“痛い人”のためのプライドパレード

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.48 “痛い人”のためのプライドパレード

「プライドパレードって露出狂の痛いゲイが白昼堂々踊り狂いたいだけの意味ないお祭りでしょ?」プライド月間の6月になると、そんな心ない言葉を聞いたりする。あながち“露出狂”の部分は間違ってはいないのかもしれないが、そんな否定的な言葉でプライドパレードを片付けてほしくはない。

6年前の夏、東京プライドパレードを初めて歩いた。まだ自分がゲイであることを受け入れたばかりで、徐々にカミングアウトしていた時期だっただけに、東京の繁華街をプライドパレードと共にマーチしながら体に電撃が走ったような衝撃を覚えた。思春期の頃から「自分はどこか間違っている」という重い石を心に抱いて、必死で隠しながら生きて来た自分にとって、ゲイとしての誇りを掲げて人前を歩いたあの日は目の前に光が差し込んだ瞬間でもあった。生まれて初めて「ありのままの自分として生きてもいいんだ」と感じた。両親や友達、学校からも得られなかった自己肯定感をやっと手に入れた。10万人以上の人が歩くトロントプライドでは、どれだけの人がそうやって励まされるか考えてみてほしい。

キャシーがこうやって一生懸命に説明しても「アソコがモロだしの裸のお爺さんや派手に着飾ったドラァグクイーン、レザーで身を包むSM野郎のような痛い人たちは励ましなんかいらないでしょ?」と引き下がらない人もいる。一度きりの人生を謳歌したいだけの健気な人たちをそんな否定的な目でしか見れないのは、きっと自分の人生を楽しめてない証拠だろう。そんな頭の固い人の相手をするよりも、もうすぐやってくるプライドパレードの日に備えて気合いの入ったコスチュームの用意でもするわ。

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