ちょっとぉ、やだわぁ。
今年でトロントプライド5年目よ。
もう20代前半の輝きとか放ってないんだけど、チヤホヤとかされるかしら。
とか言いつつ、今年もしっかりプライドパレードを歩いたわよ。
ここ数年でだいぶお腹周りが大きくなったし。
もう目もキラキラしてないあたしだったけど。
今年は股間がめっちゃキラキラ輝いてましたのよ。
昔は観客から水鉄砲で股間をいっぱい狙われたのに。
今年は白い下着だったにも関わらず、パレード中一回も狙われなかったわ。
本当、ゲイたちは年齢と体型にシビアなんだから。
「今年は全然濡れてなかったわ。」
なんてパレードの後文句たらしてたら。
友達に後ろからパッシャーッと水をかけられてびっしょり濡れたわ。
「こんな品のない濡れたはいやよっ!」
そんな悲しいキャシーの叫びだけがチャーチストリートに響いてたの。
思えば、今年のプライドは少し去年と違う感じがしたわ。
去年といえば、少し自暴自棄になってたとこもあって。
希望は持って、期待は捨てるなんてことはわかってても。
「こんなにたくさんゲイがトロントにいるのに、まともな出会いもないなんてどういうこと?」
と考えてばかりで、ビターに擦れたキャシー。
何も収穫の無いプライドを終えて、疲れ果てて一人家に帰ったの。
その一週間後に、まさかの展開で今の彼と付き合うようになるなんて皮肉よね。
だからか、今年はずいぶん心が穏やかだったわ。
別に、彼氏ができたからとかではなくて。
希望を捨てずに、前に進み続ける大切さを実感できたからだと思う。
6年前に東京プライドを歩いた時は、興奮と歓喜に溢れていたのを覚えてる。
今年のプライドは、それを思い出しながら地面を踏みしめながら歩いたわ。
つまらないことで自暴自棄になるんじゃなくて。
「自分のため、他の人のために、今出来る事をやっていこう。」
そう思えるようになったのも、支えてくれる人がいるからなのかもしれない。
もちろん、今年もプライドの後は例年通り疲れ果てて家に帰ったんだけど。
あたしの隣には優しく手を引っ張ってくれる人がいたわ。
おまけよ。