アーカイブ | 9月, 2011

ベビーオイルはセックスの見方。

22 9月

キャシーって、ずっと乾燥肌とは無縁だったから。

あんまりボディローションとかそういった保湿液のお世話にならなかったの。

それで、カミングアウトしてしばらくして、まだうぶなあたし。

友達の家にやたらベビーオイルが置いてあることに気付いたのね。

あたしの理解では、ベビーオイルって赤ちゃんに使うものだったから。

「ねぇ、これ何に使ってるの?」

不思議に思って、純粋に質問してみたら。

「ほら、ローションって高いから、オナニーとか前戯はベビーオイルで代用してるのよ。凄く気持ちいいわよ?」

って、かなりお口ポカーンなあたし。

こんなに純粋なパッケージに入ってるピュアなベビーオイルなのに。

まさか、みんなそんないやらしいことに使ってたなんて信じられない。

というわけで、さっそくあたしも流されてベビーオイルを一本買ったの。

それからというもの、試そうと思ってもなかなか機会に恵まれず。

オイルもののAVとか見て、気を紛らわしてたわけ。

こちらはキャシーのお気に入りの『ど・オイル』ってビデオ。

“べっとり、ぬっとりオイルSEX”ってキャッチーコピーがもうステキすぎる。

それで、最近彼氏も出来てついに念願のオイルセックスを試すことになったの。

とりあえずオイルがあちこちにこぼれないように、タオルをたくさん敷き。

クッションとか携帯とか、オイルでベトベトにしたくないものも遠くに避難。

そして、お互い裸になったら、準備完了。

容器から直接彼の体にかけると、冷たいので、手の平の熱でゆっくり暖めて。

それからいやらしく彼の体をまんべんなくベトベトにしていく。

基本的にはマッサージしてあげる感じで、じらしながら前戯に持って行くわけ。

最初はベビーオイルに怪訝そうな顔を見せてた彼氏も、とっても楽しんでたわ。

ただ、このままアナルセックスに持ち込むのはだいぶ危険。

コンドームがベビーオイルに触れると劣化して破けやすくなっちゃうの。

もし、アナルセックスを同時を楽しみたい場合は、水性ローションを使うか、ラッテクス製ではない油に強いコンドームがおすすめ。

いつでも安全に、楽しく、セクシーに遊ぶのが大事よ。

ちなみに、ベビーオイルで散々遊んだ後、シャワーを浴びて一緒に寝たんだけど。

お互いのお肌がもうすべすべになってて、朝までずっと抱っこしたわ。

ベビーオイル、なかなか凄いのね。

赤ちゃんのものだけにしておくのは、もったいないわ。

そして、ベビーオイルはキャシーのおもちゃ箱の常連さんになったとさ。

多文化主義は臭いものに蓋をする。

21 9月

先日、彼氏とのデートで映画『The Help』を見てきた。

主演のエマちゃんのあまりの大根役者ぶりに驚いたけど。

脇役たちの名演が光っていて、全体的にはとてもよかった。

この映画は、1960年代の公民権運動時代を扱った作品で。

アメリカのミシシッピー州でメイドとして働く黒人女性の話である。

アメリカで奴隷が解放された100年後、黒人は未だに人種差別に苦しんでいた。

先進的な州では公民権運動が本格化するのとは逆に、この作品の舞台となるミシシッピー州では未だに裕福な白人層が黒人を酷使していた。

白人はアフリカの子供のためにチャリティーイベントを主催する傍ら、自分の家に仕える黒人メイドは汚いという理由で同じトイレさえ使わせなかった。

テレビで公民権運動のニュースが流れても、白人も黒人も、誰も声を上げない。

中でも印象的だったのは、一番の人種差別家である女性が言う台詞だ。

「そんなことをしたら、たちの悪い人種差別家に殺されるわよ!」

