キャシーが勤めるNPO団体が、今月よりお引越しになったのよ。
うちの団体、実は80年代から始まったトロントのアジア系ゲイたちの同性愛者の市民権運動とサポートグループが元祖だったわけで。
そのまま、HIV/AIDSという大波と戦うべく、90年代に今のようなエイズ団体になり。
カナダの同性婚公認運動にも大いに参加したくらいとてもゲイな団体なのよね。
もちろん、ゲイ関係以外にも今はたくさんプログラムがあるんだけど。
こんな歴史もあって、トロントのゲイタウンに20年近くオフィスがあったわけ。
それがこの夏、チャイナタウンにお引越しになっちゃったのよ。
チャイナタウンといえば、キャシーが食材をいつも買いに行くところよ?
友達から教わったタイやインドネシア料理のレシピもここでしか食材揃わないし。
何よりいろんなものが安く揃っちゃうのがお財布に優しくて、魅力的なのよね。
ちなみに、日本の食材や調味料はコリアタウンで買い漁るわ。
って、全然話が違う方向に行っちゃったんだけど。
今回チャイナタウンに引越す理由になったのもお金だったわけ。
トロントのゲイタウンはここ数年、不動産の価格がもの凄く高騰していて。
多くのゲイビジネスは利益を生み出せずに、段々と数が少なくなっている。
観光名所だったあのドラッグショーが有名なゼルダというレストランまで家賃が払えずに、ゲイタウンから出ざる終えなかったのよ?
もちろん、入れ替わるのは家賃が払える大手のチェーン店なわけで。
そのおかげで、トロントのゲイタウンはどんどんゲイらしさを失っている。
NPOのあたしたちも例外ではなく、高い家賃を払い続けるのは苦しい。
だから長い議論の末に、新たなスタートとしてチャイナタウンを選んだわけ。
「ゲイタウンから離れたら、LGBTのプログラムが衰えちゃう!」
という意見もあったにはあったんだけど、キャシーはそれは違うと思うの。
一見ゲイからかけ離れたチャイナタウンでゲイイベントなんて、それも素敵じゃない。
数年後には、チャイナタウンでもレインボーがいっぱい見られるようになるかもね。
そうなるように、あたしももっと頑張るわ。
ただし、もうひとつ深刻な問題があるのよ!
チャイナタウンに一足踏み入れれば、食!食!食!なわけで。
今日も誘惑に負けて、ベトナムサンドと菓子パンを買い食いしちゃったわ。
タピオカミルクティーなんか、販売禁止にしてほしいくらいよ。
キャシー、これ以上増量しないように気をつけなきゃ。