そんなわけで、トロントにいるキャシーを初めて訪ねに来た母。
有給も取って、部屋も片付けて、あれもこれも手配して、用意周到のあたし。
今回の母滞在中に、どうしてもやりたかったことがあったんです。
母と彼氏と、3人でお食事をすること!
なぜかというと、母の様子がどうもおかしいのよ。
少し前に電話したときに、一応教えてあげようと思って。
「お母さん、少し前に真剣に付き合っている人ができたよ。」
って、さらっと言ってみたのね。
「でもあんた、電話する度に付き合ってる男が変わるじゃない。」
と、なかなか鋭い母。
「いや。いつもは確かに男とっかえひっかえしてたし、数人の男とセックスだけの関係を持ってたときもあったけど、今回は彼一人としかお付き合いしてないわよ。」
って、キャシーもキャシーなりに説明したんだけど。
「さぁね。」
とさらっと流されちゃったわけ。
ほら、キャシーって今までまともに付き合ってたことなかったじゃない。
もしかしたらだけど、母の中ではまだキャシーがゲイであることはあくまで“軽い遊び”という認識があるのかもしれない。
それでは、将来的に困ってしまうので、そこらへんをハッキリさせたかったの。
カミングアウトは一夜にして成らず。
でも、いきなり彼氏を紹介してのお食事は気まず過ぎるので。
ここはゆっくりステップを踏んで、彼を紹介しようと思ったの。
ステップ1:母にさりげなく彼の写真を見せて、一緒に食事をしようと誘う。
ステップ2:彼氏と友達のカップルも誘って、母と5人で食事をする。彼氏を紹介しつつ、ゲイでも真剣なお付き合いができることを母に理解させる。
ステップ3:最後は彼氏と母と、3人でお食事。
もちろん、レストランはトロントでも有名なフランス料理とタイ料理を予約。
この完璧なプランで、母もイチコロでしょ!
さて、そんなに簡単にことが運ぶのでしょうか。
先日、恋人の両親に会うことをネタにしたコメディ映画を見て。
正直、楽しみなのか、怖いのか、それともただ緊張してるのか、とても息苦しいです。
何も悪いことしてないけど、家庭訪問前のような感じだわ。
まぁ、どう転んでもこの映画のような惨劇にはなりませんように。