キャシーの日々ハッテンは、トロントの日本語情報誌『Bits』(ビッツマガジン)で2011年から2017年まで連載されていたコラムです。
キャシーの日々ハッテン(コラム連載アーカイブ)
Day.27 男も女もそれ以外も好きだ
ずっと彼氏がいたもんだから、てっきりストレートだと思ってた友達が最近女性と付き合いだした。友達に聞いてみれば、彼女は昔からバイセクシュアル(バイ)で、男性女性構わずに恋愛してたらしい。しかし、周りの人は女性と付き合いだした彼女をすっかりレズビアンだと思い込むようになった。
最近友達ともっとオープンにこういう話をしてみたら、芋づる式に「本当はバイなんだ」とカミングアウトしてくれた人がたくさん現れた。どうやらバイに対する風当たりが冷たいせいか、ストレートかゲイで通しているバイの人も多いらしい。実際にバイだということをオープンに掲げる人って数人しか知らない。どちらかと言えば、バイってゲイだと正直に言えない人の悪あがきだと思われている節もあるし、「実はバイなんです」なんて言った日には、「来週にはゲイとか言うんでしょ」なんて他の人に鼻で笑われる始末。ストレートからも、ゲイからも省かれているバイは居場所がなかったりする。友達のバイの男の子が先日親にカミングアウトをしたら、「女性も好きなら、女性とだけ付き合えばいいじゃない」と言われ、それを打ち明けたゲイ友達には「それならゲイになって、男性とだけ付き合えば良いよ」と追い打ちまでされたらしい。彼にしてみれば、好きになった人がその時の恋愛対象となるわけで、好きになる性別を先に決めるわけではない。
LGBTのBとは、バイのBである。毎年プライドパレードをLGBTが自分らしくあるためにと歩きながら、バイのことをすっかり忘れているなんて情けない。彼氏がいる女性や彼女がいる男性がストレートだなんて、そんな浅はかな考えはもう捨てよう。