ゲームの中でも同性婚がしたい

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.71 ゲームの中でも同性婚がしたい

日本が誇る任天堂の人気ゲーム『トモダチコレクション』が北米で発売されて、ゲームの中で同性婚ができないと大きな騒ぎになっている。好きなアバターを作って仮想の人生を楽しむ本作は、実際の家族や恋人、友達のアバターを登録して遊ぶ人も多い。周りにストレートしかいない人ならともかく、キャシーがこのゲームで遊べば、周りのゲイ友達や彼氏だけでなく、自分まで異性と結婚するはめになる。別にゲームで女性と結婚をするのはかまわないが、やはり同性愛が存在しないのは寂しい。だから同性婚の選択肢がないことを知った時点で買うのはやめた。様々なセクシュアリティが当たり前にゲームの中の選択肢としてある北米での発売において、任天堂はそれが問題になると予想できなかったのか。案の定ネット上で同性婚の追加を求める署名運動が炎上し、対応せざるを得なくなった任天堂は「このゲームを通して社会的見解を示す意図はない」と主張し、同性婚の追加を拒否した。たかがゲームの中であろうと、同性愛者の存在を無視したこと自体が社会的見解を立派に示していると気付いてないのだろうか。

歴史の中で同性愛者は社会に「いない」ことにされ続けてきた。そうやって実際に生きている人々の存在を無視するのは暴力以外の何者でもない。勇気ある人々の努力によって社会は今や様変わりして、いつまでも同性愛を無視できなくなった。日本では「いない」ことが通用しても、北米ではそうはいかない。国際展開をしている日本企業がそれを軽視しては、企業イメージに傷がつく。状況を重く見た任天堂は謝罪した上で将来のゲーム作りに多様な性を反映させると約束した。最後まで『トモダチコレクション』に同性婚が追加されることはなかったが、今からスーパーゲイマリオの発売が待ち遠しい。

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