この台詞から読み取れるように、黒人を不平等に扱うことは当時人種差別とは捉えられていなかった、または比較的軽いものだと思われていたこと。

暴力や殺人、そんなものだけが人種差別だと考えられていたわけだ。

つまり、彼らには彼らの人種差別が見えていないことになる。

これをもっと簡単に説明すると、こうなる。

100年前は、給料もなく、家も与えられず、人間としても扱ってもらえなかった。

100年後の今、給料ももらえて、家もあって、人間として見られてるんだから。

白人の給料が10倍あったって、白人と同じトイレやバスに乗れなくても。

文句なんて言ったら罰が当たるよ、ということである。

このシーンを見て、なぜかあたしは今のトロントを思い浮かべた。

トロントは多文化が共存している都市として認知されている。

移民へのサポートや、リベラルな政策で、世界で最も暮らしやすい場所の一つとして上位にランクインしているにも確かだ。

しかし、トロントに人種差別がないのかというとそうではない。

非常に見えにくいけど、確かな人種差別は今でも存在する。

キャシーがいつか、新聞のインタビューに答えたときにそれを言ったら。

「こんなに素晴らしい街に人種差別があると文句を言うなんて、少しわがまますぎるんじゃないのか?」

と思い切りネットで批判されたことがある。

トロントの人って、人種差別に敏感に反応する人が多いのだ。

「そんなこと言っちゃダメよ。それ、人種差別よ。」

ってたまに注意をしたりするときも、目をまっ赤にして。

「僕が人種差別をするわけないだろ!」

と真っ向から否定されると、こっちがビックリする。

どうも、人種差別には出来るだけ関わりたくない風潮があるらしい。

多文化主義な街に誇りを持つのは良いが、問題を無視しだすとたちが悪い。

人間は差別をする生き物だ。

これは変えようがないし、私たちは様々な差別と共存している。

大事なのは、それを認識し、先に進もうとすることである。

キャシーだって、気付かずに失礼なことを言うことが多々ある。

そんなとき、運が良ければ正してくれる人がいて、学ぶことが出来る。

そこで心を閉ざして、自分を正当化するのは親切に正してくれた方に失礼だ。

そんなトロントは、差別を認識するよりも、頑固に正当化する方に傾いている。

「トロントってこんなに多文化が共存していて、あなたが来た国とは比べ物にならないほどステキな場所じゃない?」

とそんなことを言う人はたくさんいるけど。

「トロントは多文化が共存しているが、移民に対するサポートも、人種差別に関する取り組みも、まだまだ足りない部分がある。」

と言える人は意外と少ない。

ポジティブな面も、ネガティブな面も、共に考える必要があるのに。

ポジティブな面だけを強調して、臭いものには蓋をするのは停滞の証である。

そんな表面的な“人種差別のない街”は、この映画の舞台となった1960年代のミシシッピー州とそんなに変わらない。

トロントに来て、50点満点の生活が80点満点になったけど。

100点を目指すには、見えない天井があってこれ以上は上に行けない。

でも他の人が100点満点を取れるなら、自分もそれを目指したいのは普通でしょ?

その権利を否定されて、文句も言えないなら、人権法はただの飾りね。

トロントの見えない天井はいつ壊れるのかしら。

カトリック教高校のゲイクラブ禁止令。

20 9月

キャシーがやっと自分をゲイとして認めたのは大学4年生のとき。

高校時代を思い出すと、あの時に自分を助けてくれる存在がいたらと思う。

今の仕事で若いゲイ、レズビアン、トランスの子たちのために働いていると。

自分の仕事が彼らの人生を変えたかが目に見えてわかる。

そんな北米では、ゲイストレートアライアンス(GSA)というものがある。

 

