カナダ、同性婚成立10周年!

キャシーの日々ハッテンは​、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。

キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.95 カナダ、同性婚成立10周年!

今年、カナダで同性婚が認められて10年になる。2003年に先駆けて同性婚を認可したオンタリオ州にとっては12周年だ。そんなに長い時が経つなんて正直少し信じがたい。同性婚なんて既に当たり前すぎて、ずっと初めからあったとさえたまに感じる。2001年にオランダが世界で初めて同性婚を認めたというニュースをブラウン管に噛り付いて見ていた。まだ高校に入学したばかりだったが、21世紀という新しい時代の幕開けを象徴するような瞬間だったと鮮明に覚えている。

同性婚は同性同士が結婚できるようになるというシンプルなものではない。2008年にトロントに留学に来た時、周りのゲイ友達の考え方の違いにとても驚いた。人生に同性婚というオプションがあるからなのか、彼らは既に遥か先のことをプランしていた。「郊外に一軒家買って、養子と愛犬と家族仲良く暮らすんだ!」と夢見る人もいれば、「独身を貫いて、キャリア一筋にダウンタウンでたくましく生きる!」と宣言する人もいた。20代前半のゲイとして、日本では今までそういったことを考えたことがなかった。就職したら職場ではゲイを隠して生きるべきか、家族から結婚のことを聞かれたらどう避けようとか、そんなことばかり心配していた。だからか、数十年先のことをポジティブに考えられること自体、自分にとっては新鮮だった。

しかし、同性婚はすべての問題を解決できる万能薬でもない。トランスジェンダーの人にとって、カナダは未だに安全な場所ではないし、学校教育で同性愛などの問題を取り上げようとするだけで反発が絶えない。差別や偏見は根強い。同性婚ができるようになったことで、カナダに暮らすゲイやレズビアンの人々の人生は大きく変わっただろう。この10周年は記念すべきマイルストーンだ。そして、これから進むべき道のりはまだ長い。

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