ご近所さんはゲイだらけ

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第29回、ご近所さんはゲイだらけ

今年、トロントのゲイタウンから徒歩数分のマンションから引越すことになった。ゲイクラブで夜遅くまで踊っても、終電を気にせず帰宅できる距離は魅力的だったが、週末の夜は彼氏と家でゴロゴロして映画ばかり見ていた。高い家賃を払ってまでゲイタウン周辺に住む意味はなかった。新しく移り住んだ場所は、ダウンタウンから少し離れたところにあった静かなタウンハウス。夕方になると外から子供たちの遊ぶ声が聞こえた。騒がしいゲイタウンと比べると少しのどか過ぎて、ゲイカップルが浮かないか心配になった。いくらトロントがゲイフレンドリーだといっても、みんながみんなゲイを受け入れているわけではない。引越しも終わって家の中も片付いた頃、少しゲイタウンが恋しくなっていた。

そんなある日、ゴミを捨てに外に出たところ、見慣れた人が目の前をパジャマ姿で歩いていた。よく見ると友達の元カレだ。もちろん、ゲイである。胸を躍らせながら彼に声をかけてみた。自分たち以外にここに住むゲイはいないと勝手に思っていたので、喜ばしい一瞬だった。しかも、彼はすぐ隣に住んでいるという。これで醤油が切れた日も心配がない。その数週間後、近所のカフェで新聞を読んでいると、いつか仕事で一緒になったレズビアンの方とばったり会った。話を聞けば、彼女も同じ住宅街に住んでいるという。そこから怒濤のようにゲイのご近所さんが現れ始めた。夕方にチワワとお散歩をするお兄さん。毎朝手を繋いで出勤するレズビアンカップル。週末は彼氏と一緒にバーベーキューしているおじさん。いつの間にか、周りはゲイだらけになっていた。

ゲイの推定人口は全人口の数パーセントだという。数百人以上が暮らす集合住宅地に、ゲイが数人いたところで何もおかしくはない。むしろ、ゲイがいない方が不自然なくらいだ。こんな家庭的な住宅街で、ゲイカップルが手を繋いでいても誰も驚かないのを見て、「これが多文化共生なのか」としみじみ思った。

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