基本的には高校の学生や教員が自主的に立ち上げるものだが。

トロントの高校では、学校自体からサポートされているグループも多い。

このGSAは、いわばゲイクラブやLGBTグループのようなもので。

ゲイ、レズビアン、トランスや彼らを支持するノンケの学生が参加する。

みんなで一緒に映画を見たり、ゲイタウンに出かけたりと、活動は様々。

こんな小さなグループでも、あるのとないのではまったく事情が違う。

高校時代のあたしは自分以外のゲイをネットを通してしか知らなかったんだけど。

ネット上のゲイって、出会い系にしても基本的にセックスが中心じゃない。

だから、ゲイの友情とか、ゲイの日常ってものなんてないと思ってたの。

もし、あたしの高校にこんなグループがあったなら。

キャシーはもっと早くゲイの友達に出会えていたかもしれないし。

高校時代をもっと有意義に過ごせて、きっと違う人生があったかもしれない。

言いたいことは、こういったグループって本当に大きなサポートになるってこと。

だから、トロントのGSAがここまで活発だって知ったときは嬉しかったの。

今年、GSAに参加している高校生たちが集まって、大きな行列を成してトロントのプライドパレードを誇らしげに歩いた。

こんな風に政治的なイベントに若者が積極的に参加したのは今年が初めて。

なぜかといえば、トロントのお隣さんのミジサガ市のカトリック教高校がGSAに対して禁止令を出したからだ。

カトリック教高校は、反同性愛のカトリック教会に運営されているわけで。

「こうしたゲイ関連のグループは宗教上の理由で許可できない。私たちの高校ではセクシュアルマイノリティの生徒にも十分なサポートは用意している。」

とそんな声明を出し、既に活動していたGSAたちがつぶされる形となった。

ちなみに、カトリック教会が言っているこの“十分なサポート”とは。

“Cure Gay(ゲイの治療)”というプログラムのことである。

「ゲイは罪深いものである。神様を信じて、ゲイを治しましょう」

と、きっと彼らはこうゲイの生徒に教えることになるわけだ。

この団体の会員で、ゲイを“治した”方々は、EX-GAY(元ゲイ)と呼ばれている。

これがサポートなのかはあえて議論しないわ。

この問題に関して、コミュニティを巻き込んで活動してる高校生たちが数人いる。

彼らと話を交わしたことがあるけど、若いのに本当に芯が強い子たちだったわ。

少なくともあたしが高校生の頃なんかより、全然しっかりしてるわね。

高校生で、カトリック教会に喧嘩を売るなんて、本当に見上げちゃう。

そんなカトリック教高校からすれば、もちろんこれは面白くないわけで。

「ゲイを問題にしない、一般的な社会的平等を目指す、そして学生が自治しないグループなら立ち上げてもいいよ。」

とめちゃくちゃな条件を差し出すけど、もちろん彼らはそれじゃ満足しない。

ちなみに、そのカトリック教高校は彼らにこれ以上GSAに関する活動を続ければ処分を下すと発言し、事態は深刻化している。

オンタリオ州政府は、オンタリオ州のすべての高校でGSAを立ち上げることを許可しているわけで、彼らは何も間違ったことをしてないのよね。

カナダの人権法にも“宗教”と並んで、“性的指向”が同じ土俵に乗っているわけで。

カトリック教高校が勝つのか、高校生たちが勝つのか、あたしもわからないわ。

あたしの知り合いの高校生は別のカトリック教高校に行ってるんだけど。

「あたし、学校を説得してキャシーを招待するから、みんなにどれだけこの問題が大切か言ってやって。」

って言ってくれて、あたしは素直に彼らの情熱に感動しちゃったわ。

来年のプライドにかけて、きっとこの戦いは加熱していくと思うので。

ハッテン車窓ブログでも随時どうなったか紹介するつもりよ。

もっとこの問題について知りたい方は、こちらの記事へ。

LGBTの“B”もコミュニティの一員。

19 9月

人生、白と黒で物事がシンプルに成り立っていれば楽なんだろうけど。

実際はとてもカラフルで複雑、だからそこワクワクするんだけどね。

しかし、人って“オトナ”になるにつれて色を見ることを怠るようになる。

だから、白と黒の箱に物事を分類できれば、それに越したことはない。

本当の色はどうあれ、社会はいつも白と黒に分けちゃうのだ。

「男」「女」

「大人」「子供」

「日本人」「外国人」

社会の中の白と黒の箱は数えきれない。

ゲイコミュニティもそんな白と黒の箱からはみ出た存在なんだけど。

そんなカラフルなはずのゲイコミュニティでも、白と黒の箱は存在する。

「ノンケ」「ゲイ」

こんな簡単に社会を分けちゃう人がゲイの中にはたくさんいる。

でも、それじゃいろいろと忘れていませんか?

例えば、バイセクシュアル(バイ)はどこ?

