ゲイとストレートと、同棲のタイミング

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.70 ゲイとストレートと、同棲のタイミング

ゲイとストレートじゃ同棲のタイミングが違うらしい。付き合って半年で彼氏に同棲の話を持ちかけた自分の場合、同棲したかったというよりは当時住んでいたアパートを出たくても経済的な余裕がなくて、二人の収入を足せばずっといい物件に手が届いたからだ。そんなロマンチックのかけらもなくドライに同棲を始めた私たちに限らず、どうやら付き合って1年以内に同棲を始めるゲイカップルは珍しくないようだ。一方で、周りのストレートカップルの話を聞けば付き合って数年は同棲をしないケースが多い。特に保守的な家庭で育った女性の場合、家族が同棲を許してくれなかったり、下手すれば結婚するまで同棲しないこともあるそうだ。同棲に限らずストレートの恋愛は進行が遅いようで、さっさと同棲してしまうストレートカップルは「ゲイスピードの恋愛」と呼ばれるらしい。同棲のタイミングといえば、ふとレズビアンにまつわるジョークを思い出した。「レズビアンのセカンドデートは引越し」というフレーズは映画やドラマでもよく使われ、あまりにも有名だ。いわばレズビアンの恋愛は超スピード展開で出会った瞬間から同棲という失礼極まりない勝手な言いがかりである。

ここまでステレオタイプを散々並べておいてこんな結論を言って申し訳ないが、同棲のタイミングは個人差によるところが大きい。ゲイとストレートで文化の違いはもちろんあるが、それよりもその人の価値観や経済力、それぞれの恋愛の形によってすぐ同棲するカップルもいれば、じっくり待つカップルもいて、生涯同棲しないカップルもいる。生きている時代や場所でも同棲のタイミングは移り変わる。100年後には、社会の立場がひっくり返って、「ストレートスピードの恋愛」なんてスラングが登場するかもしれない。

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