アメリカと違って、カナダの感謝祭は少し早い10月なんです。
いつもなら友達で集まって感謝祭ディナーを楽しむキャシーなのですが、今年はこんな場所に居ました。
どこかの道ばたに、ぽかんと座るキャシー。
もう見るからにトロントじゃないわね。
実はあたし、何を血迷ったのか、トロントから車で4時間の田舎へ来てしまいました。
友達の感謝祭ディナーの誘いを断ってまで来たからには、よほどのことだったのよ!
残念ながら、男を追ってきたとか、そんなドラマではありません。
以前に書いた移住労働者の問題はまだ憶えてますか?
憶えていない方は、こちらを読むことをおすすめします。
カナダの奴隷たち。
先進国カナダの陰、外国人労働者問題の続き。
そんなわけで、感謝祭の週末に移住労働者たちを訪れに来たキャシーでした。
トロントから4時間のレミントンという小さな町は、すっかり秋色に染まってて。
どこに行っても、かぼちゃがあちらこちらに転がっておりました。
未だに解決の見通しがつかないカナダの移住労働者問題ですが。
この9月に、ジャマイカからの移住労働者数人が職場で事故死する事件がありました。
移住労働者といえば、果物・野菜の栽培や牧場での単純作業要員として雇われることが多いのに。
悪質な企業は、十分なトレーニングも行わず、彼らに契約書に書いてない危険な仕事をさせるわけです。
怪我をした人や、具合が悪いと訴えた人は、容赦なく祖国に送り返されるという始末で。
重傷を被ったり、毒性の強い化学物質を浴びて、帰国してから亡くなる移住労働者が後を経たないのです。
その9月に亡くなった労働者たち、そして誰にも知られずに亡くなった労働者たちのために。
さらに、この問題をメディアに取り上げてもらい、これ以上犠牲者を出さないためにも。
移住労働者と人権活動家が立ち上がり、レミントンからウィンザーまでの約50kmの道のりを行進することになったわけです。
キャシーも、この問題がまったくメディアに取り上げられないことに頭に来ていたので。
一人でも頭数が増えれば良いと思って、行進に参加させていただきました。

「2010年の感謝祭は、移住労働者と共に立ち上がろう!」
約50kmの道のりというと、軽く10時間以上はかかること確実なので。
デモ行進はなんと早朝7時に決行されたわけです。

早朝にも関わらず、既に50人以上も人が集まり。
10月中旬にしては暖かい、半袖でも余裕な秋晴れにも恵まれ、無事デモがスタートしました。

キャシーもバンダナとプラカードで準備万端です!

朝日を背中に浴びながら、ゆっくりと進んで行くあたしたち。
途中、いくつもの無人果物スタンドや野菜スタンドがあって、日本の田舎を思い出しました。

途中途中で休憩を挟みながら、紅葉や秋空を楽しむあたしたち。
空気汚染がひどいトロントと違って、レミントンの空は本当にキレイ。

お昼は、タイの移住労働者たちが用意してくれたタイ風チャーハンをみんなで一緒に食べました。

キャシー、一応ゲイだということは伏せていたんですが。
ピンクの下着を履いていたのすっかり忘れて、全開で座っておりました。
「トロントに彼女が居るんですよ。」
とか言って、タイの女の子たちからの誘いを誤摩化してたのに。
これじゃ大嘘だってバレバレじゃないの!

そんなわけで、ランチの後もデモ行進はそのまま続き。
お昼より参加した人もたくさん居て、気付けば100人以上の集団になっていました。
キャシーたちはトロントに戻らなくちゃいけなかったので、午後3時の時点で行列を離れましたが。
あたしたちが離れた4時間後、夕方7時にみんなで無事ゴールできたそうです。
地元の新聞やテレビ局は取材に来てくれたのですが、大きなメディアには取り上げられず。
それでも、こうして何か行動を起こせたのが大きいんだと思います。
トロントのゲイパレードだって、80年代には100人規模の行進だったのに。
今や、数百万人が駆けつける一大イベントになっているわけですからね。
何事も、あきらめずに挑戦し続ける事が大切です。
この行進によって、少しでも事態の改善が叶ったらいいのですが。
平等で人権が尊敬された国、カナダがどう動くか、見てみましょう。
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