ここ最近、北米のメディアでは同性愛者やトランスジェンダーの若者の自殺が多数報道されました。
ここ数週間だけでも、ゲイバッシングを理由とした自殺が北米だけで13件起きているんです。
日本でもニュースとして報道されたのが、タイラー・クレメンチくんの件です。
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ニュージャージー州ラトガース大学の学生2人が、ゲイの同級生のラブシーンを隠し撮りしてネット中継し、被害者が自殺する事件が起きました。警察は2人をプライバシー侵害の容疑で逮捕し、憎悪犯罪容疑での訴追も検討しているそうです。同大が学長名による声明で明らかにしました。
ラトガース大学によると、被害に遭ったのはバイオリンの名手として知られていた同大1年生のタイラー・クレメンチさん(18)。米メディアの報道によれば、クレメンチさんは9月19日、自室で恋人の男性とキスしているところをルームメートのダルン・ラビ容疑者に隠し撮りされ、その映像がネット上で生中継されたほか、ビデオチャット「iChat」で流されたといいます。
ラビ容疑者は、Twitter上にも2人のラブシーンの模様を書き込んでいたようです。『ニューヨーク・ポスト』紙によると、Twitterの書き込みには「ルームメイトが夜、しばらく部屋を出てくれと言ってきた。モリーの部屋に行ってウェブカメラを付けた。男といちゃいちゃしてやがったぜ」などと書かれていたそうです。
3日後の22日、クレメンチさんはFacebook上に「橋から飛び降りる、ごめんね」と書き残し、その日の夜にニューヨークとニュージャージー州を結ぶジョージ・ワシントン橋から飛び降り自殺しました。
アメリカのゲイの学生、恋人とのキスをネットで配信され、自殺
(g-lad xxより引用)
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このゲイ・トランスバッシングを理由とした自殺が集中的に報道された事で。
ブームと言えば悪いのですが、様々な著名人までいろいろな声明を出していて。
コミュニティ側からも様々な反応やデモが各地であって、問題がやっと表面化しています。
ゲイやトランスの自殺率の高さは今に始まった事じゃなく、常に深刻な問題でした。
ゲイとして、中学や高校を生き抜くのは簡単ではありませんでした。
キャシーでさえ、自殺を考えた事もあったし、あの頃は目の前真っ暗でした。
むしろ、大学が終わる前にカミングアウトした頃まで、そんな葛藤に苦しみました。
ここ数週間で、北米で報告されているゲイを理由とした自殺ケースが13件と書いたけど。
これはあくまで氷山の一角で、報道されていないセクシュアリティを理由とした自殺はいくらでもあるでしょう。
トロントでは、ユースラインという電話相談ホットラインサービスがあって。
彼らはゲイやトランスを含む悩み苦しむ子たちのために、素晴らしい仕事をしています。
しかし、こんなサービスがあるトロントでも自殺のケースはあるのに、こういうサポートがない場所はどうなるのか。
そのユースラインは、この問題をさらに訴えるべく、今夜追悼のマーチを呼びかけました。
キャシーも仕事の後に駆けつけたんですが。
およそ1000人もの人がトロントのゲイタウンの中心に集まり。
ここ数週間に無くなった子たちの名前を読み上げ、ロウソクを皆で掲げて、追悼式を行いました。
その後、みんなでかけ声をかけながら。
“END THE SILENCE ON HOMOPHOBIC VIOLENCE!”
(沈黙を破れ!ゲイバッシングや暴力を終わらせよう!)
そのままクイーンズパークまで20分かけてマーチしました。
クイーンズパークにある州議会議事堂に到着したあたしたち。
そのまま、政府に対して、この問題に取り組む事を訴えかけました。

そのスピーチの最後に、この方が集まってくれたみんなにこんな感謝の気持ちを告げたんです。
“Thanks for coming out tonight, and also ‘COMING OUT’ tonight!”
今夜は来てくれてありがとう、そして、こうしてカミングアウトしていてくれてありがとう。
とても大事なことを、英語の駄洒落でキレイにかけてくれたんです。
キャシー的に、とても心に響いた強い言葉でした。
今日は水曜日で、集まりが終わったのは夜の10時頃でした。
それなのに、こんなにたくさんのコミュニティメンバーが集まるなんて凄いです。
トロント市長議員選が数週間後に控えていますが、この問題に真剣に取り組んでくれる人が選ばれることを祈ります。
キャシーは投票できないので、祈るだけです。