トロントのプライドはまだハッテン中?

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第3回、トロントのプライドはまだハッテン中?

トロントの暑い夏はプライドパレードと共に幕を開ける。毎年6月末に開催される10日間に渡るプライドの祭典は世界最大規模である。テレビ中継までされるプライドパレードは、長いときには4時間以上も続く。プライドの最中、トロントのダウンタウンはどこを向いても虹色で、こんなにゲイゲイしい空間が他にあるのかというくらい四方八方からゲイたちに囲まれる。世界各地からのゲイ観光客たちは地元のゲイを食べ漁り、バーにもクラブにも、もちろんハッテン場にも大行列ができる。Jack’dやGrindrなんかを使った日には、きっと半径10メートルでiPhoneの画面が埋まる。そんなトロントのプライドに初めて足を踏み入れた時はその熱気と狂気に圧倒された。

同性婚があって、人権擁護法案に同性愛が記されているカナダでは、もはやプライドはお祭り騒ぎと化したのかといえば意外とそうでもない。トランスジェンダーたちの権利を訴えるトランスマーチや、バイクに股がるレズビアンたちが暴れ回るダイクマーチのような政治的なメッセージを強く打ち出したパレードが別にある上に、政治色の薄いプライドパレードでさえ、高校でLGBTの居場所作りに励む若い子たちが自分たちで作ったサインを掲げて歩いている。メジャーな問題が解決されたトロントでも、こうして弱い立場にあるコミュニティはまだ戦っている。

そんな両極端なように見えるトロントのプライドだけど、その始まりといえば警察がゲイの聖地であったハッテン場を侵害したことに対するデモ行進だったらしい。そこからたった25年で同性婚にまで辿り着くなんて、セックスに対する執着は社会をも変えるということかしら。

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