今年のトロントプライドは、大嵐の予感です。
いや。実際に嵐ならいいんだけど、コミュニティーを巻き込んだ大嵐なのよ。
キャシーがコミュニティーで働き始めてもう既に9ヶ月。
いろいろ学んできましたが、一番身に染みたことといえば。
何事にも、金と政治が絡んでくるってこと。
ちょっと内輪で盛り上がるパーティやろうよって思って。
知り合いのDJと一緒にプランして、楽しく始めたイベントが。
いつの間にかお金と政治にぐるぐるに巻き付かれて。
キャシーはやむを得なく手を引くことになったりとか。
もう人が集まって、お金が絡まると、そんないやらしいことばかりなのです。
そして、今年のトロントプライドも、そんな状況に陥っちゃってるようです。
トロントプライドといえば、既に大規模なイベントとして知れ渡っていて。
プライドの週末に、パレードとパーティ目当てにトロントに駆けつける人はたくさん居ます。
トロント市としても、市の活性化に欠かせないものですし。
他の企業にとっても、お金儲けのチャンスなのです。
トロントプライドは、プライドトロントという団体によって運営されているんですが。
市からの援助金や他の企業がスポンサーになることで、イベントの運営費に当てています。
彼らの努力で、トロントプライドはここまえ大きく成長したと言っても過言ではないと思います。
しかし、物事って、大は小を兼ねるといいつつ、大きければいいってわけではありません。
昨年、トロントプライドはゴミ回収のストライキのせいで、予想以上に予算をオーバーし。
今年もプライドの規模を拡大しようと、予算オーバーになるという見積もりが出ています。
で、何が起きたのかというと、その予算オーバーをカバーするために。
スポンサーを増やし、さらにスポンサーからお金をもらうため。
スポンサー優勢に物事が進みます。
その結果、プライドの主役であるLGBTコミュニティーがないがしろにされちゃうことになります。
で、誰のためのプライドなの?
って話になるじゃないですか。
これは、今年だけの話ではなく。
もうここ数年、トロントプライドはスポンサー優勢に現在進行形でなっていて。
パレードでは一般企業の裸のお兄さんたちが踊るだけのフロートばかりが目立ち。
ストリートも、派手な企業の商品宣伝にコミュニティ団体のブースが隠れています。
もちろん、これじゃコミュニティー団体が嬉しいわけがありません。
ゲイの人権を訴えるために、始まったゲイパレード。
それがより多くのセクシュアルマイノリティーを包括し、プライドパレードになり。
本来ならば、コミュニティーの、コミュニティーによる、コミュニティーのための催しなのです。
しかし、今年は、コミュニティー側の堪忍袋の緒が切れるほどの事件が起きたんです。
もうそんな予感は、春先からひしひしと感じていたのですが。
キャシーが日本から戻り、職場に戻ると、既に会議の議題に上るほど深刻化していて。
キャシーも一個人として、そして団体の一員として、意思表明することを迫られるほどに。
今年のプライド、いったいどうなるのかしら?
その事件については、次回の記事で詳しく語ります。