バイとは、両性愛者のことで、男も女もイケる方のこと。

省略形であるLGBTの3文字目の“B”であるにも関わらず。

バイはゲイコミュニティにはあんまり歓迎されていない存在である。

バイが好まれない理由は多々あるけど。

一番の原因はどっちつかずだと思われているから。

「バイって、ゲイだって認められない人の言い訳でしょ?」

「ゲイのくせに、マンコが好きとか気持ち悪い。」

「バイって、ゲイよりマシだとか思ってるに違いないわ。」

こんな暴言は平気でゲイコミュニティを横行しているわけで。

実際にバイの人の多くは面倒くさいから“ゲイ”だって通して生活している。

カミングアウトして辿り着いた場所で、違うクローゼットに入るわけだ。

だから、一見するとゲイコミュニティにバイは全然いないように思える。

唯一バイをたくさん確認できる場所は、ゲイの出会い系サイト。

それもバイの方が“男らしい”って思われてるからって理由で。

モテたいがためにバイだって宣言しちゃう人が多いから逆にたちが悪い。

実際、100%のゲイやノンケの人なんてほんのわずかで、みんな多少はバイ。

そんな風にセクシュアリティってもっと柔軟なものだとあたしは考えている。

キャシーでも可愛い女の子にドキっとすることがあるのよ?

そんなトロントのバイコミュニティは、この現状を改善するために。

こんなステキなバイのポスターキャンペーンを発表した。

妊婦の方が、LGBTの“B”をTシャツに誇らしげに掲げた写真はインパクト大。

“これは私のコミュニティだ。なぜなら、私はバイだから、たとえあなたにとって私がノンケに見えるとしてもね。”

というメッセージは、とても切実。

このキャンペーンがどのような結果をもたらすのか、今から楽しみだ。

人口70億人弱が暮らす世界で、そもそも人を白と黒の箱に押し込めやしない。

人それぞれに、人それぞれのカラーがあって、それは尊重されるべきである。

そう考えてみると、白黒ハッキリな“オトナ”になるよりはカラフルな色たちが見える感性豊かな子供のままでいいと思ってしまう。

ゲイのアナルと痔と肛門ガン。

18 9月

母のトロント訪問でストレスが溜まってしまったのか。

彼氏が出来て、独身時代よりセックスの頻度が上がったからか。

それとも、年齢的にいろいろ出て来る時期なのか。

ある日、シャワー浴びてたとき。

いつものように肛門を念入りに洗っていたわけよ。

そしたら、何かがおかしいのよね。

アナルに勃起したモノが指に当たるわけ。

「ひゃだ!あたしにもついにクリトリスが生えたのかしら?」

とかアホなことを考えつつ、その“クリトリス”を指で確認するあたし。

あれ?

キャシーったら、痔になっちゃったんじゃ?

いやいや。笑えないから。

とりあえず、彼氏に電話。

「ねぇ、痔になっちゃったかも。どうしよ。」

と、交際2ヶ月弱でも遠慮も恥もないキャシー。

とりあえず、いろいろ調べてみると、どうやら痔の初期症状のようだ。

とりあえず、塗り薬で収まるだろうということで。

彼氏と一緒に薬局に痔のお薬を買いに行きました。

「すみません。痔によく効く薬ありませんか?」

告白したときよりも勇気を降り出して、店員さんに訪ねたあたし。

お勧めされたのは、アヌソルといういかにも痔のお薬っぽい塗り薬でした。

(アヌソルって名前で爆笑できるあたしって…)

さっそく家に戻って、少し悪化してる痔にアヌソルを塗るあたしたち。

「あんたいつも突っ込んでるんだから、塗るの手伝って!」

「ってか、もう代わりに塗って。」

と、交際2ヶ月弱で痔のお薬を塗らせられる彼氏。

「確認したいから、写真も撮ってくれない?」

と、次々無理難題も言い渡される彼でした。

キャシーからしたら、痔になっちゃうなんてインポになるのと同じ。

まだまだ花盛りな年頃で、お尻も開花中なのに、こんなことになるなんて。

こんな痛みを味わうなら、もうアナルセックスなんて一生したくないわ。

なんでアナルってこんなにデリケートなのかしら。

キャシーは水分も食物繊維はたくさん摂取しているし。

ゲイの秘密兵器、粉末食物繊維だって毎日欠かさず飲んでるのよ?

