高校時代の自分を取り戻すゲイ。

学生時代の友達と久々に会うと、不思議な感じがする。

特に小学校や中学、高校の友達で、それっきりあまり会ってなかった人。

そんな人たちと、20代中盤になって久々に話をすると。

まるで時間を旅しているような気分になる。

あたし、時をかける少女にずっと憧れてたの。

ただ、これってゲイとなるとまた話が違ってくるのよ。

20代中盤ともなれば、華々しくゲイデビューする人もいるだろうし。

今更、学生時代の友達と会っても、それを説明する必要があるのかもしれない。

だから、あたしは2年前に帰国したときは学生時代の友達に連絡取ってなくて。

事後報告で、「帰国してました」なんてmixiに書いたら、怒られたわけ。

申し訳なかったんだけど、今更カミングアウトするのもしんどいもん。

それでも、高校時代にけっこう親しかった友達からメールがあったの。

「心配してんだから、次帰ったら連絡よこせよ。」

この友達、実はけっこういろいろ因縁があるというか。

高校時代にキャシーがゲイだと同級生全員に言いふらされたりして。

仲は良かったんだけど、決してゲイに対して理解がある友達ではなかったの。

キャシーが大学に入ってからは、ほとんど遊ぶこともなくなったから。

今更こんなメールをもらって、内心少し嬉しかった。

だから、Bitsのコラムでもこのことについて書いたんだけど。

正直、もう数年以上も誰かに律儀にカミングアウトなんてしてないし。

否定的な態度にもうまく対応できるか自信がなかったけど。

会うからには、面と向かってカミングアウトをしようと思ったの。

先日帰国したときに、地元のコンビニで待ち合わせした二人。

朝から心臓がバクバクして、落ち着かずに待ち合わせ時間前にコンビニに到着。

もう高校時代とは随分キャラが変わってる自分を鏡でもう一度確認して。

「よし!」って心の中で誰かに言ってみたりしてしてたら。

「よっ!キャシー!」

と、噂の彼も到着。もう逃げられない。

8年ぶりにこうして遊ぶのに、不思議とそんな風には感じず。

とりあえず、近況報告なんてしながら、近所のファミレスに入って。

席に座って、緊張して乾いた喉をグラスのお水で潤してたら。

「おまえ、彼女いんの?」

早速、来た!

こんな質問されたら、もう言うしかない。

「彼女じゃなくて、彼氏。」

けっこう決め台詞のように言ってしまい、赤面するあたし。

「おまえやっぱあっち系だったか。」

と、意外と驚いてない彼。

「で、おまえネコなの?タチなの?」

って真顔で聞いて来たわけ。

ええええぇぇぇぇええええぇ?

そこ?そこから聞く?

っていうか、ネコタチってそんなに日常用語だった?

もうなんか、こっちから投げた爆弾をそのまま返されたわ。

そんなわけで、意外とそこから話が弾んでしまって。

ランチしてさっさと切り上げるかと思ってたら。

一緒に地元散歩して、お茶して、カラオケ行って、晩飯まで行って。

8年分もの積もった話に盛り上がって、凄くステキな時間が過ごせたわ。

結局、向こうにはゲイの友達もいて、そのおかげでゲイに慣れてたらしいけど。

後で聞いたら、やっぱりキャシーがゲイだったことはショックだったみたいで。

それでも、いつものように接してくれたから、きっと大丈夫だろう。

その晩、家に帰ってからゆっくり卒アルなんてめくってみたんだけど。

こうやって、高校時代にたくさん時間を共有した人と。

今の自分を共有できたのは、本当に有意義だと感じた。

だって、もしキャシーがそのまま彼らとの関係を断ち切れば。

たくさんの思い出も一緒に彼らとともに、忘れ去られちゃうじゃない。

ゲイだとカミングアウトしてから、いろんな新しいことに手を出して。

一部の仲いい友達としかそういうことを共有してなかったから、なおさらのこと。

なんだか、高校時代の自分を取り戻したような感じで、なんかセンチメンタル。

心の中がほんわり暖まって、卒アルを夜遅くまで読んじゃったわ。

「今度有給が溜まったら、トロントに遊びに行くから!」

って向こうは言ってたから、来たらいろいろ案内してあげよっと。

一生のうち、素でいられる友達なんてそんなに出会えるものじゃないし。

そういう人たちをゲイとノンケで見ずに、もっと大事にしようと反省した。

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