ゲイと彼氏と母の気まずいランチ。

キャシーママの訪問の話、もう少し続きます。

話について行けない方は、『母の訪問に緊張するゲイ。』『ゲイが母に彼氏を紹介するぞ。』を先に読んで下さい。

それでは話の続きに戻ります。

母を彼氏に紹介しようと、一生懸命にプランを練ったキャシー。

しかし、思い通りに舵を切れないのが人生です。

とりあえず、母がトロントに着いた数日は、時差もあるので様子を見るあたし。

観光しつつ、美味しいレストランに連れて行って、まずは親孝行。

母の時差も戻り、少し余裕が出たあたりでアルバムを持ち出したあたし。

一緒にアルバムをめくりながら、トロントであった話をしつつ。

「ねぇ、この前彼氏ができたって言ったじゃない。この人だよ。」

って計画的に母に彼氏の写真を見せて、話題に無理矢理ねじ込むあたし。

母に悟られまいと、冷静に装いつつも、心臓はバクバク。

顔色を伺いつつ、いったいどんな風に反応するのかを緊張しつつも見守る。

「あら、可愛いじゃない。」

と、キャシーの心配をよそに、まったく動じない母。

そこで会話が終わるのかと思いきや、いろいろ彼のことも聞いてきて。

胸を撫で下ろして、やっとずっと続いた緊張から解されました。

「週末にあたしの友達と彼も交えて一緒にディナーとかどう?」

って母を次のステップに誘ってみると。

「いいわよ。」

と、二つ返事でオッケーした母。

このまま行けば、ついに母に彼氏を紹介できちゃう。

と思っていたのもつかの間、変に油断したキャシーは自ら大失敗を犯す。

ディナー当日に、朝早くから下らないことで母と喧嘩になったんです。

昔からお互い頑固な性格なので、喧嘩はかなり頻繁にするんだけど。

3年も別々に生活してたせいで、お互いのスイッチを忘れて喧嘩はそのまま炎上。

「そんな悪態つくなら、もう今夜のディナーは行かないから。」

と、ついに最後の切り札に母が約束のディナーをキャンセルしちゃったの。

一度決めたことはなかなか曲げない母、しかたなくディナーは諦めました。

やっとここまで漕ぎ着けたのに、このままでは悔しいので。

母がトロントを発つ直前に、もう一度勝負に出たあたし。

「うちの彼氏がランチご馳走したいって言ってるけど、どう?」

こんな感じでさりげなく、切り出してみたんです。

もちろん母は来てくれるということで、今回は何が何でも喧嘩は我慢。

そして、そのランチに行く日になって、母が意味深に聞いてきました。

「ねぇ、今日会う“彼”って恋人なわけ?」

少しポカーンとしたあたし。

「え?ずっと前からそう言ってるじゃない。」

母はもう少し考え込んで。

「じゃ、他の“友達”たちとはセックスはしてないの?」

と、さらにかなり露骨な質問をしてくる。

「いやいや、他の友達はセックスなしの友達で、今セックスをしているのはこの彼だけで、真剣にお付き合いしてるの!」

ってもう一度わかりやすく説明しました。

どうやら、彼女はキャシーが紹介した友達をみんなセフレだと勘違いしていたみたいで、息子がヤリマンじゃないとわかったのか、安心した感じの母だった。

お母さん、たとえ彼氏がいたって、キャシーは永遠のヤリマンよ。

肉便器万歳!

カミングアウトして3年も経って、未だにこんな誤解があるなんて。

親子のコミュニケーションは難しいなと感じつつ、こうして理解を深められるオープンな会話を出来るのは大きいなと心底痛感しました。

で、肝心のランチはどうなったのかというと、予想以上に平和に終わったんです。

意外とすんなり打ち解けた母とうちの彼氏。

彼からプレゼントをもらって、ランチまでご馳走になった母は。

「なんでもっと早く教えてくれなかったのよ!こっち何も用意してなくて恥かいちゃったじゃない。」

とキャシーに理不尽な文句を言ってくる始末。

ずっと前から言ってたんだけどな。

まぁ、何はともあれ、母はランチの後嬉しそうにしてました。

「彼優しそうね。ちょっとぽっちゃりしてて可愛いわね。いつ知り合ったの?何ヶ月付き合ってるの?」

と、質問攻めにされたあたし。

やはり母親はこうなっちゃうのか、仕舞には。

「あたしがトロントでマンション買うお金貸してあげるから、2人でローンを返しながら住んだら?」

と、気がだいぶ早くなってて、怖くなったキャシーでした。

お母さん、あたしたちまだ付き合って2ヶ月も経ってないんだけど。

個人的に、母に彼氏を紹介するのは人生の一大行事だったんだけど。

終わってみると、意外とあっさりしてたわ。

トロントに暮らす友達の中でも、両親に彼氏を紹介するのが大変って人が多く。

中には、同棲を始めて数年経つのに、両親はまだ知らないカップルもいます。

「あたしたち、今年結婚するんだけど、まだ両親は知らないの!でも式には招待するつもりよ!」

って強者までいて、目からウロコだわ。

そう考えると、キャシーの母は理解があってラッキーね。

もっと親孝行しなきゃ。

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