10万人に見守られるプライドパレード

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第26回、10万人に見守られるプライドパレード

今年で、トロントのプライドパレードを歩くのは7年目になる。時が経つのはビックリするほど速い。初めて参加したトロントのプライドパレードは桁違いの規模で、トロントの中心街を埋め尽くす人の山を目の当たりにして、少し怖じ気づいたのを覚えている。「ここにいる人たちみんなプライドパレード見に来てるの?」と友達に聞いたら笑われてしまったほどだ。2007年に東京プライドパレードを歩いたときは、歩道から手を振ってくれるのは応援してくれるお仲間か派手なフロートに喜ぶ子供くらいで、目を逸らされるか白い目で見られる方が遥かに多かった。それでも東京の街を友達と堂々と歩くのに感動して、目がうるうるした。それからたった1年後、トロントにいる自分は10万人以上の観客の前を通り過ぎようとしている。フロートの上で不器用に踊りながら、数えきれないほどの笑顔が見えた。「ハッピープライド!」と知らない人たちが叫んでくるし、水鉄砲で股間を思い切り狙われる。年寄りも子供も、家族連れもみんな楽しそうにパレードを見ている。そんな風に自分の存在を肯定されたのは初めてで、まさにカルチャーショックだった。そんなトロントもほんの30年前までは、警察や反同性愛団体と戦いながらプライドパレードを歩いたというから驚きだ。この10万人の観客は、まさにこの30年間の積み重ねといえる。トロントの歩みはまだ止まっておらず、毎年観客数は増えていて、パレードも年々長くなっているという。

今年、東京レインボープライドパレードを歩いた友人が街中の反応が数年前より少し変わったと教えてくれた。歩道から笑顔で応援してくれる人が増えたそうだ。たまに社会が変わるスピードがあまりに鈍くて落ち込んでしまう日もあるが、気付かないほどの小さなステップが大きな変化に続いていく。社会はいつだってそうやって変わってきた。

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