ふたつの世界の間で。

年末年始、有給を全部使って一時帰国しました。去年、トロント・ラプターズがNBA初優勝したおかげで、エアカナダの記念セールで格安フライトを6月の時点で入手し、大喜び。ラプターズがバスケのチームだってことも知らなかったスポーツに無関心の自分がラプターズを祝うセールにあやかるのはおこがましいかもしれないが、$900のYYZ-HND往復直行便はお得すぎた。しかし、日本に訪れるのを半年も心待ちにするのは辛かったわ。

日本で年越しするのなんて12年ぶり。さらに、うちのパートナーも日本に数日寄ることになり、「渋谷のスクランブル交差点でカウントダウンでもしよっか?」と軽いノリで決めたが、それは大きな間違いだった。その話はまた別の機会にするとして、上の写真はまだ悪夢の到来を知らずに希望に溢れたナイーブな自分である。知らないって恐ろしいことよ。

12年。この春でトロントに留学に来てからそんなに経つのか。その間、日本には5回一時帰国した。帰国して最初の数日は久しぶりの電車の乗り方やレストランでの会計の仕方に少し躊躇するものの、少しすればまるでずっと日本から離れていないような錯覚に陥る。そうやって日本にいる間は常に心に何かがずっしりのしかかっている。その正体はずっとわからなかった。きっと心不全ではない。刺身や寿司の食べ過ぎでもない。そして、今回の帰国でこの感覚が何なのか少しわかってきた気がする。

生まれ育った場所と、今生きている場所、そのふたつの間で身を引き裂かれる感覚は移民や難民の共通の経験だと言われる。食べ物、文化、思い出の場所。何より家族や友人が地球の反対側にいるのは寂しい。帰国する度に、こんなにたくさん一緒にいられる時間を失って、これからどれほど一緒の時間を作れるのか、そんなことばかり頭を過ぎる。気を付けないと、その思考に流されてどんどんネガティブ・ムードに突入してしまう。トロントに来てしまったことを後悔しているわけではない。きっと自分が欲張りで、ないものねだりしているんだろう。

どうしようもない現実を前に落ち込んでは、いつも人の繋がりに助けられる。忙しい合間に時間を作ってくれる友達と遊べば、数年のギャップなんて全然感じない。最近結婚した小学校の同級生が子作りに励んでいるなんて話をしながら、会う度に成長している彼を自分のことのように喜んでしまう。帰国中の新しい出会いを通して様々な可能性にも気付かされる。数年ぶりの母は前見た時よりちょっと老いていて心が痛むが、前回の帰国より少しだけ大人な関係を築けて、喧嘩も最小限に留めることができた。おかげで一時帰国が終わる頃には、いつも感謝の気持ちでいっぱいになる。

だから、視点を変えて、自分はふたつの場所の間で身を引き裂かれているわけではなくて、自分を迎え入れてくれる場所がふたつあって恵まれているんだと考えるようにしたい。もちろん、それで現実が変わるわけではないが、そう考えることで少し気持ちが楽になった。後はエコノミー症候群まっしぐらな13時間のフライトと、一週間しても治らない時差さえなんとかなればいいんだけど、人生はそんなに甘くないわ。

ちなみに、最近ブログもツイッターもインスタも更新してないから、みんなキャシーなんて忘れて、誰にもバレないかと思っていたが、ゲイバーや二丁目では「キャシーさんですよね?」と声をかけられたわ。どう反応すればいいのかわからず、顔を真っ赤にして頭を下げるばかりの自分でごめんなさいね。あと、「ブログ、最近更新してないんですか?」と言われた時には本当に申し訳なかった。はい、更新します。

ずっとキャシーの更新が止まってたせいで、「まさかキャシーさんに何かあったんじゃ?」と心配してくれた人もいたけど、元気もりもりです。仕事、大学院、家事と、相変わらず忙しくて、なかなかキャシーとして活動する時間とエナジーを確保できてないのよ。心配おかけして申し訳ありません。

と、いつもの調子でまた長いブログになってしまったわ。まだまだ書き足りないので、また近いうちに。

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