トロント・インターナショナル・ポルノ・フェスティバルに行ってきた

「トロント・インターナショナル・ポルノ・フェスティバルに行かない?」

とても急な誘いだったが、アダルトビデオで育った自分には断れるはずもなく、気付いた時には映画館でポップコーンを食べながらビッグスクリーンでポルノ鑑賞を楽しんでいた。

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トロント・インターナショナル・ポルノ・フェスティバル(Toronto International Porn Festival)は、2006年から毎年トロントで開催されてきたフェミニスト・ポルノ・アワードから発展したイベントである。メインストリームなアダルドビデオ業界ではなかなか見られない多様性に富んだオルタナティブなポルノを祝福し、そうした作品を製作する人たちを支えるイベントである。

正直なところ、どんなポルノが上映されるのか予想もできなかったが、期待した以上に素敵なイベントだった。この『Having My Cake』という作品では美味しそうなフレンチペストリーと共にクィアでクリーミィなセックスを楽しんでいて、カラフルなセットとレトロな音楽にうっとりしてしまった。また、『50 Shades of A Tranny』はトランスジェンダー女性とトランスジェンダー男性のストレートカップルのセックスを収録した作品はジェンダーやセクシュアリティの既成概念に挑戦していてとても興味深かった。

そんな作品たちの中でも、一番のハイライトは『Etage X』である。故障したエレベーターの中に閉じ込められた年上の女性二人は、衝動を抑えられずに過激なプレイに手を出してしまう。ポルノというよりショートフィルムに近い作品だが、セクシュアルなエナジーを上手に捉えていて、最後の最後までドキドキして見てしまった。

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こうしてポルノを鑑賞するのは自分にとっても初めての経験である。他の観客と一緒に感じて、笑って、歓声を上げるのはとても楽しかった。思春期の頃からポルノはオナニーするために消費するもので、こうやって映像作品として観察する機会なんてなかった。何より、こうしてフェミニズムや反差別なテーマが反映されたポルノに触れる機会さえなかった。このイベントに参加して、実に多種多様なポルノを見て、自分のポルノとの向き合い方を改めて考えることができた。それだけでも価値ある経験である。

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トロント・インターナショナル・ポルノ・フェスティバル、来年も楽しみだ。

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