役に立たない“オトコ”たち

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.15 役に立たない“オトコ”たち

身も心も凍える季節になって、家にルームメイトが増えた。

どちらかといえば複数形の彼らは家賃も払わず、勝手にあたしの食料を喰い漁る。そう、彼らの正体はネズミ。夏にムカデが怖くてわざわざ彼氏に退治してもらった自分。ネズミなんて名前を聞くだけでも鳥肌が立って、今度は怖くて眠れなくて彼氏に泊まりに来てもらった。

臆病な自分は彼にネズミを退治してもらおうと企んだわけだけど、一緒に寝ていても、ネズミが現れて大騒ぎをするあたしをよそに爆睡したままの彼。 次の日は男2人してぎゃーぎゃー騒ぎながら仕事の押し付け合い。ネズミが入ったゴミ袋を捨てるだけで1時間もかかる始末。呆れたあたしはしかたなく自ら“オトコ”になってネズミを退治した。

よく害虫害獣退治は男にまかせとけ的なイメージがあるけど、本当のところゴキブリやネズミが苦手な男性って多い。もちろん、彼女の前では良いところを見せようとして頑張る人もいるんだろうけど、好きでそんな仕事を引き受ける人ってそんなにいない。まるで刷り込みのように学んでしまう男女の役割分担は、面白いことにゲイにも影響を与える。ゲイカップルになると、害虫害獣退治はつい“オトコ”らしい方の仕事になってしまう。2人ともネズミが嫌いだったあたしたちは、お互いに“オトコ”になることを拒否した。

結局、キャシーは完全武装でキッチンに立てこもり、ネズミのお土産をすべて片付け、彼らが潜んでいそうな場所もすべて調査した。少し遠くから様子を伺う彼氏を見て、自分でも難なくできた仕事を勝手に彼に押し付けたことを反省。

そして、10分後に彼にパソコンの点検のお願いをしたあたしだった。

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