今年もプライドが近づき、エイズ黙祷イベントの季節がやって参りました。
どんなに忙しくても、このイベントだけには参加するキャシー。
だって、商業主義で汚されちゃったプライドのイベントの中でも。
その本来の意味を保ち続ける素晴らしいイベントなんです。
毎回、目に涙を溜めて、心に温もりを感じながら参加させてもらってます。
このイベントをもっと知りたい方は、去年の記事をお読みください。
そんな今年も、ボランティアとしてこのイベントを手伝ってたあたし。
街頭に立って、募金集めながら、ビラ配りしてたのよ。
もちろん、多くの方は募金に協力してくれるし、優しい言葉をかけてくれます。
しかし、それでも今年は失礼な人もたくさんいました。
キャシーがエイズと言った瞬間に。
「僕はゲイじゃないから。」
とそのまま歩き去ってしまう人がいたり。
「こんなものに興味ないし、エイズは君たちゲイの自業自得だ。」
と言って、募金集めてるだけのボランティアを泣かせる人もいたりして。
エイズ団体で働く自分としては、とても悲しい現実を見せつけられました。
そして、キャシーでさえ人生で一番怖いゲイバッシングに遭遇しました。
キャシーが笑顔で、信号待ちしてた4人組にビラを渡して。
「今日はエイズ黙祷イベントがあるから、ぜひ参加してね。」
って誘ったら、4人の中の一人が良い反応を示してくれたんです。
しかし、もう一人の男性が悪態をつきながら。
「俺、女しか好きじゃないから。」
って言うわけよ。だから。
「HIVは誰でもかかるし、誰でもコミュニティをサポートできるわよ?女が好きでも、男が好きでも、みんなウェルカムよ。」
って、笑顔で返したのね。
少し表情を変えた彼、キャシーの手からビラとロウソクを受け取って。
そのままぐちゃぐちゃに握りつぶして、あたしの目の前で捨てたのよ。
「おい!やめろよ!」
って彼の友達が言うのも無視して、キャシーを睨む彼。
これ以上関わってもらちがあかないので。
「よい一日を。」
って笑顔で言って、彼が投げ捨てたビラとロウソクを拾ったあたし。
キャシーが全然彼に反応しなかったのが、気に障ったのか。
「おまえよ。調子乗んなよ。」
ってうめきながら、今にも殴り掛かろうとする彼。
体格では全然負けてないから、あたしもそのまま睨み返しちゃったんだけど。
向こうのグループが本気で止めに入って、何事もなく終わりました。
こんな肌でゲイ差別を感じたのは、久しぶりで。
予想以上に頭に血が上ってたあたしでした。
まさか、ゲイタウンの真ん中でこんなことに遭遇するなんて。
本当に悲しかったし、ムカついたし、空しかったです。
トロントというリベラルな街にさえ、深くゲイ差別が残っていることを痛感しました。
そんな言葉や脅しでキャシーを傷つけたいだけ、傷つけなさい。
そんなことをされる度に、もっと戦ってやろうって力の源にしてあげるから。
そして、そんな嫌なことがあった後でも。
エイズ黙祷イベントの暖かさに包まれて、とても励まされたあたしでした。