この前、こんなドキュメンタリーの予告編をyoutubeで見つけたあたし。
“クローゼットに戻されるLGBTシニアたち”
と題されたこのドキュメンタリーは、LGBTシニアたちの深刻な現状を描いています。
ゲイムーブメントが本格的に始まった1969年や、その前から戦ってきたアクティビストたちは2010年を迎えた今、40歳以上も年を取ってしまっているわけで、高齢者の問題に直面しています。
その当時は同性婚なんてなかったし、パートナーや子供が居ないゲイシニアはたくさんいます。
むしろ、同性婚がある今も、パートナーや子供までいるゲイカップルはそう多くありません。
さらに、自分の家族とゲイであるという理由で疎遠な人もたくさんいたりします。
だから高齢者になり、サポートを失い、孤立するゲイシニアはとても多いんです。
中には、老人ホームで感じるホモフォビアに怯えて、クローゼットに戻される人たちもいます。
彼らが一番カミングアウトに苦労した世代なのに、本当に皮肉なものです。
そんな問題について、このドキュメンタリーでは触れています。
トロントでも劇場公開されたら、ぜひ見に行かなくちゃ。
それで、この予告編を友達にも見せたわけ。
だって、キャシー世代のゲイたち、あんまりこういうこと語らないじゃない。
正直、高齢者の問題って、ゲイもストレートも同じように大変だと思うんだけど。
ホモフォビアがある分、高齢者ゲイの問題はもっと複雑でもあります。
「もしパートナーも子供も居なくて、貯金も無かったら、老後どうなるんだろう。」
「いつまでもクラブで友達作る生活はできないし、年取ったら相手にされない。」
「ゲイコミュニティーって、高齢者に対するサポートって全然ないわよね。」
「ハッテン場の階段を点滴持ったままぜぇぜぇ上り下りする生活だけは嫌よ。」
なんて、こんなこと言ってる友達も多く、みんな何かしら不安は抱いています。
むしろキャシーだって、不安で仕方が無いし、何か変化を起こしたいって思ってます。
お母さんにこの話をすると。
「ほら。ゲイとして生きてるから、そんなことにぶち当たるんじゃない。」
とか言われるわけだけど。
「お母さんだって、今一人じゃん!何も変わらないわよ。」
とか、キャシーもずばずば言って。
「そうよね。老後はどうすればいいのかな。」
って2人して考え込んじゃったりします。
それで、この予告編を見た一人の友達がさっそく行動を起こしたんです。
「トロントのLGBTシニア問題をみんなで考えよう!」
ってこの問題に興味がある人を探してみたら、かなり反響があったんです。
キャシーとその友達で、いろいろコミュニティーを巻き込む方法も考えてたんだけど。
「まず、トロントにあるLGBT高齢者をサポートするサービスを全部見つけることが先決よね。」
「あと、若い人たちで無鉄砲に進むんじゃなくて、当事者や経験のある年上のアクティビストたちも誘って、一度ブレインストームをしなきゃね!」
なんて、やる気がまんまんなあたしたち。
とりあえず、何かやってみなくちゃわかりません。
始まりは小さいものかもしれないけど、いつかはこれが何か大きな変化に繋がる事になりますように。
ゲイとして、ビアンとして、トランスとして。
あなたは高齢者になったとき、どんなサービスが欲しいですか?