ゲイに生まれて、一番大変なことの一つが家族との関係かと思います。
お母さんとはとても仲良くやってるあたしでも、カミングアウトまでは大変な道のりでした。
ここまで理解をしてくれる母を持てて、自分はとてもラッキーです。
数週間前、ふと友達がキャシーに相談をしてきたんです。
「キャシー、お母さんにゲイだってバレちゃった。どうしよ。」
「え?何があったか詳しく教えて?」
って話を聞いてみると、けっこう大変な事態になっていたんです。
この友達、お母さんにラブレターを読まれたらしく。
そのラブレターの内容で、お母さんも彼がゲイだとわかってしまい。
「あんたゲイなの?ゲイなんでしょ?」
「見てないところで、どんな汚れたことしてるわけ?」
「あんたはうちの家の恥さらしよ!」
と泣きながら、彼は責められたんだそうです。
移民の世代や、宗教観が強い人だと、トロントで生活していても。
ゲイを理解することは難しく、保守的な立場を取ることが多いんです。
そんな友達のお母さんも信仰心が強く、移民のため、ゲイに対して理解がなかったんです。
キャシーの友達はというと、なんて言えばわからず。
ただただ、ゲイだってことは否定して、数週間お母さんと気まずい時間を過ごしたんだそうです。
「キャシー、どうすればいいのかな?」
そして、そんな状況を改善したくてあたしの意見を聞きに来たんです。
正直、キャシーも解決策なんて持ち合わせてません。
10人の親が居れば、10通りの反応があるわけで、うまく行くかなんて誰もわかりません。
ゲイに凄く理解がある親が、自分の子供がゲイだという事実を受け入れられなかったり。
ゲイに理解がない親が、子供にカミングアウトされてからゲイへの理解を深めたなんてことも聞きます。
キャシーの母だって、あたしがカミングアウトするまでゲイ大嫌いだったのよ?
とりあえず、キャシーが彼にあげたアドバイスは3つ。
最初に、今がカミングアウトのタイミングなのかを見極めること。
もしあなたが学生で、親に学費を払ってもらってる身分だったら、カミングアウトは良い決断ではありません。
だってもし勘当なんてことになったら、学費も払えなく、学校も卒業できなくなっちゃうでしょ。
でももし親が既にゲイだという証拠を掴んじゃってるんなら、カミングアウトが逆に良い方向に向かうことも。
息子のラブレターを読んで、混乱してる親には、息子から直接の説明が一番不安を解消できるのかもしれません。
だからこそ、カミングアウトの必要性を考え、様々な角度からそれを検証して。
もしそれが事態を改善するのに必要だと信じれるなら、それが正しいタイミングなのかもしれません。
カミングアウトがすべての解決策ではないので、クローゼットでいるのだって立派な選択肢です。
次に、カミングアウトをする時は「ゲイ」ではなく「あなた」にフォーカスすること。
親からすれば、いかにゲイであることが正常で、合理的なのかを説明されても。
感情的になっているなら、そんな理屈なんて飲み込むのは難しいと思います。
だから、ゲイとして生きているあなたが幸せだってことを伝えましょう。
もちろん、もしあなたがまだゲイとして生きることに自信がなく、不安定なら。
その不安が親にも伝わって、さらに心配をさせてしまいかねません。
だからこそ、誇りと自信を持って、自分がゲイで、幸せで、楽しく生きていると言えることが大事です。
最後に、カミングアウトは一回限りではなく長いプロセスだと認識すること。
親にカミングアウトして、「俺ゲイだから、今日からよろしくね!」っていうわけじゃなくて。
アフターケアというか、そこからの関係の再構築が必要になってくるわけです。
最初のカミングアウトが失敗に終わって、親に理解を得られなくても、失望してはいけません。
同性愛やゲイに理解が無い人が、一日でアライに変わることなんて奇跡だと思ってください。
少し時間を置いてまた話をしたり、同性愛についてマジメに書いた本を親に読ませたりと。
あきらめずに、粘り強くコミュニケーションをとることが大事なのです。
何回言っても伝わらないこともありますが、一回で伝わることだって少ないんです。
ちなみにキャシーがお母さんに何か本を読ませるなら、『カミングアウト・レターズ』かな?
この3つが、キャシーが個人的にカミングアウトするときに気をつけてることですが。
これに従えばカミングアウトがうまく行くなんてことはないので、あくまで参考として読んでください。
10人居れば、10通りのカミングアウトがあります。
正解とか、間違いとか、そういうものではありません。
だからこそ、カミングアウトって難しいんですよね。
カミングアウトとは、クローゼットから出るということです。
特に家族へのカミングアウトは、近い分、リスクも高いです。
だからこそ、しっかり考えて、準備をして、真剣に挑みましょう。
ちなみに、あたしが母にカミングアウトしようと決意した日のことですが。
友達に電話して、もし追い出されたら泊めさせてってお願いして、荷造りまでしました。
カミングアウトが無事に終わって、荷造り戻してたら、お母さんに何やってんのか聞かれましたけど。
キャシーの友達の話に戻るんですが。
あたしのアドバイスを聞いて、その友達はもう少し考えて、状況を判断すると言ってました。
まだその友達がカミングアウトしたかどうか、何も聞いていませんけど。
無事に事態が落ち着くことを祈るばかりです。
こんな相談をされて、考えさせられたんですけど。
いくら自分がリベラルでオープンな生活をできてるからって。
それがすべての人の現実ではありません。
それを久々に気付かされました。