個人的に、今更紹介するか迷ってたこの映画。
トロントでは昨年夏に公開されて、賛否両論の大ヒットでございました。
日本では絶対公開されないだろうし、ウケるわけもないと予想してたので。
DVDくらいは公開されたのかしらってチェックしたら、なんと今月に発売されておりました!
勇気があるなら、ぜひ一度は見るべき!
ブルーノ(Brüno)
主演のサシャ・バロン・コーエンは、前作『ボラット』でもかなり過激なことをやってましたけど。
こちらの映画も全く負けておりません。
悪ノリ全開!
すべてにおいてやりすぎ!
映画の内容を簡単に説明するとこんな感じ。
オーストリア人のゲイファッションリポーターが、アメリカに行ってセレブを目指すわけです。
本作はコメディ・ドキュメンタリーといった感じで、ブルーノの役になりきったサシャ・バロン・コーエンは法に反するかしないかギリギリなことを次々と実際にやってしまうんです。
映画公式サイトによると、ブルーノがやることに巻き込まれた人々の反応はホンモノらしいし。
このサシャ・バロン・コーエンって命張ってるわ。
エルサレムで、ゲイ風のユダヤ教ユニフォームを着て歩くブルーノ。
アフリカで限定版iPodと赤ちゃんを交換したブルーノ。
SMごっこして遊んでたら、鍵が外れなくなって街をさまようブルーノ。

軍隊に入って、上官たちにマジ切れされるブルーノ。

ディルドを持ったゲイから身を守る護身法を習うブルーノ。
っていうか、ここで紹介していることで驚いちゃいけません。
これは映画の序の口で、まだまだ過激なことはたくさんあります。
この映画が公開された当時、キャシーは見に行くのためらってました。
だって、下手すればお金払って、ゲイをバカにした映画を2時間弱見る事になるでしょ?
もうゲイ差別は十分身に染みるくらい経験しておりますので、それは遠慮願いたかったの。
だから、先に映画見に行った友達たちから感想を聞いたのね。
そしたら面白い事に、ノンケの友達たちは。
「全然面白くなかった。」「ボラットのが良かった。」
って反応だったのに、ゲイの友達たちは。
「やっばい!」「ちょーウケた!」「絶対見に行った方がいいよ!」
で、面白いように分かれてたんです。
それで、あたしもようやく勇気を出して見てみたわけ。
もうね。
映画の最中、最初から最後まで爆笑させていただきました。
この映画、ゲイというステレオタイプを最大限に強調しているんで。
冗談が通じない人が見れば、たしかにゲイをバカにしていると捉える事もできます。
ただ、その強調したステレオタイプで終止ノンケの社会でおバカなことをしてくれるブルーノ。
やり過ぎな場面も確かにあったけど、社会に隠れた問題をうまい具合に浮き彫りにしています。
ゲイの友達にウケて、ノンケの友達にウケなかったのも、それが原因だったのかもしれません。
この映画、キャシー的には全然楽しめました。
北米のカルチャー、ゴシップ、それとゲイカルチャーに詳しい方ならジョークもほとんどわかると思います。
ただ、目を覆いたくなる居心地の悪いシーンを大量なので、見るときは自己責任でお願いします。
まったく、このサシャ・バロン・コーエンって何者なんでしょうね。
彼がこの映画の撮影中に殺されなかったことは奇跡としか言いようがありません。
でも『ボラット』に引き続き、『ブルーノ』も大ヒットしちゃったんで、きっと次もあるんでしょうね。
彼が殺されない事を心より祈っております。