キャシー、ずっと秘密にしてきたけど。
実は両手で数えられるくらいしかノンケ男性の友達がいない。
あら、知ってたって?
というか、友達以前にノンケ男性との接し方さえわからない。
高校時代や大学時代のように、あたしがノンケのフリなんてもうしないし。
あの頃のように、飲んで、裸になって、みんなで踊るのももうやりたくないわ。
ここだけの話、ノンケ友達の方がスキンシップが激しくて戸惑うわ。
キャシーが初めて握ったちんぽ(固い)はノンケのよ?
ちょっと考えられないでしょ?
で、すっかりノンケ男性とは交流しなくなったあたし。
それでもやっぱり仕事だったり、友達付き合いで、知り合うこともたまにある。
この前、友達とご飯食べてて、隣に座っていたノンケくんと話してたわけ。
「キャシーってエイズ団体で働いてるだ?」
「ねぇ、おすすめのコンドームは?」
とか聞いてきたから、少し顔を赤らめながら。
「うちの団体だと、日本製のコンドームが薄くて人気よ?」
って答えたのね。
そしたら、そのノンケくんは真顔でこう言ったの。
「いやさ、日本製のコンドームは俺には小さいんだよね?」
ねぇ、そんなことあたしの目をまっすぐ見ながら言わないでちょーだい。
動揺しちゃうじゃない?
普段のあたしだったら。
「デカチンとでも言いたいの?キャシーが確かめてあげる。」
なんて冗談言って、ここで話題が変わったと思うんだけど。
そのときは何を言えば良いのかわからず、挙動不審になってしまったわ。
キャシーってば、口から出て来ることの9割が下ネタなんだけど。
ノンケ男性の前で、向こうもあたしがゲイだと知っている場合。
どこまで下ネタを抑えれば良いのかわからなくなるのよね。
この写真のキャシーの表情にはコメントしないでくれる?
いつか、レズビアン友達とチャイナタウンでりんご飴もどきを食べてたときも。
バッタリ知り合いのまた違うノンケくんに出くわしてのね。
このりんご飴もどきをペロッペロ舐めるあたしを見て。
「キャシーはチンコを舐めるのが上手だね。」
って、彼言ったわけよ?
いや、上手よ?
そこは別に問題じゃないの。
なんで、彼の口からこんなことが出て来るわけ?
ノンケ男性ってこんなにゲイジョークに慣れてるものなの?
別に、あたしはノンケ男性が嫌いなわけじゃないし。
むしろ、タイプの男ならノンケゲイ関わらず好きなんだけど。
下心があるなしに関わらず、向こうにそう思われるのが嫌なのよね。
だからなのか、ノンケ男性といるとキャシーはとても大人しくなるみたい。
で、いつかあたしが考えなしに友達にこう言ったわけよ。
「あのノンケくん、可愛いわ。」
あたしの口から出て来る「可愛い」なんて、1秒ごとに標的が移り変わるのに。
その友達ってば、あたしがそう言ったとそのノンケくんに言っちゃったわけ。
「彼、キャシーに好かれたって、めっちゃ爆笑してたよ。」
と、お腹を抱えて笑う友達。
「あんたね!彼とは仕事でも会うのに!気まずいわ!何より、あたしは可愛いとコメントしただけで、好きなんて感情は無いけど?」
と、怒ってももう後の祭り。
次にそのノンケくんと会うときは、キャシーどうなるのかしら?
「ノンケ男性が女性を常にそういう目で見ているんだから、キャシーのこれは可愛いものよ?」
って、開き直れば良いかしら?