HIV予防薬PrEPでゲイセックスのあり方が変わるのか

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第31回、HIV予防薬PrEPでゲイセックスのあり方が変わるのか

数年前、ニュースでHIV予防薬の存在を知った。当初はエイプリルフールのジョークかと思っていたが、今では実際に知り合いが処方してもらっている。このHIV予防薬であるPrEPは直訳すれば暴露前予防投薬という非常に堅苦しい説明になる。要はHIV治療薬であるツルバタをHIV陰性の人に処方し、体内に常に抗HIV薬がある状態を維持し、感染率を下げることだ。ある意味裏技である。重要なのは、これが予防薬であってワクチンではないということ。ここまで読んでコンドームをゴミ箱に投げた人は考え直すべきだろう。近年の研究によってその予防効果は確かに立証されたが、「飲めば安心!」というシンプルなものではない。アメリカでは今年、PrEPが予防薬として推奨されて大きな話題となった。カナダではまだ正式に認可されていないものの、お医者さんを説得して予防薬として処方してもらっている人が最近増えてきている。しかし、高いコストと副作用は無視できないバリアーだ。

このPrEPの登場を喜ぶ人がいる一方で、HIV予防に逆効果ではないかと懸念する人もいる。「予防薬飲んで、みんなコンドームを使わなくなったらどうするんだ!」と声高に叫ぶ人もいる。PrEPの研究に携わっている方から話を聞けば、処方されて飲めば終わりということではない。PrEP使用者は、三ヶ月おきに健康診断とHIV検査をする必要があり、なかなかハードコアである。コンドームを使わなくなるどころか、とても健康的なサイクルを強要されるようだ。まだ未知の部分も多く、毎年新たな研究結果が発表されているPrEPは万人に勧められるものではないし、誰でもアクセスできるわけではない。欲を言えば、一日でも早くHIVを完璧に予防できるワクチンや完全にHIVを抑える治療薬が登場することを願っているが、こうしてPrEPのようなHIVのある社会で生きるオプションが一つ増えるのは決して悪いことではない。

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