「マジで、老後どうするよ?」

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第12回、「マジで、老後どうするよ?」

20代後半の自分と周りの友達はあと数年で華の三十路に突入する。いつまでもクラブで楽しく騒げれば良いが、それだけでは将来が不安だ。「退職したらみんなでお金を出してゲイ向けのシニアハウスでも建てない?」唐突にそんなことを聞いて来る友人は真剣な表情をしていた。きっと不安なのは自分だけではないのだろう。今からパートナーと子育てでもするべきなのか。ゲイフレンドリーな老人ホームに今のうちに予約でも入れておくべきなのか。老後のことを考えると、ついから騒ぎをしてしまう。

数年前、『老いとともに生きて』というゲイの老後問題を浮き彫りにしたドキュメンタリーを見てゾッとしたのを覚えている。同性愛の市民権運動に身を捧げた人たちが年を取って老人ホームに入り、そこで孤独を恐れながらクローゼットに引き戻される。彼らのおかげで北米はこんなにもゲイが生きやすい社会になったのに、それではあんまりだ。そして、このまま何も変わらなければ、50年後には自分が彼らと同じ立場にいてもおかしくない。そんな未来を防ぐため、既にゲイの老後対策に様々な動きが始まっている。モントリオールでは2009年にゲイの老人ホームができたし、シカゴはゲイ向けのシニア団地の設立に向けて計画を進めている。自分が暮らすトロントにゲイ老人ホームができるのも既に時間の問題だ。

別に、老後もハッテンしたいからゲイ向けの老人ホームが欲しいわけではない。残り少ない人生を楽しみたい時に、ゲイという理由で差別されたり、それを気にして隠したりしたくないだけだ。もちろん、老人ホームにハッテン場があれば、それはそれで大歓迎。バイアグラ片手に入れ歯フェラでも楽しむわ。そんな冗談は置いといて、「マジで、老後どうするよ?」

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