(これ飲むと、ウンコがつるつるになって、直腸も肛門も汚れません。)

そういえば、最近発表された研究で怖い話もあったわね。

男性同性愛者、がんになる割合が高い可能性

この記事によると。

“成人した後にがんと診断されたことのある人の割合は、男性同性愛者が男性異性愛者の1.9倍だったという。女性の同性愛者と女性の異性愛者との間では、こうした差異はみられなかった。”

昔なら、HIV/AIDSがゲイのガンと呼ばれていたこともあったが。

今度はゲイの間で肛門ガンに注目が集まっている。

こっちの記事によれば、ゲイは一般層より35倍も肛門ガンになりやすいとか。

HIV、性感染症、痔、さらにガン。

ゲイのアナルは本当に危険に晒されてるわね。

これだけ怖い話も並べると、もうセックスが自殺行為に見えちゃうんだけど。

それでも、セックスが大好きであることに変わりはありません。

結局、健康っていうのは先が読めないことの方が多いんだから。

怖がって何もしないよりは、正しい情報を認知して上手に対応するべき。

短い人生なんだから、こんなことで凹んじゃダメよね。

そんなキャシーは痔の治療に専念して。

腫れ上がった“クリちゃん”もキレイに無くなりました。

もちろん、懲りずにこれからもアナルセックスは嗜むわよ!

ゲイと彼氏と母の気まずいランチ。

12 9月

キャシーママの訪問の話、もう少し続きます。

話について行けない方は、『母の訪問に緊張するゲイ。』『ゲイが母に彼氏を紹介するぞ。』を先に読んで下さい。

それでは話の続きに戻ります。

母を彼氏に紹介しようと、一生懸命にプランを練ったキャシー。

しかし、思い通りに舵を切れないのが人生です。

とりあえず、母がトロントに着いた数日は、時差もあるので様子を見るあたし。

観光しつつ、美味しいレストランに連れて行って、まずは親孝行。

母の時差も戻り、少し余裕が出たあたりでアルバムを持ち出したあたし。

一緒にアルバムをめくりながら、トロントであった話をしつつ。

「ねぇ、この前彼氏ができたって言ったじゃない。この人だよ。」

って計画的に母に彼氏の写真を見せて、話題に無理矢理ねじ込むあたし。

母に悟られまいと、冷静に装いつつも、心臓はバクバク。

顔色を伺いつつ、いったいどんな風に反応するのかを緊張しつつも見守る。

「あら、可愛いじゃない。」

と、キャシーの心配をよそに、まったく動じない母。

そこで会話が終わるのかと思いきや、いろいろ彼のことも聞いてきて。

胸を撫で下ろして、やっとずっと続いた緊張から解されました。

「週末にあたしの友達と彼も交えて一緒にディナーとかどう?」

って母を次のステップに誘ってみると。

「いいわよ。」

と、二つ返事でオッケーした母。

このまま行けば、ついに母に彼氏を紹介できちゃう。

と思っていたのもつかの間、変に油断したキャシーは自ら大失敗を犯す。

ディナー当日に、朝早くから下らないことで母と喧嘩になったんです。

昔からお互い頑固な性格なので、喧嘩はかなり頻繁にするんだけど。

3年も別々に生活してたせいで、お互いのスイッチを忘れて喧嘩はそのまま炎上。

「そんな悪態つくなら、もう今夜のディナーは行かないから。」

と、ついに最後の切り札に母が約束のディナーをキャンセルしちゃったの。

一度決めたことはなかなか曲げない母、しかたなくディナーは諦めました。

やっとここまで漕ぎ着けたのに、このままでは悔しいので。

母がトロントを発つ直前に、もう一度勝負に出たあたし。

「うちの彼氏がランチご馳走したいって言ってるけど、どう?」

こんな感じでさりげなく、切り出してみたんです。

もちろん母は来てくれるということで、今回は何が何でも喧嘩は我慢。

そして、そのランチに行く日になって、母が意味深に聞いてきました。

「ねぇ、今日会う“彼”って恋人なわけ?」

少しポカーンとしたあたし。

「え?ずっと前からそう言ってるじゃない。」

母はもう少し考え込んで。

「じゃ、他の“友達”たちとはセックスはしてないの?」

と、さらにかなり露骨な質問をしてくる。

「いやいや、他の友達はセックスなしの友達で、今セックスをしているのはこの彼だけで、真剣にお付き合いしてるの!」

ってもう一度わかりやすく説明しました。

どうやら、彼女はキャシーが紹介した友達をみんなセフレだと勘違いしていたみたいで、息子がヤリマンじゃないとわかったのか、安心した感じの母だった。

お母さん、たとえ彼氏がいたって、キャシーは永遠のヤリマンよ。

肉便器万歳!

