昨日の記事で。
パレスチナでは、同性愛は処罰の対象で。
イスラエルでは、同性愛者の権利が保障されているって紹介しましたが。
今日はもう少しそこを掘り下げてみます。
先日、トロント大学のゲイ学生たちが企画する反イスラエルの講演会で。
イスラエルで活動するパレスチナ人の女性アクティビストさんの話を聞きました。
彼女が運営しているのは。
イスラエルに住むパレスチナ人の性的少数者のためのグループで。
文化的に、ゲイが好ましく思われない中東で、居場所が無い人たちをサポートしています。
イスラエルはゲイへの人権を保障こそしていますが。
国民がその制度にまだ理解が薄く、反同性愛派のグループも反発が強いです。
それでも、イスラエルではゲイパレードが行われており。
警察と軍隊に守られながら、聖地エルサレムを行進して行くんだそうです。
行進中に観客にナイフで刺されて、怪我をする事件もあったとか。
まさに命がけです。
イスラエルがここまで同性愛者に力を入れられるのは。
やはり欧米からの援助金があるからです。
あまり知られて居ないと思いますが。
欧米は、中東やアジア、アフリカなどの発展途上国に。
性的少数者の人権を確立させるために、多額の援助金を渡しています。
ネパールなんかも、この援助金のおかげで、昨年同性婚を合法化することに成功しています。
で、そのパレスチナ人の女性アクティビストは言います。
「イスラエルは同性愛者の権利を政治の切り札に使っているんじゃないのか?」
彼女が言うには。
イスラエルは、同性愛者支援の姿勢を大々的に宣伝して。
人権を尊重するイスラエルは善で。
人権を尊重しないパレスチナは悪だという図式を築き上げて。
パレスチナ占領を正当化しようとしているのだそう。
この部分は、あくまで彼女の意見なので。
キャシーはあえてタッチしませんが。
彼女はイスラエルでこんな体験をしたそうです。
イスラエルのゲイパレードは、ワールドプライドって呼ばれているんですが。
イスラエルのパレスチナ占領に反対する在イスラエルパレスチナ人たちは。
イスラエルのプライドへの参加を拒否したのだそうです。
その時、政府関係者に言われた言葉が。
「ボイコットするなら、パレスチナに送り返してもいいんだぞ?その時は、おまえの家族にゲイだってバラしてやる。処刑されるのが落ちだろうな。」
だったんだそうです。
これが本当かどうかは定かではありませんが。
本当なら、私たちのセクシュアリティーと社会状況を利用した悪質な脅迫になります。
ゲイを暴行して、金品を盗んで。
「ゲイだから、届けないと思った。」
とか言ってるアホと同じレベルです。
そのイスラエルの現状を問題視して。
この反イスラエルのゲイ組織が立ち上がったわけです。
彼らは、これから講演会やドキュメンタリー上映など。
イスラエルでのパレスチナ同性愛者の人権の扱われ方を訴えていくらしいのですが。
トロント大学は、この組織を非常に危険視しているようで。
学生自治会やLGBT系組織の会議でのパレスチナ問題関連の話題は禁止されているよう。
かなり圧力を受けながら、活動を続けているんだそう。
民族、宗教、歴史、さらに人権まで混じった難しい問題です。
キャシーは特に、結論を出すつもりはありません。
この記事を通して、こうした問題があるんだって。
心のどこかに留めてくれれば、それで満足です。