キャシーのトロント不思議ハッテンは、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。
キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第19回、ゲイの心を癒す添い寝パーティ
「なんか寂しいんだよね」と、仕事柄かゲイからこんな相談をされることが多い。テクノロジーがハッテンし、今ではスマホをタッチすれば他のゲイに出会える。そんな時代では他人との繋がりもどんどんデジタル化し、皮肉にも温もりのある人間関係に餓えている人が増えた。セックスには簡単にありつけるのに、それに反比例して寂しくなるばかり。刺激と快感だけでは満たされない心を潤すのに、北米では添い寝パーティなるものが最近密かに話題になっている。その名の通り、添い寝パーティとはみんなでパジャマに着替えて一緒に添い寝をする集まりである。目的はセックスではなく、プラトニックなヒューマンタッチ。「触っても良い?」「もちろん」というシンプルなやり取りから始まって、髪を撫でたり、ハグされたり、数人一緒になって添い寝したり、お茶を飲んで笑い話に花を咲かせたりと、カジュアルな空間で気ままな時間を過ごせる。
彼氏から了解を得て、興味津々なキャシーはゲイ友達を集めてこの添い寝パーティに挑戦してみた。最初はみんな慣れずにぎこちなく寝そべっていたが、次第に緊張もほぐれ、お互いにマッサージしたり、背中を摩ったり、そのまま眠りに落ちた人もいた。ほんの2時間の添い寝で、驚くほど体がリラックスし、気分も明るくなり、不思議と暖かい気持ちになった。「なんか子供の頃に戻ったみたい」と言ってた人もいて、自分も幼稚園のお昼寝タイムを思い出した。こんな風に人の温もりを感じたのは久しぶりで、ただただ感動してしまった。人と繋がるのが簡単なようで難しいこのご時世、まさか添い寝が癒しの救世主だったとは予想外だった。
ケツの穴を埋めていても満たされてないなら、添い寝パーティで心の穴を埋めてみては?いつもとは違った温もりに出会えるかもしれない。