ハッキリ“NO”と言うゲイ

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.34 ハッキリ“NO”と言うゲイ

ゲイの世界はとてもシビアだ。週末のクラブに集まる男たちには、一秒たりとも無駄にする時間はない。思わせぶりな態度や曖昧な返事ばかりでは、誰も獲物にありつけない。興味がない人からアプローチされたときは、ハッキリと“NO”と言うことこそがお互いを気持ち良くさせる秘訣でもある。

「ハッキリ断ったら、ひどい人と思われちゃう」とか考える人も多いが、その気もないのにダラダラと返事を先延ばす方が実に意地が悪い。振られるのを待つ間に、相手はもっと良い人に出会う可能性だってあるし、何より身勝手な自己満足で人の時間を無駄にするのはとても失礼なことだ。最初から断ればトラブルも少なくて済むのに、興味のない人からのご飯の誘いになんとなく行ってしまう人は多い。そのままデートを重ねて、いつの間にか断り辛い状況にハマっては苦痛も倍増だ。キャシーも罪深きゲイで、いつか誕生日に豪勢なディナーとシャンパンを用意してくれた人を、その夜に振る羽目になった。あんな嫌な思いはもうしたくもないし、させたくもない。もちろん、ハッキリ断るのは相手のためだけではなく、自分のためでもある。実際のところは知らないが、トロントには「日本人はおとなしいから強引にアプローチすれば簡単に落ちる」なんてステレオタイプまである。だからこそ、しつこい人には、これでもかというくらいに断っておこう。押しに負けて、好きでもない人と夜を共にする結末だけは避けたい。

この社会、“良い人”になりたい人が多過ぎる。自分を押し殺して“YES”ばかり言っても、誰の得にもならない。一度しかない人生、つまらないことで時間を無駄にするより、自分が好きなことに時間や労力を費やすべきよ。

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