくて、ジェンダーとか民族とか、いろんなところで、すごく同じような似てるようなトピックっていっぱいあって、何かそれがこう、結びついて皆で考えられるようになったらいいなっていうふうに、すごい思ってます。

キャシー:うーん。

まめた:だから、このラジオがすごい楽しみにしてます。

キャシー:ラジオって言わないでください。podcastです。

まめた:あ、podcastだ(笑)。

キャシー:ははは(笑)。トレンディーにいきましょう、トレンディーに(笑)。でも、ほんと、今まめたさんが言ったこと、すごい大事なところで、人権問題を考えるときに、誰かを忘れるともう成り立たないと思ってるんですよね、人権っていうのは。だから、LGBTだけを守ったところで、有色人種を守れなかったりとか、黒人の人を守れなかったりとか、あと、障害者を守れなかったりとか、そういう部分が残ってると、LGBT内でそうしたアイデンティティーを抱えている人たちを守れないっていうことになるので、だからほんとに、holisticって英語でよく使うんですけど、日本語だと、包括的?

まめた:まるごと? 包括的?

キャシー:まるごと? 全部まるごと一緒に問題解決みたいな。言うのは簡単ですけど、やるのは大変な部分ですよね。

まめた:やっぱ、こう、考え続けていくとか、あと、何だろう、レインボー・カレッジとかでもそうだったんだけど、皆が仲良くやっていける場所じゃなくって、何か、おかしいと思ったらちゃんと「おかしい」って言えて、それを聴いてくれる人もいて、「よく分かんねーよ」って言う人もいて、っていう空間をちゃんと作っていくことが大事かなって、すごい思ってるんですよね。

キャシー:そうですね。会話じゃなくて、対話をしていけるような場所ですね。うん。という感じなんですけど、次回予告にいきますか? それとも、もうちょっと話しますか?

まめた:次回予告してみる?

キャシー:次回予告、まったく、何もあの、考えてないんですけど。

まめた:あー、何がいいかな。

キャシー:次のトピック、何か話したいこととかありますか?

まめた:やっぱ、こう、何だろ、トロントの話が聴きたいですね。何か、あのー……

キャシー:トロントの話ですか? はい。

まめた:うん。自分は、何だろ、勝手に憧れがあって、トロントってのは、すごい日本よりも進んでるんじゃないかみたいな、憧れの部分と、とは言え、「いやいやいや!」みたいな、いろいろ課題があるんだろうなっていう部分と、両方あるだろうなって思うので、そのへんの話が聴きたいかな。

キャシー:ぜひ、トロントの話をしましょう、次回。あと、まめたさんのほうで他に話したい部分とかありますか?

まめた:他に話したい部分ね……あのー、そうだな、最近アメリカでトランプ大統領が、今度軍隊でトランスジェンダーの人を排斥するっていうようなニュースがあって、それに対して、例えばカナダってのは「いや、自分らはウェルカムなんだ」ってことをツイッターで首相が発信する場面もあったんですけど、実際にそのへんで、例えば、「ウェルカムだ」って人と、「いやいや、排斥したいんだ」って人たちの間っていうのは、どういう関係性なんだろうか。コミュニティの中で、どういうふうに意見が割れたりとかあるんだろうなっていうのは、関心がありますね。

キャシー:うん。あと、そのまあ、ツイッター上の発言と、実際のポリシーがどう繋がっていくのかっていうのもありますよね。

まめた:そうそうそう。それは気になるな。

キャシー:うん。個人的に、すごい、ポップカルチャーのほうになっちゃうんですけど、昨日ドラゴンクエストをダウンロードしてプレイしてるんですけど、噂によると、ゲイのキャラクターが登場するらしいんですよ、ドラクエに。最近結構ゲイのキャラクターがたくさんメディアで登場するように、日本のメディアで登場するようになってきたじゃないですか。

まめた:ドラマとかね。

キャシー:ドラマとか。で、個人的に結構、メディアの中で、どう、こういうマイノリティーが表現されるのかっていうことにすごい興味があって。

まめた:うんうん。

キャシー:日本のクリエイターが、どう、こうしたコミュニティを見て、どんなキャラクターを創っていくのかっていう部分が、かなり興味深いです。

まめた:うんうん。

キャシー:というわけで、次回までにそのキャラクターを仲間にして、どんな人なのかを探ってみます(笑)。あと、あのー、このpodcastを聴いてる人たちからもいろいろ質問とか。

まめた:バッチ来い! みたいな。何でも。

二人:ははははは(笑)。

キャシー:何でも、全部答える。

まめた:答えられるのか?

キャシー:わけでもないんですけど、頑張って全部答えます。

まめた:はははは(笑)。答えるんだ?

キャシー:ははははは(笑)。まあ、あのー、あんまり失礼なとかは無視するかもしれないので、はい。

まめた:そうですね(笑)。

キャシー:リスペクトを持って質問してください(笑)。って感じです。

まめた:いやー、面白かった。

キャシー:面白かったですか?

まめた;うん。

キャシー:すごい、あの、ほんとにpodcast初めてなので、すごい緊張して。

まめた:部屋を片づけ始めたけど、映らない(笑)。

キャシー:はっはっは、映らない(笑)。

まめた:掃除機かけて。

キャシー:あと、あの、オープニングテーマなんですけど、僕の友達に頼んで作ってもらったんですよ。すごく素晴らしい曲ができたので、ぜひスガワラヒロユキくんのページをたぶんリンクに、リンクがどっかにあるので、探してみて、チェックアウトしてみてください。というわけで、この「にじいろ交差点 エピソード1」、これでお開きにしますか?

まめた:はい。

キャシー:まだ、ウイークリーか、マンスリーか、どれぐらいの頻度でやるか決めてないんですけど、まあ、決めましょう、それは。また今度で。

まめた:はい。

キャシー:それでは。

まめた:それでは。

キャシー:これ、ちょっと待って待って! これ、どう閉じるの? podcastって。

まめた:えー。それでは……何だろ。また来週?

キャシー:また来週って、決めてないからね。

まめた:「それでは、また今度」とかで、音楽が流れるのかな?

キャシー:うん。じゃあ、また今度。一緒に「また今度」って言ったあとにオープニングテーマを流しましょうか。ま、エンディングテーマになりますけど。では、せーの!

二人:また今度!……はははは(笑)。

キャシー:まあ、こんな感じです。こんな感じの二人です。ありがとうございました。

まめた:ありがとうございました。

Producer: キャシー (@torontogay69)
Co-host: 遠藤まめた (@mameta227)
Composer: hirontier/Hiroyuki Sugawara (@hirontier)

桜井弓月さんの超丁寧な文字起こしに大感謝!