トロントのプライドパレードって、もはやトロント市の一大イベントに成長していて。
本来のゲイやビアン、トランスの権利を主張するために始まったマーチが。
今では、プライドは性の多様性を祝福する盛大なお祭りになりました。
しかし、イベントが大きくなれば、お金がからんできて。
コミュニティー側が求めるようなものとは、ついついかけ離れちゃって。
スポンサーの要望にどんどん支配されて、本来の意義を失うことにもなりかねません。
今年は、その問題が例年以上に表面化し。
トロントのLGBTコミュニティーが立ち上がって、運営側と激しい論争が繰り広げられました。
キャシーのブログでも、その一連の騒動は取り上げました。
それでは、プライドの本来の意義を維持するためにはどうすればいいのか?
やっぱりコミュニティー側がイベント運営にもっと声を届ける必要があります。
黙ってちゃ、知らない間に勝手に大事なことをどんどん決められちゃう。
そんな今日、プライドトロントの重役の席を埋めるための新たな立候補者たちが揃って。
トロントのLGBTコミュニティーと面と向かって、対談する会議がありました。
今日は仕事の後に、重い腰を上げてその堅苦しい会議に参加してきたキャシー。
イベント会場に入ると、既に立候補者たちが集まっていて。
彼らが全員白人男性だということで、テンションがた落ちなあたし。
ちょっと、女性は?トランスは?有色人種は?
白人男性が重役の席を陣取るのって、ちょっと時代遅れじゃなくて?
そんな文句は後で言うとして、とりあえず席に着くキャシー。
肝心の会議は、とても白熱し、意外と有意義な議論が繰り広げられました。
「プライドをコミュニティーのものに戻すためにどんな努力をしてくれますか?」
「有色人種コミュニティーの居場所をちゃんとプライドで保証してくれますか?」
「高いお金払ってシンディー・ローパー招待するくらいなら、地元のアーティストをもっと優遇するべきじゃないの?」
「現プライドトロントの理事長がストレートなことについてどう思うんですか?」
なんて歯に衣着せない鋭い質問が飛び交って、立候補者たちは冷や汗だらだらでした。
それでも、立候補者の皆さんはなかなかしっかりとしたビジョンを持っていて、感心させられました。
これで実際に行動に移してくれて、トロントのプライドパレードに変化を起こしてほしいです。
キャシーの友達はトロントのLGBTコミュニティーニュースを制作してて。
でっかいプロフェッショナルなカメラ抱えて。
「キャシー、今日はインタビューするから覚悟しときなさい!」
とか宣言されちゃって、緊張しながら一生懸命言う事まとめてたのに。
「今日の会議は収穫が少なかったから、映像にしないことにしたの。」
「キャシーのインタビューは次の機会にするわ!」
って、せっかく考えたスピーチが役に立ちませんでした。
何はともあれ、こうしてコミュニティーがまた熱く燃えて。
スポンサーの言いなりになってたプライドに対して、変化を起こして行くいう流れは非常に嬉しいです。
プライドパレードは、私たちLGBTコミュニティーのためのものです。
スタバのコーヒー宣伝会場でもなければ、銀行の顧客集めイベントでもありません。
コミュニティーとスポンサーのバランス、なかなか簡単ではないけど。
この経験を乗り越えて、トロントのLGBTコミュニティーがさらに元気になっていくといいな。
2014年には、ワールドプライドの開催が控えているトロントですが。
いったいプライドパレードはそれに合わせてどう変わって行くんでしょうかね。
それまでトロントに居るかも怪しいですが、楽しみです。