そういえば、あと数週間で新居に引っ越すあたし。
そう、今付き合っている彼とついに同棲生活を始めちゃうの。
少し奮発して、今の家賃の二倍のマンションに引っ越すんだけど。
「二人で払うしいいか!」
って気楽に一年間の契約書にサインをしてしまったわ。
これ、なんとかなるわよね?
っていうか、なんとかならなきゃまずい。
本題に入る前にそんなネガティブなことを口走ってしまった。
この写真、去年彼とIkeaに遊びに行ったときのものなんだけど。
キレイに飾られたモデルルームの家具に腰掛けて。
「来年は一緒に家具買ってたりしたらどうしよ。」
「ないないない。その前に別れてるから。」
なんか自虐的な冗談なんか言い合ってたけど。
先週末、早くもそんな家具ショッピングをする日が来ちゃったの。
ラッキーなことに、キャシーは去年より一人暮らしをしてたおかげで。
意外と必要最小限の家具は揃ってて、一から買う必要はなかったんだけど。
ゆっくり話し合って、コーヒーテーブルとデスクだけは買うことに決めたの。
で、クイーンストリートに繰り出して、家具屋巡りをしたんだけど。
二人で家具を選ぶことがこんなに大変だったなんて想像もしなかった。
キャシーは、どっちかというと直感派で、すぐ決断するんだけど。
彼はというと、けっこう物事を分析してから、答えを出す人なのよ。
バランスが取れてるといえば聞こえは良いけどさ。
そのバランスを取るのに、めっちゃ格闘してるから。
それで、ある家具屋さんに入って、ステキな赤いデスクを見つけて。
さらに、値下げされてるお洒落なコーヒーテーブルも見つけたの。
「これ今日両方買うから、もっとおまけしてよ。」
って店員さんと値切って、およそ$300近く割引きしてもらったあたしたち。
「じゃ、もう買っちゃおうか?」
ってもうクレジットカードを出す気満々なキャシー。
「ちょっと待って、一回座ろう。」
と、財布に伸びる手を止められたあたし。
「このコーヒーテーブルはたしかにいいと思うけど、あのデスクは少し予算より高めだし、それに赤ってどうなの?」
と、冷静にぶつぶつ言い出す彼。
「で、買うの?買わないの?」
と、既にイライラが頂点に達してるあたし。
「うーん、もうちょっと考えたいし、違うオプションも見たい。」
というわけで、彼の意見も尊重して、しぶしぶ財布をしまったわけ。
このあとも、入るお店入るお店で意見が合わず。
お互いを見る目をキツくなって来て、だんだんと会話にも毒が混じりだして。
このままでは殴り合いになりそうなので、買い物を中止して帰宅した。
こういうときは、頭を切り替えて、理論的に話し合って解決するあたしたち。
家でお茶を飲みながら、エクセルシートを作って、長い議論の末に。
ついにお互いが納得した上で先にコーヒーテーブルだけを購入した。
「これが二人で一番最初に買った家具だね。」
なんて臭いことを言いつつ、彼も嬉しそうだった。
まだまだ引越しはこれからで、きっと本当の喧嘩はこれからなのかも。
友達のゲイカップルは3年以上付き合ってて、引越しで3年分以上喧嘩したという。
まだ1年も付き合ってないあたしたちはどうなっちゃうのかしら。
それでも、お互いに初めての同棲に凄くワクワクしているのよね。
このワクワクとストレスの間で、キャシーはしばらく揺れているのかな。
そういえば、家具を一緒に買ったって友達に話してたら。
「キャシー、超シリアスじゃん!」
「うちなんて、家具は全部拾ってるから別れても痛くないよ。」
とか笑って言われたわ。
そういうものかしら。