ゲイの定年退“職”

キャシーのトロント不思議ハッテンは​、ゲイ総合情報誌『Badi』で2012年から2016年まで連載されていたコラムです。

キャシーのトロント不思議ハッテン(コラム連載アーカイブ)
第2回、ゲイの定年退“職”

トロントのゲイクラブシーンは入れ替わりが激しい。数年前に踊り狂った「キス•ア•ガール」や「ジャスト•ダンス」なんかは既に色褪せてしまって、悲しいことに最近のゲイアンセムではなかなかテンションが上がらないあたし。ニッキー•ミナージュとかあたしにはギラギラすぎるわ。あと数年で自分の好きだった曲たちが懐メロナイトでかかるとか、考えるだけで怖い。

もっと恐ろしいことに、入れ替わるのは音楽だけじゃない。クラブの年齢層は若返るばかりで、通い慣れたイベントも最近は知らない顔だらけ。数年前はダンスフロアのど真ん中でキラキラしてたあたしも、今では薄暗い隅っこの方でビールを飲んでばかり。そんな26歳のあたしにゲイ引退はまだ早い。しかし、周りを見渡しても若作りしてクラブで頑張っているお姐さま以外、あまり年上のゲイたちを見かけない。

トロントでは80年代から90年代にかけて、HIV/AIDSの影響でゲイの世代が一部丸ごとすっぽり抜けている。それもあってか、40代や50代のゲイたちの数は若い世代と比べて極端に少ない。見本となる大人のゲイたちが不在となれば、ゲイとして年齢を重ねて行くことを想像できない人も多い。若いうちは酔って踊って騒いでと楽しくやっていればいいけど、それがずっと続くわけない。老いたゲイを見て笑っている若いゲイたちも、遠くない未来には行く場所を失う。

いつか自分が40代や50代になったとき、このゲイタウンにある居場所が懐メロナイトクラブだけでは悲しい。ゲイの世界でも、定年退職をじっくり考えて行く時代が来たようね。クラブを卒業したら、どこへ行く?

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