キャシーの日々ハッテンは、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。
キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.4 ゲイアンテナは存在するのか?
ゲイクラブの前で並んでたら、目の前で泥酔女子3人組が追い出された。
驚いて様子を見ていると、千鳥足で帰っていく彼女たちに「女子がゲイクラブに来て暴れんじゃないよ」とクラブのスタッフが大声で怒鳴りつけていた。
友達の女の子は、半裸で踊るゲイが集まるクラブで見られるイケメンの胸やお尻が大好きで、ゲイクラブに行けば片っ端から触りまくっている。それって立派なセクハラじゃないかと思ったら、案の定彼女は数軒のゲイクラブから出入り禁止になっているらしい。自分もクラブで踊ってたら急にお尻を掴まれて、どんな殿方かと思って振り返ったら、泥酔女子だったという経験がたくさんある。ゲイ好きの女の子っておこげって呼ばれてるけれど、これは明らかにおこげの一線を越えている。
実際、ゲイクラブは女の子の間で大人気だ。友達に聞けば、絡んで来る男もいなくて、ラフな格好で行けて、イケメンもいっぱい観察できちゃうから楽しいということらしい。でもゲイからすれば、他の男性に出会うためにゲイクラブに繰り出したのに、長い行列を並んで中にやっと入って、女子の割合がゲイより高いと正直がっかりしちゃう。そして、最近はストレートの男子までがゲイクラブにいる女子目当てに来るもんだから、もう誰がゲイなのかもわからない。
そんな自分はレズビアンクラブが好きで、実は昔一度泥酔して大迷惑をかけたことがある。レズビアンたちへのリスペクトを忘れてたと、後でよく反省して、今も懲りずにたまに遊びに行く。ゲイだって、たまに女子と踊るのも楽しいって思ってるはず、でもだからって、ゲイクラブで大暴れするリスペクトのない泥酔女子になってはいけない。