婚約ほやほやレズビアン

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.96 婚約ほやほやレズビアン

友人のレズビアンカップルがついに婚約をして、お祝いをしようと集まった席では肝心の二人よりも周りの方が数倍興奮していた。同性婚に踏み切るカップルは少なくないとはいえ、やっぱり身近な人の間では未だに珍しい。もちろん、みんなはプロポーズのいきさつが気になって仕方がないようだった。

「男性から女性に一方的にプロポーズにする習慣なんて忘れて、お互いにしちゃった!」と彼女たちは薬指に光るダブルエンゲージメントリングを見せてくれた。フランス語圏のケベックに小旅行に出かけた彼女たちは、旅先で2回もプロポーズを楽しんだ。一人は、ルームサービスを頼んで、ホテルのベッドでプライベートな朝食を演出して、そのフルーツの盛り合わせの中にこっそりエンゲージメントリングを隠してプロポーズをして、もう一人は、おしゃれなレストランのテラスにマリアッチバンドを招いて、周りで食事をしていたみんなの前でプロポーズをした。そんな虫歯になりそうな甘ったるい話のおかげか、シロップが染み込んだフレンチトーストもいつもより美味しく感じた。

ここまでラブコメに出てきそうな完璧なカップルに聞こえる彼女たちだが、世間で騒がれる結婚文化にはそうとう疎いらしい。婚約した途端に周りから「婚約写真は撮った?」とか「式場はもう予約した?」と怒涛の期待を受けて、少し途方に暮れているという。自分たちが下した決断の重さを今になって感じているようだった。結婚は大事だ。伝統や習慣に加えて、「するべき」こともたくさんあって、足元見られてはお金が飛んでいく。今までかやの外にいた同性カップルたちももう例外ではない。「周りの声は無視して、結婚式までマイペースに楽しむよ。私たちの愛を祝福できればそれでいいからね。」そう宣言する彼女たちの結婚式が楽しみだ。

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