キャシーってば、去年はプライド中にホモフォビアに遭遇してるじゃない?
憶えてない方は、こちらをお読み下さい。
今年も嫌な予感がしてたわけよ。
っていうか、もうプライド中はゲイタウンの外までレインボーが溢れて。
町中がゲイムードたっぷりになるわけだから。
ホモフォビックな人(ゲイ嫌いな人)はきっと鬱憤が溜るのよね。
これはプライド週間の金曜日の夜にあった怖い話です。
あたし、トランスマーチを終え。
ゲイタウンから車で10分ほどのパーティに仕事をしに行ったんです。
仕事が終わったのが深夜12時過ぎで。
そのままパーティでビールを数杯飲んで、友達たちと話して。
深夜2時頃に、仕事で使った荷物を抱えて、タクシーを捕まえて帰ったわけよ。
荷物をタクシーに詰め込んで。
「チャーチとウェルズリー(ゲイタウンの中心交差点)までお願いできる?」
って言ったんだけど、タクシードライバーの微妙な表情を見て、少し冷や汗をかくキャシー。
ギラギラなゲイゲイしい格好でゲイタウンまでって言ったから。
ゲイです!ってカムアウトしちゃったあたし。
そのタクシードライバーは黒人だったわけだけど、黒人がみんなゲイ嫌いなわけじゃないし。
とりあえず、黙ったまま10分のドライブをやり過ごそうと思ったわけ。
でも、そこで黙ってくれないのがタクシードライバー。
「今日は車道閉鎖でチャーチとウェルズリーには入れないよ。」
って言われて、そういえばプライド中はずっと車がゲイタウンに入れないのを思い出し。
「じゃ、ウェルズリーとヤンでいいです。」
って言って、会話を終わらそうと思ったら。
「あそこらへんの輩ってろくなやつがいないから、行きたくないんだよね。」
とか愚痴りだす運転手さん。
きっと酔っぱらいが多いから、そんな理由よね。
ゲイとかビアンとかドラァグクイーンが多いって理由じゃないって祈るあたし。
でも、この運転手の口調は段々強くなって。
「だいたい、自分たちが神に背いたことをやってるからって、他の人に強制するのはおかしいって。」
とか、なんか急に意味深なことを語りだしたんです。
神に背いたことをしてる人ってゲイのことを差してるのよね?
で、他人に強制って何?
まさかこの人、ゲイは選んでなれるとかって思ってる保守派?
生まれた時に「ゲイ」と「ストレート」のカードがあって。
あたしが自分で選んでゲイになったとでも言いたいのかしら?
あたしたちが、他の人にゲイになるように強制してる集団とでも思ってるのかしら。
もう頭の中では火山が煮えたぎってるんだけど、状況が状況なのよね。
深夜のタクシーに、あたし一人、向こうを刺激したら何されるかわかりません。
もう顔色変えず、外の景色に集中して、話が聞こえないふりをするあたし。
「彼らはやりすぎってもんを知らないんだ。今に天罰が下る。この国はああいう輩に優しすぎるんだよ。俺だったら、絶対に許さない。」
それでも、そのままぶつぶつと文句を足れ続けるこの運転手。
もう、本当になんなのよ!
今はプライドの真っ最中よ?
あたしたちの獲得した権利を祝福するめでたい時期なのよ?
なんで、こんな説教を10分も聞かなきゃならないのよ?
ウェルズリーとヤンまで到着したら、そそくさとタクシーを降りて。
チップは1セントもあげなかったキャシーでした。
今思えば、運転手の名前を控えて、クレーム出せばよかったくらいです。
もうこういうホモフォビア体験は、プライドの恒例行事なのかしら?
本当、トロントがいくらゲイフレンドリーだとしても、決して安全なわけではないんだよね。
プライドが終わって、一週間経った週末に、友達と手をつないで街を歩いてただけで。
車道の向こうから、ピンクのシャツを着たおじさんが大声で。
「おまえらゲイは気持ち悪いんだよ!向こうに行ったら思い切り蹴り入れてるとこだよ!」
とか、そんな感じでホモフォビックな暴言を5分ほどずっと吐かれたのよね。
キャシーってば、もう全然スルーしようと思ってたんだけど。
友達がけっこうそれに怖がっちゃったので、あたしは頭に来て。
「Thank you! Have a nice straight day!」
(どうもありがと!ストレートな良い一日を!)
って、ゲイっぽく叫び返しました。
なんでゲイってパレードしたり、ゲイタウンに固まるのかって疑問に思ってるなら。
友達と手をつないで、楽しく道も歩けない。
こんな社会が一つの理由だと思います。