ちょっとプライド中に経験した怖い話です。
改めて、トロントは多文化がミックスされているんだと実感しました。
キャシーってば。
プライドの週末を迎える前夜祭のアジア系イベントでボランティアを担当していて。
久々のクラブだし、って思って。
超ギランギランにドレスアップしたのね。
ドレスシャツに、ベスト、シャイニーなパンツ。
もうレインボーなんか無くても、一目でゲイだとバレる格好でした。
そんな格好で、あたしはトランスマーチを歩いて。
その足で、そのまま目当てのクラブに向かったんですが。
寄りによって。
そのクラブが、ゲイタウンからかなり離れた、しかも柄の悪い通りにあって。
ちょっとビビリつつも、1人で輝きながら歩いてたのね。
そしたら。
キャシーを横切る人たちが。
もうまるで何か凄い変な人を見るようにあたしを見てくるのね。
いや。
あたしちょっとドレスアップしてるだけじゃない?
悪いの?シャイニーなパンツ履いたら?
って心の中で怒っても聞こえることは無く。
通り過ぎていく人からは。
「今の人ゲイよね。気持ち悪い。」
みたいなことが聞こえてきて。
あたし今トロントに居るのよね?
信じられなかったわ。
その後も。
レゲェファッションの集団の前を通らなくちゃいけなかったり。
めちゃくちゃ柄の悪い人たちにガンつけられたり。
このままじゃヘイトクライムで殺されるわ。
って、思って。
ちょっとコーヒーショップに逃げ込んだの。
お店の中はキャシーと、1人の店員さんしか居なくて。
キャシーはお腹が空いてたんで。
コーヒーと、バナナマフィンと、ミートパイを注文して。
会計を済ませてたのね。
そしたら、店員さんが。
「その財布、可愛いですね。」
って話しかけてきて。
ふと、自分の財布に目を向けると。
それがレインボーのポーチだってことに気付き。
これ喧嘩売られてんのかしら・・・ってドキドキしつつ。
「ありがとう。」
って素っ気無く言うと。
少しの沈黙の後に。
店員さんがまた懲りずに。
「それ、プライドのお財布ですよね?」
とか聞いてきて。
キャシーもようやく心を開いて。
「そう、今週末はプライドでしょ。だからいっぱいレインボー身に付けてるの。」
ってフレンドリーに会話にのって。
あたしのミートパイが温まる間、いろいろプライドについて話してたんですが。
最後に店員さんが。
「プライド中は、どこに行けば君に会えるの?」
って聞いてきてたから
「僕は浴衣でいろんな場所に出没してるから、会いたかったら探してみて。」
って、お答えしておいたわ。
って・・・。
これナンパじゃない!
怖い話のはずが、いつの間にかノロケになっちゃった。
それでも。
本当に怖かったのよ。
あの通りを1人で歩くのはもう勘弁だわ。
プライドの時期って、トロント全体がプライドムードだから。
ゲイが大嫌いな人は、逆にさらにイライラしちゃうんでしょうね。
友達も数人道端で暴言吐かれたらしいわ。
いくら嫌いでも、それはやっちゃダメよね。