「ゲイって治るの?」

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.49 「ゲイって治るの?」

「ゲイって治るの?」自分がゲイだということを母に伝えた後に、彼女は真顔でそう聞いてきた。

中学生になり、自分がゲイだという確信を日に日に強く感じるようになった頃、保健体育の教科書で「思春期に同性に惹かれるのは一時的なもの」だと読んだ。それを信じて、高校生の頃には女性と交際をしてみても違和感以外何も感じることはなかった。大学に入ってもそんな感情は消えず、何度押し殺そうとしてもなくなることはなかった。あの頃、もし誰かから「ゲイを治してあげる」と言われたら、きっと喜んで治していただろう。しかし、 頭のどこかでは既にどうしようもない部分だとわかっていた。結局、ありのままの自分を受け入れるしかなかったのだ。

あれから数年経って、「治った」のは私ではなく、同性愛に嫌悪感を抱いていた母の方だ。嬉しいことに、彼女は私をありのままの人間として受け入れた。同性愛矯正キャンプや電気ショック治療に送られなくて運が良かったとも言える。冗談に聞こえるが、自分の子供を“治す”ためにそんなことをする親は今でもいる。同性婚まで認められている南アフリカでは、ゲイ矯正キャンプに送られた子供たちが虐待され亡くなったと最近大きなニュースにもなった。ここまで来ると、「ゲイは治る」と信じて必死になっている人たちの方が狂気じみているように見える。先日、世界中に支部を持つ同性愛を“矯正”するクリスチャン団体が解散し、世界中の同性愛者たちに向けて謝罪をした。30年間以上もゲイを矯正しようと励んだ彼らがあきらめたわけだ。「治る」べきなのは、ゲイである私たちではなく、それを受け入れられない社会の方なのかもしれない。でも、ゲイ嫌いって「治る」の?

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