最終防衛ライン、突破されてしまったわ。
そう、ついに新型コロナウイルスに感染してしまった。
症状はちょっと風邪こじらせたくらいの感覚で、数日の自宅療養で快方へ向かっている。このブログを書いている今、感じているのは鼻詰まりと気怠さくらいだ。後遺症が無いことを祈っている。
実は4月の終わりから日本に一時帰国していた。日本入国時にワクチン3回接種している人は隔離する必要がなくなって、トロントから成田への直行便も再開し、この機会で帰るしかないと思ったからだ。2022年はロックダウンでスタートしたオンタリオでも、オミクロンの感染力を前にしてエンデミック方針に切り替わり、春からマスク着用などの規制が次々と緩和されていた。乗客の半分がマスクを着用していないバスに揺られてピアソン空港へ向かいながら、ずっと答えのない疑問について考えていた。
「日本で新型コロナウイルスに感染したらどうしよう?」
帰国して、室外でもみんながマスクをしている様子にカルチャーショックを受けつつ、自分の中では緊張が解れていた。パンデミック始まって以来の帰国でテンションが上がっていたのか、それともパンデミックで失われた時間を取り戻そうと思ったのか、注意を払いつつリスクも取ることにした。おかげで、母と一緒に国内を旅行できたし、友達とも再会できて、日本も満喫できた。新型コロナウイルスに感染しても仕方ないと覚悟していたが、予想に反して滞在中の体調はバッチリだった。ホッとして、先週トロントに到着した。
ところが、戻った数日後に喉に痛みを感じ始める。これは良くないと、家にあった検査キットを使えば陽性のラインが薄ら浮かび上がっている。残念ながら、いくら薄くても陽性は陽性である。

症状が出た時期から計算して、感染したのはきっとフライトだろう。このタイミングで新型コロナウイルスに感染するなんて予想外だったが、ある意味ラッキーだったのかもしれない。日本で感染していたら貴重な時間を奪われていたし、トロントのプライド直前に更なる免疫を得たかもしれない。うちのパートナーには迷惑をかけてしまうが、二人でまったりイチャイチャ隔離するのも悪くないと勝手に妄想していた。
「それじゃ、寝室で隔離してね」
もちろん、几帳面なパートナーにはあっさり突き放されてしまった。症状が軽いうちなら感染のリスクも少ないかもしれないので、家の中で隔離しても効果があるらしい。そんなわけで、あたしは寝室で窓の外を眺めながら、ずっと時差と退屈さと新型コロナウイルスと戦っている。しかし、文句を言っては悪い。三食と午後のおやつを毎日彼が用意してくれている。本当にありがたい。

今のところ、うちのパートナーは症状もなければ、検査でも陰性である。良かった。
ちなみに、友達の間では新型コロナウイルスに数回感染している人もいて、逆に感染していない方が珍しい。「ついにやられた」と伝えると、決まって「ウェルカム・トゥ・ザ・クラブ」と返される。そんなクラブに招かれても嬉しくないわ。
新型コロナウイルスによるパンデミックも終わったかのような空気が流れているが、今度はサル痘が問題となっている。トロントではサル痘がゲイコミュニティで広がっているようで、今年のプライドでも様々な議論がされるだろうし、偏見や差別の声を強くなりそうだ。サル痘についてはまた別の機会にブログで取り上げたい。
プライドまで後もう少し。とりあえず、今は完治を目指すわ。
ハッピー・プライド!