キャシー、けっこう映画好きでもあるんですが。
わざわざ映画館に足を運ぶことはあんまりなくて、最新映画にも疎かったりします。
特に、最近の映画は3Dだったり、続編物ばかりで。
一概にそうとは言いませんが、派手なだけで、内容の無い映画が多くてチェックする気がしません。
キャシーはどっちかというと、数多くの映画を見るよりは、好きな映画を繰り返し見ることの方が多いかも。
そんなキャシーが、最近見て凄く気に入ったのがこの映画。
コリンファース主演の『シングルマン』です。
こう見ると、どんな映画か検討もつきません。
日本に向かう飛行機の中で、13時間も暇がつぶせなくて。
機内の映画チャンネルを、特に期待もせずに何か無いか見ていたら。
この映画が出てきて、そういえば友達がおすすめしてたと思い出し、見てみたんです。
そしたらもう、見終わって少し硬直するくらい深い映画でした。
こんな風に感じたの本当に久しぶり(あの日のオーガズムぶり)。
で、どんな映画なのかというと、とてもシンプルで。
パートナーを亡くし、生き甲斐を失った一人の中年教授の一日の話です。
1964年という、ゲイムーブメントが本格化する少し前に出版された同名小説が原作になっています。
一応ゲイ映画なんですが、あえてゲイという設定にしなくても通用するお話です。
ただ、ゲイという要素と、物語の時代背景が、それをより深いものにさせています。
一応、主演のコリンファースはアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされて。
昨年の『ミルク』のショーンペーンに引き続き、ゲイ役が二連覇をするかと思われたんですが。
残念ながら、ノミネート止まりになってしまいました。
そう考えると、『ブロークバックマウンテン』しかり、『ミルク』しかり。
アカデミー賞というメジャーな映画賞に、ゲイ映画がこうやって頻繁に出てくるのって、嬉しいことですね。
こっちのポスターの方も、けっこう好き。
アカデミー賞受賞はならずとも、この映画はキャシーお墨付き。
音楽、映像の一コマ一コマ、そして色彩の使い分け方。
もうすべてが、コリンファース演じる主人公と見事にシンクロしていて。
最後の最後まで、ぐいぐい引きつけられて、意外なラストで心を鷲掴みにされます。
テンポの遅い、比較的長い映画にも関わらず、まったくダレません!
コリンファースも、この映画では演技が光りまくりです。
フェロモンもぷんぷん。
マンマミーアでは、ゲイ役を演じていたのにも関わらず、キャシーは全然憶えてなかった彼。
この映画で、一気に株が上がって、ちょっと彼の他の作品もチェックしようと心に決めたあたしでした。
あとジュリアンムーアも、存在感抜群で、もうこの人以外いないっていうくらいハマってましたよ。
ジュリアンムーア(左)とコリンファース(右)
日本では今年秋に公開予定の『シングルマン』。
映画を見に行く予定の方へのアドバイスとして、吹き替えではなく、字幕で見ることをおすすめします。
なぜならこの作品、数種類の英語のアクセントが出てきて、それが面白く映画と絡み合っているんです。
さらに作品を深く理解したいという人は、そこにも気を配ってみましょう。
とても素晴らしい映画だと思うので、ぜひ映画好きの友達を誘って見てみてください。