キャシー、トロントに来て気付けば3年とちょっと。
日本離れるまで実家暮らしだったのですが、今では海外で一人暮らし。
考えてみれば、本当に長い道のりを歩いて来たような気がします。
あたしの母といえば、まだ日本に一人で暮らしているわけで。
忙しくて電話ができなかったり、休暇に帰れず、寂しい思いをさせてます。
あたしが頻繁に日本に帰れない代わりに、ついにトロントを訪れることした母。
キャシーからすれば、少し複雑だったわけよ。
久々に母に会えるのは嬉しいし。
自分がトロントで成し遂げたものも見てもらえるのはいいんだけど。
今のキャシーの生活を実際に見て、母がどう受け取るかはわからないじゃない。
いくら母がキャシーがゲイであることに理解があるといっても。
今までこんなに間近でゲイライフを披露したことはないもの。
そんなわけで、必要以上に緊張してしまったあたし。
とりあえず、お部屋だけでもキレイにデコレしようとめっちゃ張り切りました。
キャシー、レズリービルの可愛いベースメントユニットに住んるんですが。
こっちだと地下室の居住スペースはけっこう一般的でも。
日本だと、地下室に住んでるなんてあんまり響きが良くないじゃない。
確かに、ムカデが床を高速で走ったときは今すぐ引っ越そうかと思うけど。
(ベースメントユニットは虫の出現率が異常に高いんです!)
ゲイタウンで暮らして頃より静かだし、けっこう快適なんだから。
ただ、あんまりインテリアに手間をかけなかったあたし。
壁に何もなくて、けっこう殺風景だったわけ。
母があたしが地下室に住んでるとこを見て心臓発作を起こさないよう。
とりあえず、ショックを和らげるにはアートしかないと思って。
友達のアーティストを訪ねて、ゲイゲイしい絵を安く譲ってもらいました。
こちらはゲイゲイしいおじさんと花の前衛的な絵です。
一目惚れして、すぐに譲ってもらうことに。
キッチンから寝室に続く壁にかけました。
こっちは海と空の描写が美しくて、気に入りました。
ただ、もう少しこの男の子のお尻は大きく描けなかったのかしら?
青が映えるので、キッチンにバナナと一緒に並べました。
最後は、キャシーの彼氏が撮った花火の写真です。
実はこれ、付き合う前に初めて二人で花火を見に行ったときで。
彼が最初にキャシーに好意を抱いた特別な日の花火なんです。
ラブラブなとこを見せつけるだけのために、玄関に飾りました。
と、掃除もして、こうして壁も飾ってみると、部屋が見違えるようになりました。
もちろん、いくらキレイな部屋に住んでようと、キャシーの不安は消えません。
果たして、キャシー母のトロント訪問は無事に行くのでしょうか。
続く。