ビデオゲームに癒されるゲイ

2020年に『あつまれ どうぶつの森』がリリースされて本当によかった。新型コロナウイルスでリモートワークになって10ヶ月。今はパンデミックな日常にもう慣れてしまったが、去年は急激な変化にとても動揺していたのをよく覚えている。そんな中で、どうぶつの森の世界に飛び込んで、日課をこなすのが予想以上の癒しとなった。これが思春期の頃にビデオゲームの中に逃避する感覚とあまりに似ていて、まだゲイとしてカミングアウトできずに悩んでいた昔の自分を思い出した。そんなわけで、今回はビデオゲームの話をしたい。

以前、ビデオゲームでLGBTのキャラクターが登場するのは珍しくないと書いたが、この数年でもっとハッテンがあったのよ。人気シリーズ最新作の『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』ではジェンダー・ニュートラルなプレイヤーキャラクターを作成できることで大きな話題になったし、2020年ゲームアワードでゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝いた『The Last of Us Part 2』の主人公エリーはレズビアンで、ディーナという彼女まで登場する。ちなみに、あたしはどっちもプレイしていない(銃で人殺すゲームより、ひのきの棒でスライム殺すゲーム派なのよ)し、これらのLGBTレプレゼンテーションに問題がないわけではない。しかし、こんな大規模なビデオゲームにこうしたオプションやキャラクターが登場するのはやっぱり嬉しい。こうしたLGBTレプレゼンテーションへのバックラッシュも非常に大きく、フェミニズムやダイバーシティでビデオゲームがダメになると批判する声が残念ながら多い。少年やおっさんが美しいヒロインと共に冒険するビデオゲームは山ほどあるのに、飽きないのかしらね。

こうやってビデオゲームという媒体に多様性があるのはとても大切だと思うのよ。自分が子供だった頃はポケモンが発売されたばかりで、ゲームボーイの電源を付けている間は嫌なことを全部忘れられた。限られた乾電池を上手く使って、異世界で次々にチャレンジを乗り越えることで学んだことがいっぱいあった。高校生になって周りの友達が恋愛に夢中になっている中、セクシュアリティに悩んでいた自分は『ファイナルファンタジーX』をプレイしていた。ユウナとティーダの儚い恋愛を眺めながら、自分もいつかこんなキスができるのか真剣に考えていた(水中でキスしたことはまだないわ)。大袈裟に聞こえるかもしれないが、過酷な思春期をサバイバルできたのも様々なゲームに支えられたからである。それだけビデオゲームのようなインタラクティブな媒体はパワフルだと思っている。だから、LGBTのオプションやキャラクターが存在することで肯定されて、救われる人もきっとたくさんいるのだろう。

どうぶつの森の話に戻るが、前作『とびだせ どうぶつの森』で男性を選んでも女性の衣装やアイテムを装着できると喜んでいたが、今作ではさらに自由度が増したのよ。友達の島ではドラァグレース顔負けのランウェイが設置されていて、みんなでオンラインで集まって衣装チェンジを交えつつドラァグクイーンごっこで遊べてしまう。ここまでクリエイティブな空間にうっとりしながら、こんなゲームが自分の子供の頃にあったらと羨ましくなってしまった。

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