カミングアウトして3年も経って、未だにこんな誤解があるなんて。

親子のコミュニケーションは難しいなと感じつつ、こうして理解を深められるオープンな会話を出来るのは大きいなと心底痛感しました。

で、肝心のランチはどうなったのかというと、予想以上に平和に終わったんです。

意外とすんなり打ち解けた母とうちの彼氏。

彼からプレゼントをもらって、ランチまでご馳走になった母は。

「なんでもっと早く教えてくれなかったのよ!こっち何も用意してなくて恥かいちゃったじゃない。」

とキャシーに理不尽な文句を言ってくる始末。

ずっと前から言ってたんだけどな。

まぁ、何はともあれ、母はランチの後嬉しそうにしてました。

「彼優しそうね。ちょっとぽっちゃりしてて可愛いわね。いつ知り合ったの?何ヶ月付き合ってるの?」

と、質問攻めにされたあたし。

やはり母親はこうなっちゃうのか、仕舞には。

「あたしがトロントでマンション買うお金貸してあげるから、2人でローンを返しながら住んだら?」

と、気がだいぶ早くなってて、怖くなったキャシーでした。

お母さん、あたしたちまだ付き合って2ヶ月も経ってないんだけど。

個人的に、母に彼氏を紹介するのは人生の一大行事だったんだけど。

終わってみると、意外とあっさりしてたわ。

トロントに暮らす友達の中でも、両親に彼氏を紹介するのが大変って人が多く。

中には、同棲を始めて数年経つのに、両親はまだ知らないカップルもいます。

「あたしたち、今年結婚するんだけど、まだ両親は知らないの!でも式には招待するつもりよ!」

って強者までいて、目からウロコだわ。

そう考えると、キャシーの母は理解があってラッキーね。

もっと親孝行しなきゃ。

ゲイが母に彼氏を紹介するぞ。

11 9月

そんなわけで、トロントにいるキャシーを初めて訪ねに来た母。

有給も取って、部屋も片付けて、あれもこれも手配して、用意周到のあたし。

今回の母滞在中に、どうしてもやりたかったことがあったんです。

母と彼氏と、3人でお食事をすること!

なぜかというと、母の様子がどうもおかしいのよ。

少し前に電話したときに、一応教えてあげようと思って。

「お母さん、少し前に真剣に付き合っている人ができたよ。」

って、さらっと言ってみたのね。

「でもあんた、電話する度に付き合ってる男が変わるじゃない。」

と、なかなか鋭い母。

「いや。いつもは確かに男とっかえひっかえしてたし、数人の男とセックスだけの関係を持ってたときもあったけど、今回は彼一人としかお付き合いしてないわよ。」

って、キャシーもキャシーなりに説明したんだけど。

「さぁね。」

とさらっと流されちゃったわけ。

ほら、キャシーって今までまともに付き合ってたことなかったじゃない。

もしかしたらだけど、母の中ではまだキャシーがゲイであることはあくまで“軽い遊び”という認識があるのかもしれない。

それでは、将来的に困ってしまうので、そこらへんをハッキリさせたかったの。

カミングアウトは一夜にして成らず。

でも、いきなり彼氏を紹介してのお食事は気まず過ぎるので。

ここはゆっくりステップを踏んで、彼を紹介しようと思ったの。

ステップ1:母にさりげなく彼の写真を見せて、一緒に食事をしようと誘う。

ステップ2:彼氏と友達のカップルも誘って、母と5人で食事をする。彼氏を紹介しつつ、ゲイでも真剣なお付き合いができることを母に理解させる。

ステップ3:最後は彼氏と母と、3人でお食事。

もちろん、レストランはトロントでも有名なフランス料理とタイ料理を予約。

この完璧なプランで、母もイチコロでしょ!

さて、そんなに簡単にことが運ぶのでしょうか。

先日、恋人の両親に会うことをネタにしたコメディ映画を見て。

正直、楽しみなのか、怖いのか、それともただ緊張してるのか、とても息苦しいです。

何も悪いことしてないけど、家庭訪問前のような感じだわ。

まぁ、どう転んでもこの映画のような惨劇にはなりませんように。

『ミート・ザ・ペアレンツ』、おすすめです。