三段腹のゲイだって美しい

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.6 三段腹のゲイだって美しい

今年のトロントは蒸し暑くて、上半身裸の素敵なお兄ちゃんをあちこちで見かける。キャシーも毎朝汗だくで出勤してるものだから、たまには上半身裸になってゲイタウンを颯爽と歩きたいんだけど、そんな夢は自分の三段腹を擦りながら諦める。

ゲイとして生きていると、実は肉体美に対するプレッシャーが凄く強い。腹筋が割れたマッチョなお兄さんがそこら中にゴロゴロしていれば、三段腹の居場所もなくなる。ゲイなら、こまめにジム通いして肉体磨きをするのが当たり前で、ゲイパーティなんかに行くと、みんな雄孔雀のように磨き抜かれた肉体で求愛ダンスを見せつけ合うのだ。

しかし、アイスクリームやチョコレートを断つには人生は短すぎる。だから自分はいつも男子より団子を選んでしまう。そんな太りそうなものをよく食べるキャシーは、周りのゲイから“不健康”だとよく冷たい目で見られる。でも実際のところ、そんな下らない肉体美のおかげで摂食障害や鬱になっちゃうゲイも多いわけで、実際どっちが“不健康”なのか一概には言えない。社会の“普通”からはみ出したゲイを受け入れてくれるはずのゲイコミュニティで、こんなにプレッシャーを感じるのは皮肉である。

このシビアなゲイコミュニティを生き抜くためには、自分に自信を持つことが大事。他人に流されて、行きたくもないジム通いで手にした肉体美は本当の自信をくれない。社会の“普通”からはみ出す勇気があるなら、ゲイの社会の“普通”からもはみ出せる強さが必要だ。そうして培った内面的な強さは、表面的な肉体美よりずっと大切。キャシーもいつか、三段腹でゲイタウンを爽やかに歩けるような自信を身につけるわ。

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