ソチオリンピックが控えたロシアで起きていること

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.52 ソチオリンピックが控えたロシアで起きていること

2014年にロシアで開催される予定のソチオリンピックが今大きく揺らいでいる。先週末にはトロントのロシア領事館前に数百人が集まってデモが行われ、世界各地でウォッカのボイコットが始まり、ソチオリンピックの主催地変更を支持する声も大きくなってきた。なぜかといえば、ロシアが“ロシアの子供を守る”ために反同性愛政策に乗り出したからである。

10年前にレズビアンを全面に押し出したアーティスト、t.A.T.u.を生み出したロシアは今、現在進行形で日に日にゲイにとって住みにくい国になっている。今年ペテルブルクであったプライドパレードでは多くの参加者が負傷し、逮捕者まで出た。ゲイの青年たちは過激派のネオナチに拷問され、ネット上で家族や友人に強制カミングアウトをさせられ、自殺に追い込まれた人までいる。もしあたしが明日ロシアに行き、公共の場でパートナーと手をつなげば逮捕される可能性だってある。同性愛者をオープンに支持するマドンナやレディ・ガガでさえロシアで公演した際には逮捕されそうになったくらいだ。トロントに住んでいるとにわかには信じがたいニュースが毎日届く。そんなロシアでオリンピックを開いては、同性愛者と公言しているアスリートはどうなるのか。

1936年、ユダヤ人差別政策真っ只中のナチスドイツでヒトラーはベルリンオリンピックを開催し、その成功に後押しされてホロコーストという歴史的惨事が起きた。今の同性愛者差別政策を押し進めるロシアと来年に控えたソチオリンピックはそれと少し被って見えなくもない。何を隠そう、ホロコーストでは同性愛者も迫害の対象だった。歴史は繰り返されるというが、こんな惨事は繰り返されるべきではない。

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