ゲイってそんなに違う?

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.3 ゲイってそんなに違う?

ゲイとストレートって実は全然違うようで、よく考えれば異性を好きになるか、同性を好きになるか、それだけの違いである。それだけの違いなのに、なぜか全然違うのだ。

例えば、友人たちと恋バナをしていたとしよう。「あたしの彼氏がね」とか、「俺の彼女がさ」とか、そんな語りだしは普遍的だ。でも、男性である自分が「僕の彼氏がね」と言った瞬間に、空気が変わる。同性愛に理解がある人もいれば、意図的に流す人もいて、言い間違えたかと思って問いただす人もいる。そして、質問攻めにする人もいる。「なんで男なのに男が好きなの?」「男同士でどうやって“する”の?」なんて質問にはついつい首を傾げてしまう。

一番困るのは、母との会話だ。自分がゲイであることには理解を示している母だけど、実は未だに恋バナをしたことがない。デート相手のことでも口から漏れれば、国際電話越しに母が凍っている様子が伺える。きっとなんて反応すればいいのかわからないんだろう。デート相手の話でこんな調子では、いつか恋人に会ったときの反応なんて恐ろしくて考えたくもないし、同性婚なんてもってのほかだ。同性か異性か、自分の目には些細な違いとしか映らないけれど、母にとってはまだ人間とエイリアンくらい違うのだろう。

白人の友達が言っていたが、彼が日本で電車に乗っているとまるで動物園の動物になったかのように周りからジロジロ見られる。もし日本人がもっと外国人に慣れていたら、きっとそんな風に見ることもないだろう。ゲイとストレートも同じで、いつかみんながもっと慣れた頃には、そんなの些細な違いなのだと片付けられるのかもしれない。

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