ベッドの中では喧嘩しないゲイ

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.38 ゲイアンテナは存在するのか?

週末に友達だけでブランチに行けば、彼氏の愚痴話にも花が咲く。友達がそれぞれの彼氏に悩みを抱えていることを知って、自分だけじゃないんだと安心する一方で、厳しいお叱りをもらうこともある。下らない口喧嘩で彼氏と数日口をきいていないことを友達に話すと、「喧嘩したままベッドの中に入っちゃ絶対ダメよ!そもそも、何がそんなに許せないっていうのよ。」と小一時間説教されてしまった。

母に自分がゲイだとカミングアウトしたとき、一番心配されたの夫婦喧嘩ならぬ夫夫喧嘩だった。母曰く、男同士のカップルが喧嘩した日には殴り合いになって収集がつかなくなるという。生まれてこの方、人などほとんど殴ったことがない自分に限ってそんなことはないと思っていたが、予想通り、彼氏と喧嘩しても殴り合うどころか口喧嘩にも至らなかった。しかし、静かな喧嘩だって立派な喧嘩、とても後味が良い物だとは言えない。特に喧嘩の原因が小さければ小さいほど、エゴを曲げられずにダラダラ長引かせる自分に嫌気がさす。そのまま嵐が通り過ぎた頃にまた何も無かったフリをするのは、実は何の解決にもなっていない。

そんなキャシーの友達は、彼氏との間で“怒ったままベッドに入らない”というカップルポリシーを設けている。喧嘩したときは、話し合いで争いの種を解決するまで寝ない。お互いが納得して、仲直りセックスと共にやっと就寝するんだとか。とても合理的で、建設的で、しかも気持ち良さそうなポリシーではある。ただ、大人げない自分にこのポリシーを実際に行動に移せる自信はない。自分のエゴと彼氏、抱えて歩けるのは1つだけ。答えは一目瞭然なのに、なぜかいつも欲しいものを選ぶのは難しい。

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