この前、とあるネットワークのブランチに参加した。
キャシーといえば、良い意味でも悪い意味でもゲイコミュニティに入り浸りで。
仕事でもなければ、その外でネットワーキングなんてほとんどしてないのね。
その分、全力投球でトロントのゲイコミュニティに貢献できているわけだけど。
その反動で、幅広く人付き合いができてなかったりするわけ。
それじゃダメだと考えていた矢先、今まで知らなかったネットワークから招待をもらったのね。
このネットワーク、トロント市にアクティブに貢献している若者が集まっていて。
そうやってもっと多くの人たちに政治に関心を持ってもらったり。
トロント市のことを考えるきっかけを持ってもらったりして。
もっとトロントを素晴らしい街にしていこうと活動している。
もちろん、こんな楽しそうなネットワークを断るはずがないキャシー。
二つ返事で、そのネットワークのブランチに行くことにした。
少し早めに待ち合わせの場所に着くと、笑顔がステキな女性がそこにいて。
「まさかキャシーさん?噂はいっぱい聞いてるわよ!」
と、あたしが自己紹介する前に、陽気に話しかけてくれた。
話を聞けば、彼女とあたしには共通の友達がたくさんいて。
彼女がトロントでアクティブに活動している若者を探していたとき。
友達数人があたしのことを勧めたようで、彼女にあたしのことをいっぱい話したとか。
そんな成り行きで、彼女は今回キャシーをこのブランチに招待したわけ。
「みんなキャシーはとっても行動力があって、たくさん面白いプロジェクトに関わってるって言ってたわよ?あと、口を開けば下ネタしか言わないから気をつけてとも言われたわ。」
と笑顔でフランクに言う彼女に、笑いながらも恥ずかしくなったあたし。
「いやいや、下ネタの方はまったく否定できないけど、その他は全然そんなことないわよ。」
と恐縮するあたしに、彼女はこう言った。
「ダメよ!恐縮なんてしちゃ!良い仕事をしてるんなら、良い仕事をしたと誇りに思わなきゃ!」
彼女云く、最近の傾向として、トロントでも向上心のない若者が増えてるらしい。
一番下でも、一番上でもなく、その間くらいが気持ちいいのはわかるんだけど。
やっぱり、そうなるとなかなかリーダーシップが育たなくなって。
その結果、トロントからどんどん良い人材がいなくなってしまう。
「このネットワークでは若者に向上心を持ってもらうようにたくさん有意義なイベントをやりたいのよね。キャシーにもいつかロールモデルとしていろんな経験を語ってもらうから覚悟してね。」
と、とても情熱的な彼女に押されるがままのあたし。
その後のブランチでも、次々とトロントで本当に素晴らしい活動をしている人が現れ。
そんな彼らの話を聞きながら、どんどん肩身が狭くなるあたし。
「私は今3つほど社会に貢献できるようなビジネスを運営していて、この秋から大学院にも行く予定なの。」
「僕は最近カナダの政治でもっとアジア人の声が響くように、政治家に向けたキャンペーンを企画中なんだ。」
あたしとそこまで年も離れてないのに、こんなに大きなことを成し遂げてる人たちを見て。
「あたし大したことないのに、なんでここに誘われたのかしら?」
と、どんどん自信が萎んでいき、何も話さなくなったあたし。
このブランチに招待してくれた彼女はそれに気付いたのか。
「キャシーも凄いのよ。トロントに来て4年ほどで、いろんな場所でリーダーシップを発揮してるのよ。特にハッテン場とかね。」
と、ユーモア溢れる言葉でフォローしてくれて、みんなも大爆笑。
あたしも少し肩の力が抜けて、気が楽になった。
よく考えたら、変に張り合う必要なんかないのよ。
あたしはあたしなりに、できることを頑張ってるし。
もっと自信持って、素直にこのブランチを楽しまなくちゃ。
ゲイコミュニティに入り浸りすぎて、もっと広い世界を忘れてたかもしれない。
やっぱりこうして外に出て、常に自分をチャレンジするのも大事だと今更実感したわ。
彼女の言う通り、自信と向上心を強く心に持たなくちゃね!
ほら、オバマさんも言ってたじゃない。
YES! WE CAN!
もしかしたら、数年後にはここで出会った凄い人たちにインスパイアされて。
あたしはもっと凄いことをやっているのかもしれない。